2021.09.09

国産材の可能性を探る。

新作のテーブルを3台製作しました。

吉祥寺ショップに置くテーブルが多くなっているからどうしようかなと思っていましたが、有り難いことに製作中に展示していたテーブルが数台売れたので、少しスペースが空きました。

今回作ったテーブル天板は全て国産材でした。

1台目はヤマザクラ材のテーブル


今後こういった感じの耳つきテーブルを主力製品にしていきたいと考えているテーブルです。

こういった感じとはどんな感じなのか?

1.耳つき4枚~6枚はぎくらいの天板

2.厚みが30mmくらい (厚くない)

3.国産広葉樹材を使って日本国内の林業や木材業界にも貢献したい

こんな感じです。

国産材を使うとなるとあまり幅広い板は期待できません。幅広い板の流通は今後も減少していくと思います。なので、直径が30cm~40cmくらいの木から取れる板をうまく使っていくことが、国産広葉樹材を使う上で重要になってくると考えています。そうなると4~6枚の板を使ってテーブル天板を作ることになります。

上のヤマザクラ材耳つきテーブルは1本の丸太から製材された板を使用しています。直径35cmくらいの丸太1本分の板です。厚み38mmで製材されて有効利用できるのは7枚の板でした。そのうちの4枚を使って天板、残りを脚材にしています。残ったのは端の1枚でした。


残りの2台は厚い板を使っています。50~60mmに製材された幅広い板です。幅が400~600mmくらいある板で2枚はぎでテーブル天板になるような板です。今までソリウッドで主力として作ってきたテーブルです。もちろんこれからも作っていきますが、上のヤマザクラのようなテーブルも増えしていきます。

幅広い板の入手は年々難しくなってきています。昔は当たり前のように材木市場に出ていたような板がどんどんと姿を消しています。国産材の幅広い板は手に入りにくくなったので、代わりに外国産の板を使うようになっています。南洋材やアフリカ材が多くなっていますね。今まで聞いたこともないような樹種の名前も増えています。ですが、大事にしたいのは我々にとって馴染みの深い昔から使っている木です。

真ん中のテーブルはオノオレカンバというカバ材を使っています。硬くて重い木です。斧も折れてしまうくらい硬いからオノオレという名前がついたというのが通説です。その名に恥じない?ほど、硬くて重いです。この板は十数年前に(もしかしたら20年くらい経っているかも)仕入れた板です。当時を知る人によると誘われていた材木市場のセリで買うものが他になく、これならと思いセリ落とした丸太一本分の板だそうです。そのうちの2枚が残っていたので2枚はぎテーブルにしました。

もう一つのテーブルは、カバ材です。こちらの板も幅広い板でしたが、真ん中に大きな割れが入ってしまったために幅広く使えないため、それぞれを真ん中で割って4枚にしてはぎ合わせた天板です。なので、実際に使用している板としては2枚です。こちらの板ももう10年以上前に仕入れた板のようです。

10年以上前ならこのような幅広い板も容易に仕入れられたのですが、ここ最近は数がめっきり減っています。そうはいってもかき集めるようにしてなんとか手に入れていきたいです。

が、やはり数は少なくなっていくので、もう少し細い木もうまく使っていかないとダメですね。

というわけで3台の耳つきテーブルがまもなく吉祥寺ショップで展示販売いたします。

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