2014.06.17

耳つきテーブル用板の仕入れに材木市場に行ってきました！

先日耳つきの板を仕入れに木材市場に行ってきました。木は成長が鈍くなった冬の時期に伐倒されることが多くなります。10月ぐらいから始まって3月ぐらいまではシーズンになります。ということで6月ともなると出品される木材は少なくなるのが普通です。そういう時期だらかこそ掘り出しものがあるかもしれないと、期待半分、諦め半分で木材市場に向かいました。

ところが、市場に行ってみると予想とは違って数多くの出品がありました。朝早くにセリがスタートするので、その前にザーッと出品物の品定めをしていきます。出来れば前日に現地入りして下見をしておきたいところですが、時間の都合などで中々そうする事ができません。近場の人達は前日にキッチリと下見をしています。特に原木は十分な下見をしておかないと中がどうなっているかを見極めるのが難しくなります。セリの開始までに足早に土場をチェックして、めぼしい板をチェックしておきます。

チェックするのは材種、サイズ、状態の3項目。ウォールナット・チェリー・トチ・ミズメ・カバ・カエデ・ヤマザクラ・クリなどがあればサイズと状態を確認します。耳つきテーブルにする場合はある程度の厚みがあったほうが良いので、あまり薄い板は避けます。逆に厚すぎる板も乾燥が難しくなるので出来れば避けるようにしています。昔は60mmぐらいある厚いテーブルが好まれましたが、最近はあまり厚くないテーブル天板を探しているお客様がほとんどです。ソリウッドの耳つきテーブルは45mmぐらいを目安に考えています。45mm厚に仕上げるためには55mmぐらいの厚みがちょうどよくなります。ただし、55mmで製材されている板は数が多くありません。だいたい60mmで製材されている板が多いです。

厚みの次は幅のチェックです。幅の板の価格が決定する上で非常に大きな要因になります。幅が広くなれば当然価格も高くなります。1枚板テーブルにちょうど良い850~900ミリサイズは1番高いです。それよりも狭くなると価格は安くなります。ソリウッドでは耳つきの2枚はぎ〜4枚はぎを中心に品揃えをしているため、狙う板の幅は300ミリから600ミリぐらいの間です。

板の状態も気になります。まず割れが入っているかどうか？木口から割れが入るのはつきものですので、その割れがどのくらい進んでいるかは確認しておきます。良い板でもテーブルサイズになる長さが採れないとテーブル天板には出来ません。多くの板は2m以上あるので、大きな割れが入っていなければ特に問題ありません。逆に短い板でも割れなければテーブルになる板にはチャンスがあります。安い価格でセリ落とせる可能性があるからです。長さが1800ミリぐらいしかないとちょっと割れが入ったら大きなテーブルは製作できません。そのため、未乾燥の短い板を仕入れるのは勇気が要ります。なので人気ない場合が多いです。こういう板は思い切って買ってみるというのも一つ手です。

さて、今月の市ではウォールナット材は少なめ、カエデ材とチェリー材は普段と比較すると数が多くありました。クリ材も程度のよい板が出品されていました。トチ材は数多く出品されていましたが、この時期のトチ材は注意が必要です。トチは板にカビが入りやすい木です。他の樹種は表面にカビが入っても削ってしまえば取れてしまいます。しかし、トチに生えるカビが根が深く削っても取れません。しかも、湿気の高い場所で桟積みしているだけでもカビが生えてしまいます。そのため、今回は購入を見送りました。すぐに引き取れるなら問題ありませんが、今回は後日引き取りの段取りだったため欲しい板はありましたが我慢しました。

結果としてかなりの数の板を仕入れることができました。耳つきの2〜4枚はぎテーブル用の板を中心にチェリー材・カエデ材・ウォールナット材と定番の樹種を揃えることが出来ました。板が工房に到着した際にまた紹介しますね。

少し話しが逸れますが、気になっていた事が一つ解消されたのでその話をします。

丸太の木口に打ち込まれているプラスチック製のS字の割れ止め。その名前が分からなかったのでネットでいろいろ調べてみたんですが、分からずじまいになっていました。そこで材木市場の社長さんに聞いてみたところ”Sカン”と呼んでいるとのこと。なんか想像していた通りの名前でしたが、とりあえず名前が分かったので満足しました。割れをくい止めるために鉄製のカスガイを打ち込むことがあります。しかし、カスガイが打ってあると製材する時に外さないいけません。カスガイを外すのは結構面倒な仕事なんですね。ところが、Sカンはプラスチック製なので製材帯鋸の刃を傷めることがありません。付けたまま製材する事ができるんです。これでカスガイを外す時間と手間が省けるようになるです。これは便利…

瑞木@相模湖

• Tweet
• シェア

• • 前の記事
  • 次の記事
• ブログ記事一覧に戻る