2015.08.15

ロシア産ナラ材とタモ材の行方【No.1280】

長いはずの夏休みも後半に入りましたね。Uターンラッシュも始まっています。今年は都内で過ごしていますが、街はやはり空いていますね。人が少ないとこのままの状況が良いなあと感じてしまいますが、そうはいかないのが残念です。

昨日のブログエントリーでは、北米産の広葉樹について書きました。絶好調なウォールナット材をはじめ、チェリー材、メープル材といった実力十分の材種が揃っています。今後も北米産広葉樹の勢いは続きそうです。北米産広葉樹の勢いの背景には、ロシア産広葉樹の存在があります。

タモ材とナラ材はロシア産広葉樹を代表する木材です。どちらも無垢材家具製作ではよく使われてきました。特にタモ材に関しては、無垢材家具のスタンダード樹種と呼ばれるぐらいになっていました。ソリウッドでも、特に材種の指定がない見積などはタモ材を使用することを想定して算出していました。

しかし、ここにきてロシア政府の政策方針の転換があり、タモ材・ナラ材の輸出量を制限してされるようになりました。これによって、タモ材とナラ材の日本国内への輸入量が大幅に減っています。量が減れば当然価格は上昇します。ロシア産の丸太は北海道の原木市場に並びますが、年々その量は減ってきています。丸太の径をだんだと小さくなっているようです。この状況はロシア産原木に限らず、どの産地でも聞かれる話ではありますが…

タモ材を使用していた家具メーカーでは、他の材への変更などをしている場合もあるようです。それだけ、材の確保が大変になってきたということでしょう。使用している量が多かっただけに、タモ材の供給量低下は大きな影響をもたらしています。今後もこの傾向は続くと考えられています。

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タモ材は明るい茶褐色をしています。皆さんが木製家具をイメージすると思い浮かべる色に近いのではないでしょうか?スタンダードとして使われてきた理由はそんなとこにもある気がしています。粘り気があって加工がしやすい木材です。堅さ・重さは中程度で乾燥何度も中ぐらいだと思います。まさにスタンダード木材なんです。

タモ材の代わりになる木材はホワイトアッシュ材が1番に思い浮かびます。ホワイトアッシュ材は北米産の広葉樹です。タモ材とホワイトアッシュ材は仲間の材です。でも、見た目に結構な違いがあります。まず、色。タモ材は明るい茶褐色をしています。が、ホワイトアッシュはもう少し白っぽい色をしています。名前の通りです。木目もホワイトアッシュ材は粗く、大胆な模様が多くでます。ロシア産のタモ材は目が詰まっていて緻密な印象ですが、北米産のホワイトアッシュ材は比べると粗く大胆な印象を受けます。

ロシア産のナラ材はタモ材以上に輸入量が減っています。各材木屋さんも確保に懸命になっていますが、元の量が極端に減っているためにどうにもならない状況になっています。ロシア以外の産地のナラ材を探したりと新しい動きがでています。ヨーロッパ産のナラ材というのも日本国内で出回り始めました。そして、北米産のホワイトオーク材の存在価値が急上昇しています。ナラ材の入手が困難になってきたため、安定供給のためにホワイトオーク材を使用するケースが増えてきています。

ロシア産のナラ材は寒い環境を耐え抜いてきたために目が詰まっています。色も均一で落ち着いた雰囲気を醸し出しています。やはりロシア産のナラ材は外せない樹種だと思っています。

ロシア産のタモ材・ナラ材は質、価格ともに無垢材家具メーカーにとっては無くてはならない存在です。出来れば今後もずっと使っていきたい木材です。でも、こうした状況が続くのであればいずれ使用するのか難しくなる時期がきます。ロシア産広葉樹今後については目が離せない状況です。

瑞木@相模湖

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