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家具屋で働く双子のブログ
無垢材テーブルと"はぎ"の関係を掘り下げてみました。
一昨日のブログエントリーで無垢材テーブルの価格差の要因について書きました。無垢材テーブルには10万円ぐらいから100万円を超えるものまでかなりの価格差があります。その要因は、樹種・大きさ・はぎ枚数です。今日は”はぎ枚数”が無垢材テーブルの価格差に影響を及ぼす事についてさらに詳しく書くことにします。
まず”はぎ”について。このブログエントリーでも何度も取り上げていますが、木を使って家具を製作する上で”はぎ”は必要不可欠な作業です。”はぎ”は幅方向で複数枚の板を接着することを指します。接着には接着剤を使います。
例えば奥行き600mmのデスク天板を製作したいとします。一番簡単なのは幅が600mm以上ある板を切って600mmにする方法です。ところが、幅が600mmある板というのは数が少ないんですね。コンスタントに大量に供給できるほど流通量がありません。そこで幅の狭い板をはぎ合わせて幅600mmの板を作るのが一般的です。
樹種によりますが、一般的に多く流通している板の幅は200mm前後です。奥行き600mmのデスク天板を作るには3枚の板をはぎ合わせることになると思います。運良く350mm以上ある板が手に入れば2枚はぎという選択を可能かもしれませんが、あまり現実的ではありません。ウォールナット材は幅が狭い板が多いので、4枚はぎになる可能性も充分にあります。
流通量の多い規格品の板は120mmから250mmぐらいの幅が多いです。木材の発注をする際には、厚みを指定します。「厚み34mmのタモ材を20枚ください。」と材木屋さんに言うと在庫板の中から幅のバランスを見ながら選んでくれます。
ソリウッドのストレートカットテーブルはこうした流通量の多い規格品の板を使用して製作しています。こうした材は立米単価というのがあって、1枚1枚の板の体積に立米単価を掛けたのが板1枚の価格になります。そのため、幅がある板は幅の狭い板に比べると高いですが、体積がある分高くなっているだけで価値がついている訳ではありません。
ですから、その時にある木材によって多少はぎ枚数は変化します。奥行き850mmのテーブルの場合、ウォールナット材は6~7枚はぎ、その他の材なら4~6枚はぎぐらいになります。
無垢材テーブルで極端に価格が安いものは、はぎ枚数が多いと思って間違いありません。奥行き850mmの天板で10枚以上の板がはいであったりするものは材料費のコストダウンをしています。板目の板で幅が90mm以下の板というのは数が多くありません。ということははぎ枚数の多いテーブル天板に使われているのは、幅の広い板を切った端材とかになります。こうした端材を集めれば材料費のコストダウンが可能です。
ソリウッドではこうした端材や幅の狭い板ばかりを集めて天板を作ることはしていません。
規格品よりも幅が広い板は耳つき板として仕入れています。これらの板は材木市場で未乾燥材を仕入れて乾燥させて使用しています。ソリウッドでは耳つきテーブルとして製作しています。こうした耳つきの幅が広い板は1枚1枚に値段がつきます。幅が広くなればなるほど付加価値がついて値段が高くなります。1枚板テーブルが高額なのはこのためです。
1枚板テーブルになるほどの幅が採れる板というのは樹種が限定されます。国産材ならケヤキ・トチの1枚板テーブルが製作できるような幅の板が多くあります。国産材の1枚板テーブルを探すならこの2種の樹種を中心に探すと良いと思います。北米産ならウォールナット材も幅広い板があります。ウォールナットと並んで北米産の代表的な木材でブラックチェリー材は1枚板テーブル用の幅広い板はほとんどありません。チェリーはあまり大きく成長しないんですね。よってチェリー材の1枚板テーブルを探すのは現実的ではありません。その他、アフリカ産の樹種は幅広い板が採れます。まとめると1枚板テーブルならケヤキ・トチ・ウォールナット・アフリカ材の中から選ぶと良いでしょう。
それ以外の板なら無理に1枚板テーブルを探すより、耳つきの2枚はぎテーブルを探した方が良いです。2枚はぎテーブル用の板は幅500~600mm程度です。このサイズの板は1枚板テーブル用サイズよりは安く手に入ります。その分テーブル価格も抑える事ができます。樹種の選択幅も拡がります。
カバ材の耳つき2枚はぎテーブルです。カバ材は1枚板テーブルになるような板はとても少ないです。そのためカバ材のテーブルが欲しい場合は2枚はぎかそれ以上のはぎ枚数のテーブルを探すの懸命です。
瑞木@相模湖
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