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家具屋で働く双子のブログ
ウォールナット材をより良く乾燥させるために…
だんだんと暑くなる日が増えてきましたね。日射しが強いので外での作業をやりづらくなってきました。日焼け止め+帽子が必需な季節ですね。そんな時は、水浴びですよ。
実際にウォールナットの板に水を掛けました。ではなんでこんな事をするんでしょうか?
ソリウッドでは耳つきテーブル用の板を自ら乾燥させています。材木市場で買い付けてくる耳つき板は未乾燥材が多いです。製材されたばかりの板がほとんどです。まあ、中には製材してから時間が経っている材もありますが…
木材乾燥は、天然乾燥+人工乾燥が基本です。天然乾燥だけ、人工乾燥だけというのもありますが、効率や乾燥精度を考えると天然乾燥+人工乾燥が良いと考えています。天然乾燥だけだと乾燥しきらないという問題があります。きっちりと桟積みして風通しの良い場所に置いておいても、含水率15%ぐらいまで下がるのが限界だと思います。もちろん何年も置いておけば、それ以下まで乾燥することもあると思います。しかし、それでは効率がとても悪くなります。
人工乾燥だけというのも、板に対する負担が大きくなり過ぎます。製材されたばかりの板は水分をたくさん含んでいます。これらをいきなり人工乾燥庫に入れると、かなりの確率で大きく割れてしまうと思います。また、高含水率の板を人工乾燥庫に入れると含水率が下がるまでに時間が掛かります。あまり効率的ではありません。
そのため、ある程度の含水率までは天然乾燥させておくのが良いということになります。水浴びさせたウォールナット材は2014年の4月に材木市場で買い付けた板です。つまり、約1年天然乾燥させた板ということになります。
結構乾いています。赤い数字が現在の含水率です。天然乾燥1年で含水率約15%は上出来だと思います。ここまで下がっていれば人工乾燥の時間もそれほど掛からないでしょう。
同時に買い付けた同じ丸太から採れた板4枚。どの板も含水率約15%ぐらいまで下がっていました。もう天然乾燥は十分なので、人工乾燥庫に入れて乾燥の仕上げをします。このまま人工乾燥庫に入れても良いのですが、今回は少し手間を加えてより良い乾燥状態を目指すことにしました。
乾燥庫に入れる前に水でびしゃびしゃにします。せっかく乾燥している板になぜ水を掛けるの?と思う方も多いでしょう。まあ、意味がなければわざわざこんな事しないですよね。
木材乾燥の敵は、割れと反りです。大きく割れてしまったり、反ってしまった板は使える部分は狭くなってしまいます。とはいっても、木材を乾燥させる上で割れと反りを全く無くすことはできません。それらをいかに少なくするかがポイントになります。
割れてしまう原因の一つは、乾燥差です。表面と内部の乾燥具合に差がつくと割れてしまいます。水分は表面から抜けていきます。そのため、表面の水分はなるべく抜けて欲しくないんです。矛盾していますが…
そこで表面を水で濡らしておけば、表面の水分が抜けるまで時間を稼げます。出来る事なら板がスッポリ入るようなプールを用意してそこにしばらく漬けておくのが効果的だと思います。しかし、なかなかそこまではできません。そこでホースによる水掛けなんです。
ホースによる放水で濡らした後に水分計を当てたところ、含水率は75%ぐらいになっていました。表面だけ濡れているので、実際に板の含水率が変化するほどではありません。しかし、何もしないよりは良いのではないでしょうか。
1枚1枚の表と裏に水をたくさん掛けて、ジャブジャブの状態でそのまま乾燥庫へ入れました。さあ、良い結果がでるでしょうか、楽しみです。
ちなみにトチ材など白っぽい板の場合は、カビや桟の跡がつく場合があるので水で濡らさない方が良いです。一筋縄でいかないのが、木材の愉しさでもあります。
瑞木@相模湖
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