2023.05.09

ケンポナシとミズメ

新作のテーブルをいくつか作りましたが、その中で普段は使わないマイナー樹種があったので改めて紹介したいと思います。

まずはこちら。


ST184テーブル

なんの樹種か分かりますか?

答えは

 

ケンポナシ

 

正解を聞いてもピンとこない人も多いと思います。

 

漢字で書くと

玄圃梨

家具の世界に入ってから名前は聞いたことありましたが、実際にどんな木かと言われるとよく分からないでいました。(今でもそんなによくは分かってないです)

クロウメモドキ科ケンポナシ属の木です。


オレンジ掛かった褐色。今回は柾目なのでそこまでハッキリとした木目ではないですが、導管が太めの環孔材なので板目だとハッキリと木目が現れそうです。

割と重さはあります。「見た目より重いな」と感じました。

いい色をしていて、程よい硬さでテーブル天板にも向いている材だなと感じています。

ただ、流通量が少ないので今後も作れるかと言われるとなんとも言えません。入手できたら作れるかなと…

 

続いては


D185テーブル

天板の樹種はミズメです。

ミズメはこのブログでも何度か紹介しています。今までにもたくさんテーブルにしてきました。私が一番好きな樹種です。が、こちらも流通量が少なめなのでいつでも製作できるわけではありません。

ミズメはカバの仲間になります。よく”ミズメザクラ”と表記されることがあります。が、サクラではありません。注意してください。材木業界にはカバのことをサクラと言う習慣があって、ミズメザクラという呼び名もこの習慣からきているものと推測できます。

むしろ、ミズメザクラという名前の方がよく聞きます。私も以前はミズメザクラと呼んでいました。しかし、桜の仲間だと誤解されやすいので、今ではミズメと呼ぶことにしています。

透明感がある木目で非常に複雑な模様が特徴です。

カバの仲間なので、硬めでテーブルとしての丈夫さは文句の付け所がありません。その分、重さはやや重めです。が、テーブルを毎日のように配置換えする人はまずいないので問題ないと思います。床がフローリングの場合は脚裏にフェルトを貼れば引きずって移動させても傷がつきません。(ソリウッドでは脚裏に貼るフェルトをおつけしています。)

「テーブルにはどの材が一番良いですか?」と聞かれることが多くあります。

答えに困る質問ですが、私の中では

「広葉樹であるならどの材でもテーブルとしての性能差に大きな違いはないので見た目で気に入ったものを選んでください。」

です。もちろん材によって硬い、柔らかい、重い、軽いはあります。この中で特に重視したいものがあるならそれを重視して材を選択すれば良いですが、特にこだわりがなければ”見た目”で選んで良いと思います。

ただ、針葉樹材は広葉樹材より柔らかいので、傷だらけになってしまう可能性があるのでテーブルとしてはあまりお勧めしません。やはりテーブルなどの家具には広葉樹材が適していると思います。

なので、ケンポナシやミズメといったマイナーな樹種でも見た目が気に入ったら、それがあなたにとって最適なテーブルの樹種になるはずです。

 

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