2014.11.26

耳つきはぎテーブルの”はぎ”には経験で培う技術が必要です。

ソリウッドでは定番のストレートカットテーブルに加えて耳つきテーブルなるものを製作・販売しています。このブログでも何度も取り上げていますが、耳つきテーブルとは樹皮がついていた部分を残して製作するテーブルのことです。ストレートカットテーブルと耳つきテーブルで仕上げ方などは共通ですが、一部違った方法を使わないといけない場面があります。接着剤をつけて圧力を掛けて固定する”はぎ”という作業で違いがあります。今日はその事について書いてみます。

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これが耳つきテーブルです。長い方の端がまっすぐになっていません。木が生長した形がそのまま残っています。写真はカバ材の耳つき2枚はぎテーブルです。耳がついた板を2枚はぎ合わせて製作しています。

耳つきテーブルの代表格は1枚板テーブルです。1枚板テーブルとは、はぎ合わせをしていない正真正銘の1枚の板で出来ている天板のテーブルです。耳なしの1枚板テーブルも製作することは可能ですが、通常1枚板テーブルの場合は耳つきで製作することが多いです。1枚で天板になるような大きな板は数が少なく貴重で高価です。そこで1枚では天板にならない幅の板を接着剤ではぎ合わせて作るのが”はぎテーブル”です。2枚の耳つき板をはぎ合わせたら”耳つき2枚はぎテーブル”になります。両端に耳つき板を配置して真ん中に耳裁ちの板をはいだ場合は”耳つき3枚はぎテーブル”と言います。以降はぎ合わせる枚数が増えていくと”耳つき4枚はぎテーブル””耳つき5枚はぎテーブル”となっていきます。

木は伐採しなければずっと生長していくと考えがちですが、実際はそうではありません。寿命があります。そのため全ての木が太く大きく生長するわけではありません。1枚板テーブルが取れる樹種は限られています。国産の木ではケヤキとトチが代表格です。それ以外の木でも1枚板になる幅広い板を見掛けることもありますが、ごく稀です。多くの樹種はそこまで太く生長しません。そのため、1枚でテーブルにならない幅の板もたくさん製材されています。それらの板をはぎ合わせてテーブルにするのはテクニックがいります。ソリウッドでは耳つきのはぎテーブルをこれまでにたくさん製作してそのノウハウを培ってきました。

耳つきはぎテーブルを製作するうえで1番難しいのは”はぎ” です。”はぎ”ははぎ面に接着剤を塗って圧力かけて接着させます。ストレートカットのはぎテーブルの場合は端が直線なので圧力を掛けて接着させるのにそれほど苦労はありません。はぎ機という機械を使用することも可能です。
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ソリウッドで使用しているはぎ機です。このような機械で適切な圧力をかけて接着させることが可能です。しかし、耳つきテーブルの場合は端が直線ではないので、はぎ機にかけることができません。

そこでハタガネという道具を使います。ハタガネは木工界ではよく使われる道具ですが、一般的には知名度は低いです。
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木工教室の生徒さんがハタガネを使って板をはいでいる様子です。長い金属の板上の物がハタガネです。これで締め付け接着します。

耳つきテーブルをはぐ場合もハタガネを使用します。テーブル天板に使用するハタガネはもっと大きいものです。
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耳の部分にしっかりハタガネが掛かるように調整して使用します。ここでしっかりと圧力が掛からないと接着不良を起こしてのちのちはぎ面が剥がれてしまうので、とても重要な作業です。ハタガネの掛け方にコツがあり、これは経験を重ねないと身につかない技術です。ハタガネの掛け方ひとつで接着状況は大きく変わります。

はぎ合わせ以降はストレートカットテーブルと同様に仕上げの作業をしていきます。

瑞木@相模湖

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