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家具屋で働く双子のブログ
北米産広葉樹があつい。ウォールナット材・チェリー材・ホワイトオーク材【No.1279】
ソリウッドで使用している木材は、主に北米産、ロシア産、国産のものになります。樹種によって産地が異なります。残念ながら広葉樹の木材は輸入材に頼らなければいけない状況が続いています。木材全体の国内受給率が20%台という状況は今後も続くと思われます。特に広葉樹に関しては、今後この数値が増える方向に向くとは考えにくい状況です。戦後日本はスギやヒノキといった針葉樹をたくさん植えてきました。こうして日本の林業と言えば、針葉樹林業という状態が作られました。
戦後復興の際に木造住宅の構造材になるスギやヒノキの需要が増えると見込んで山という山にスギ・ヒノキを植えてきました。スギやヒノキは広葉樹に比べると、伐倒して使えるようになるまでの時間が短いというのも針葉樹をたくさん植えた要因だったそうです。しかし、戦後復興が思いの外順調で高度経済成長の間に、どんどんと新しい木造住宅が建つようになりました。そのため、戦後に植えた木では間に合わずに輸入材に頼らざるを得ない状況になりました。こうした輸入材がドンドン日本に入ってくるようになりました。そして、現在戦後に植えたスギやヒノキが約60年から70年という伐倒適齢期を迎えているにも関わらず、様々な理由でうまく活かす事ができていません。
その間、広葉樹に関しては大きな動きもなく人工的な植林をして育てるといった事はほとんど行われてきませんでした。そのため、伐倒できる位置にある適齢期の木はほとんど伐倒してしまった状況にあるようです。国産広葉樹の生産量はわずかになってしまいました。国産広葉樹をメインに扱っていた材木市場では、国産材だけでは量を確保することができずに、アメリカ、アフリカ、東南アジアといった各国から入ってきた丸太を扱うようになりました。こんな状況なので、国産材の安定供給は難しいんですね。輸入材の安定供給力は凄まじく、対抗できる状況にはありません。
ソリウッドでは北米産の広葉樹をよく使います。1番人気のあるウォールナットは北米を代表する広葉樹材です。世界的にも人気で価格高騰、在庫確保が難しい状況になっています。さらに急激な円安の影響でウォールナット材の価格はどんどん上昇しています。数年前に比べるかなり価格が高くなっています。ソリウッドでも値上げをせざるを得ない状況になってしまいました。
ウォールナット材に比べるとチェリー材やメープル材の価格は安定しています。もちろん円安の影響で高くはなっていますが、それ以外の要因での価格上昇というのはありません。材の確保も安定しています。特にチェリー材はここ最近、良質な板を確保できています。ストレートカットテーブルや耳つきテーブル用ともに良い仕入れが出来ています。耳つき板の在庫量もかなり増えてきています。
メープルも供給は安定しています。ソリウッドでは注文がある時は続けてメープル材の注文が来ます。でも注文が止まるとしばらく注文がない時期が続いたりします。メープルは堅くて丈夫なためテーブル材には向いています。導管が狭いため手触りはスベスベでとても気持ちよいんです。
北米産の広葉樹で注目度が上がっているのがホワイトオーク材です。ホワイトオーク材はナラ材の仲間です。ナラ材と呼んでいるのは日本、中国、ロシアに生えているミズナラという種類です。日本では長い間ロシア産のナラ材がたくさん使われてきました。ロシア産のナラ材は目が詰まっていて質の良いものが多かったんです。ですか、ここ数年はロシア政府がナラ材・タモ材の輸出量を減らす政策をとっています。そのため、日本に入ってくるナラ材が激減しています。もちろん価格も急騰しています。そのため代替え品として注目されたのが北米産のホワイトオーク材です。
ホワイトオーク材はロシア産のナラ材よりも少し目が粗いです。色のバラツキも多いように感じます。パッと見は区別がつきにくいです。私も見分ける自信はありません。2つの板があって、どちらかがナラ材、もうひとつがホワイトオーク材という状況なら区別がつくかとは思っていますが…
というわけで、今日は北米産の広葉樹について書いてみました。
瑞木@相模湖
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