2015.11.04

脚の付け替えは鉄の板がキーになる【No.1361】

先日のブログエントリーでは、ライフスタイルに合わせてローテーブルで購入したテーブルを数年後、高さ70cm程度のダイニングテーブルにすることが出来るのかという質問に答えるカタチで、2パターンのライフスタイルに合わせたテーブル高の変更の事例を紹介しました。

ライフスタイルに合わせて柔軟な対応ができるテーブル

では、どのようにして脚を付け替えるのかを具体的にみていきます。高さが違う脚を付け替えるには予めテーブル天板と脚を外せる構造にしておく必要があります。木工の最も基本となる接合方法に、ほぞ組みというものがあります。私も中学生の時、学校の授業で折りたたみができる簡単な椅子を製作しました。その際に脚となる棒と背中をうける板をほぞを使って接合した記憶があります。ほぞ組とは、片方の板の先端に突起を作ります。最も簡単な方法は、片端を2方向から鋸で切ってしまえば突起ができます。接合する相手となる片方の板には作った突起がキツキツで入る寸法の穴を掘ってあげます。こちらの穴は、鑿を使ってあけるのが一般的です。こうして作った凹凸をはめるように接合したものがほぞ組みです。ほぞ組みの場合、接着剤を使うのが通常ですので、何度も着けたり外したりすることは出来ません。そのため、ほぞでテーブル天板と脚をつけてしまうと、後のち、違うサイズの脚に付け替えることは出来ません。

柔軟な対応をとるためには、伝統的な技術だけでなく、文明進化の成果物を使うことも重要になります。この場合は、金属製のプレートとボルトを使ってテーブルの脚を天板に固定するようにします。金属製の接合部品として最も簡単なのは、釘と木ネジです。釘はさほど強度を必要としない接合には簡単な方法ですが、ある程度重量のあるものを乗せたり、負荷がかかるテーブルと脚の接合には強度が足らなすぎて使えません。次に木ネジを使うことも考えられますが、木ネジのは木部に直接ねじ込みますので、木部が損傷し、何度も同じところに木ネジを使って固定すると段々と強度がなくなって、最終的には木ネジをうってもスカスカになってしまい固定出来なくなってしまいます。釘を使ったものより強度は出ますが、何度も付け替えを前提としたテーブルと脚の固定には使えません。最終的に登場するのは、ボルトと鬼目ナットといわれるメスのネジを組み合わせて使う方法です。

鬼目ナットは内側はボルトを受けるネジになっていて外側はいくつかの爪がついています。このナットを埋め込むと爪がストッパーになっていて固定されます。鬼目ナット自体は木ネジと同じように木部に直接埋め込むので何度も付け替えるとゆるくなってしまうことがありますが、一度埋め込むと外すようなことはないので問題はありません。ボルトは一般的なネジです。この2つはそれほど高価なものではありませんが、効果は抜群で長く使える無垢材テーブルには欠かせない部品になります。

金属製のプレートについては、脚に比べると結構大きいものになります。これはボルトを5箇所以上で留めたいのである程度の大きさが必要になります。5箇所以上ボルトで留めればボルトが緩まってガタつきの要因になることが避けられます。

下の画像がプレートがついた脚になります。
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ライフスタイルに合わせてテーブルの高さを変えることが出来るテーブルを実現するためには、強度と何度も付け替えることが出来る必要があります。それを実現しているのが、金属製のプレートとボルト、鬼目ナットです。通常は天板の裏側にあるため目立ちませんがテーブルを支えるとても重要な部品です。

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