HOME>家具屋で働く双子のブログ
家具屋で働く双子のブログ
無垢材テーブルを支える脇役
無垢材テーブルを比較検討する際には、テーブルの裏側を見たほうが良い
無垢材テーブルを探しているお客様と話すときやこのブログでも、数ある無垢材テーブルを作る工房があるなかで最も違いがでるのが天板の裏側ですということは頻繁に言っています。テーブルを選ぶ際にはどうしても木目の出方やデザインなどに目が入ってしまいますが、実はテーブルの裏側のほうが作り手の考え方や木に対する取り組みを表していることが多いです。
テーブル天板の裏側を見る際のポイントとしては、まず無垢材の反りに対する取り組みがどうなっているかを見るのが良いと思います。無垢材の反りに対して最も重要なことはしっかりと乾燥をさせることですが、これはなかなか見た目で判断はしづらく、乾燥していない材を使うところはめったにないと思います。中には、家で使われる杉などで見られる天然乾燥にこだわっているという作り手もあるかと思います。広葉樹に関しては、乾燥に時間がかかるのと、現在の室内の環境は無垢材にとっては厳しいものなので、天然乾燥だけで反りが出にくいところまで持っていくには相当の年月が必要になると考えています。ですので、多くの工房では人工乾燥機に入れて、含水率を落としているところが多いです。ですので、乾燥状況はあまり違いはありませんが、テーブルに加工した後の反り対策には、いくつか方法があり、作り手によって違いが出てくるポイントです。
ソリウッドでは、「どんなに乾燥されている材でも、天然素材である以上絶対に反りが出ないと言い切ることは出来ない」ということを無垢材を40年以上扱ってきて確信しています。ですので、ほとんど反ることはないけど、保険はかけておくという意味で、天板裏の短手方向に対して反り止めを入れています。反り止めは、木材で製作することも可能ですが、どっしりとした部材を使わないと効果がなく、テーブルの重量も重くなってしまうので、基本的には金属製の反り止めを天板裏に埋め込んでいます。この金属はテーブル天板の厚みによっても形状が異なりますが、30mm前後の厚みには断面がL字になっているもの、40mm以上の天板には、断面がU字型になっているものを特注で製作してもらいそれを使っています。
この反り止めはソリウッドの無垢材テーブルには欠かせないもので、無垢材テーブルを支える名脇役といった存在です。天板裏で活躍する脇役は反り止めだけではありません。
テーブル天板と脚を固定する際にも金属製のプレートを使用しています。金属製の反り止めは、採用している家具工房も多いですが、この脚を固定するプレートはソリウッド以外ではあまり見かけません。
テーブルと脚を固定する方法を考える上で、重要なことは「ボルトの緩みによるぐらつきを抑える」、「着脱が簡単に出来、何度でも着脱しても強度が劣らない」の2点です。
テーブルは天板はかなりの重量になりますし、片側だけもってひきづったりそれなりに雑に扱うことがあります。ボルトで固定してもどうしても緩みがでて、それがテーブルのガタつきに繋がります。ボルトを締めれば元に戻りますが頻繁にボルトを締め付ける作業をするのも億劫です。そこで、できるだけ多くのボルトを使って緩みが出にくい方法を探っていくうちに、金属製プレートを介して固定する方法に行き着きました。定番の4本脚の場合、5〜6本のボルトで固定することができ、長い間緩みがでることはありません。
また、最近の住宅事情を考えるとテーブル天板と脚は別々に搬入し、現地で組み立てることを考えないとなりません。テーブルの状態で中階段を上げることやマンションのエレベーターに入れることは困難です。その際にも、ボルトで簡単に着脱できるプレート方式が適しています。
こちらが天板と脚をつける際に活躍する金属製のプレートです。どうってことはない金属プレートですが、木の伸縮を考え穴を長穴にしたりと工夫されています。
テーブルの裏に金属が使われることを、懸念される方もいらっしゃいますが、これまで述べてきたことを考慮すると現状ではベストな方法だと考えています。脚を伝統的な方法を使って直接固定することも出来なくはありませんが、出来た当初はしっかりと固定されていても年月が経ち、どうしても伸縮で木がやせてしまうことがあり隙間ができ、ガタつきの原因になってしまいます。頻繁に補強などができれば良いですが、なかなかそう上手くはいきません。
今日のブログでは、ソリウッドの無垢材テーブルの天板裏に隠れているなくてはならない脇役について、書いてみました。こんな感じで、どの家具工房が作る無垢材テーブルにも天板裏に潜むストーリーがあるかも知れません。家具屋さんをめぐる際にはそういったことを店のスタッフに聞いてみると、それぞれの商品の違いが見えてくると思います。
-
- 2025年4月 (6)
- 2025年3月 (1)
- 2024年10月 (1)
- 2024年7月 (1)
- 2024年6月 (1)
- 2024年4月 (1)
- 2023年7月 (2)
- 2023年6月 (1)
- 2023年5月 (6)
- 2022年12月 (3)
- 2022年11月 (1)
- 2022年6月 (1)
- 2022年5月 (3)
- 2022年4月 (1)
- 2021年12月 (3)
- 2021年11月 (1)
- 2021年10月 (3)
- 2021年9月 (2)
- 2021年8月 (1)
- 2021年7月 (4)
- 2021年6月 (4)
- 2021年5月 (5)
- 2021年4月 (2)
- 2021年3月 (5)
- 2021年1月 (1)
- 2020年12月 (2)
- 2020年11月 (1)
- 2020年10月 (2)
- 2020年9月 (3)
- 2020年8月 (4)
- 2020年7月 (3)
- 2020年6月 (2)
- 2020年5月 (6)
- 2020年4月 (10)
- 2020年3月 (6)
- 2020年2月 (7)
- 2020年1月 (10)
- 2019年12月 (8)
- 2019年11月 (12)
- 2019年10月 (8)
- 2019年9月 (3)
- 2019年7月 (7)
- 2019年6月 (21)
- 2019年5月 (16)
- 2019年4月 (21)
- 2019年3月 (21)
- 2019年2月 (19)
- 2019年1月 (25)
- 2018年12月 (23)
- 2018年11月 (30)
- 2018年10月 (25)
- 2018年9月 (24)
- 2018年8月 (25)
- 2018年7月 (30)
- 2018年6月 (32)
- 2018年5月 (31)
- 2018年4月 (32)
- 2018年3月 (31)
- 2018年2月 (29)
- 2018年1月 (32)
- 2017年12月 (32)
- 2017年11月 (29)
- 2017年10月 (31)
- 2017年9月 (30)
- 2017年8月 (31)
- 2017年7月 (31)
- 2017年6月 (30)
- 2017年5月 (31)
- 2017年4月 (30)
- 2017年3月 (31)
- 2017年2月 (28)
- 2017年1月 (31)
- 2016年12月 (30)
- 2016年11月 (30)
- 2016年10月 (31)
- 2016年9月 (30)
- 2016年8月 (30)
- 2016年7月 (32)
- 2016年6月 (30)
- 2016年5月 (31)
- 最近のブログ記事
- オンラインショップ
お問い合わせContact
- TEL:0422-21-8487
- 〒180-0004 東京都武蔵野市吉祥寺本町2-28-3 2F
(営業時間: 12:30〜18:00/定休日:火・水曜日)