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家具屋で働く双子のブログ
オイルとウレタンの続き〜聞き慣れない単語をわかりやすく解説します〜
今日のエントリーは昨日の続きになります。まだ読んでいない方は昨日のブログエントリーを先に読んで頂ければと思います。
オイルとウレタン〜聞き慣れない単語をわかりやすく解説します〜
昨日は無垢材家具の仕上げに使うオイルのメリットまで説明しました。今日はデメリットの整理から始めます。
オイルは木部に浸透して保護するので、表面に塗膜を作りません。そのため、水染みや汚れがつきやすいです。食事の際の食べこぼしなどはすぐに拭いてしまえばすぐに跡がついてしまうということはありません。気をつけて頂きたいのは、底が濡れたコップを長時間置いておくことです。場合によっては、コップのカタチに輪染みが残ってしまいます。
また、濡れた鉄と木に含まれるタンニンという成分が反応してその部分が黒くなってしまうことがあります。これは染色で使われる鉄媒染と同じもので、鉄の器などを使用する際は、何か敷くなどの対応が必要になります。
そして、キレイに保つには定期的なメンテナンスが必要になる点もデメリットとして挙げられます。一方で昨日書いたようにご家庭でメンテナンス出来るのもメリットになります。油汚れなどがつかないようにするには、テーブルの表面にオイルが保たれている状態のほうが良いです。オイルは水で拭いたり、毎日使うことで徐々にオイルが抜けてきます。オイルが抜けてくると油汚れがつくなどの原因になります。そのため、1年〜2年に1回ほどオイルを塗るメンテナンスを推奨しています。もちろん、このメンテナンスを怠ったからといえ、テーブル自体の強度や質に変わりはありませんが、天板の表面をキレイに保つにはやっておいたほうがよい作業になります。
また、メンテナンスについてよく聞かれることがあります。それは「テーブルの裏や脚もオイルを塗る必要がありますか?」という質問です。
「基本的にはテーブルの裏や脚については、塗らなくて大丈夫です。」と答えています。天板の裏や脚については、頻繁に水拭きなどをしていなければオイルが抜けてカサカサする状態にはならないので、基本的にメンテナンスしなくてOKです。ですが、床にこぼした水分が脚に飛び跳ね、そのまま跡に残ってしまっているようなケースも考えられます。そのような場合は、天板と同じように、上からオイルを塗るか、軽く紙やすりをかけその上でオイルを塗ると目立たなくなります。
続いて、ウレタン塗装についてみていきます。ウレタン塗装というのは、ウレタン樹脂で硬い塗膜をつくり木材を保護する仕上げ方法です。簡単にいってしまうと木の表面にプラスチックの膜をつくるということです。
ウレタン塗装のメリットは、汚れや染みがつきにくい、定期的なメンテナンスが必要ないといった点です。オイル仕上げのデメリットとして、汚れや染みがつくということを挙げましたが、ウレタンの場合、このオイルのデメリットを解消してくれます。
ですが、ウレタン塗装にもデメリットがあります。主なデメリットは、長年使用すると塗膜が剥がれてくる、メンテナンスが家で出来ないたま削り直しには時間と費用が掛かる点です。1点目は、ウレタンはプラスチックなので、15年ぐらい使用してくると表面が劣化して塗膜がはがれてきてしまいます。こうなると、見た目も悪く、そのまま使っていると剥がれた部分がベトベトしてくることがあります。こうなってしまうと、ご家庭での対処が出来ず、工房で預かり、機械を使って削り直す必要があります。また、少し誤解している方もいらっしゃるようですが、ウレタン塗装でも表面に細かい傷はどうしてもついてきます。オイルの場合は、紙ヤスリで軽く削りオイルをぬれば目立たなくなるものもありますが、ウレタン塗装のテーブルの場合、こういった補修が出来ません。
こちらは長年ご使用頂いたウレタン塗装を施した天板です。表面のウレタンが劣化し剥がれている部分もあり、艶を失っています。このような場合、表面のウレタン部分が汚くなっていますが、木部はそこまでダメージを受けていません。再度塗装をし直せば下の写真のように新品同様に蘇えらせることができます。
2日に渡り、「オイル」と「ウレタン」について説明してきました。おわかり頂けたと思いますが、どちらの仕上げ方法も一長一短であり、完璧な仕上げ方法というのはありません。無垢材テーブルを手に入れたいと感じたときに、何を一番重要視するかをよく考えてみてください。
賢木@吉祥寺
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