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家具屋で働く双子のブログ
ケヤキの復活なくして、日本広葉樹林業は続かないだろう。
広葉樹の王様と呼ばれていたケヤキがここ数年、没落傾向にあります。昔に比べると良材が少なくなってきたとはいえ、国産広葉樹の中では流通量が多い部類の樹種です。広葉樹と言えばケヤキという時代はもう完全に過去栄光になってしまいました。僕が仕入れで通っている材木市場では、ケヤキが主力でした。ところが、ここ数年はケヤキの買い手がなかなか着かない状況です。ケヤキになると人が少なくなるという傾向が見られます。でも、この状況はやっぱり寂しい。
ケヤキの没落の原因は?
ただでさえ、斜陽産業の日本林業の中で広葉樹はマイナー扱いです。日本の林業と言えば、スギ・ヒノキを代表とする針葉樹です。主に木造家屋の構造材に使用されています。マイナー扱いの広葉樹林業を引っ張ってきたのがケヤキ材です。総ケヤキ造りの家なんて建てた人は成功者として、皆から尊敬の念を集めていたなんて時代もあったはずです。
そもそもケヤキの没落の原因は何でしょうか?
ずばり”和風”です。まず和風建築の家がほとんど建たなくなりました。目立つ所にケヤキの柱がドーンと構えるといった家を建てたいと願う人が少なくなりました。家の造りが和風でなくなったために、和風の家具を欲する人が少なくなっています。和室があれば、そこに置く座卓としてケヤキの座卓が選ばれていました。まあ、和室がなくなればケヤキの座卓も必要なくなります。10年ぐらい前までは、都会の新築マンションでも一部屋は和室というのが当たり前だったように思います。築20年ほど経っているマンションならほぼ和室があったでしょう。しかし、現在建っている新築マンションには和室は標準装備ではなくなりました。あえてオプションとして選択しないと和室は手に入りません。そうまでして和室を欲する人はいなくなりました。
となると、ケヤキが生き残る道は洋風家具としてケヤキを使う1本しかないでしょう。和風にならないようにケヤキを使う、これは簡単そうに見えてなかなか難しい命題だと思います。
ケヤキの耳つき2枚はぎのテーブル天板に黒く着色した脚を付けています。どうでしょうか?和風のイメージは少し和らいでいるはずです。脚を細くするのも良いでしょう。
製作サイドも木材供給サイドに目を向ける必要があるのではないか。
ケヤキの人気が低迷している中で、売れない不安からケヤキ材の仕入れを控え目にしていました。控えどころか、ほぼゼロの状態でした。でも、やっぱりケヤキの復調なくして日本広葉樹林業が生き残る道はないと思うようになりました。ケヤキであれば売れる時代はもう来ないでしょう。でも、格好いいテーブル出来ればケヤキであっても欲しがる人はいるはずです。
上の写真のケヤキ材テーブルは売れてしまったので、在庫として製作可能なケヤキ材は1セットしかありません。少しづづケヤキ材の仕入れもしていこうと思っています。先日参加した材木市場でのセリでケヤキの耳つき2枚はぎテーブル用の板を1セット仕入れました。ケヤキとしては幅の狭い板ですが、2枚はぎで充分にテーブルになる幅がある板です。ケヤキが和風っぽく見えないためには、木目が重要な要素になると考えています。市場に並んでいるケヤキ材を眺めているとなんとなく和風要素の少ない木目を持つケヤキ材があることに気づいてきました。(そう見ようとしているだけかもしれませんが…) 値段的には大きなリスクを背負わない程度に地道にコツコツ気に入ったケヤキ材を集めていこかなと考えています。まあ、僕らに出来る事はわずかですけど木を使うものの一人としてそろそろ材を供給してくれる現場に目を向ける必要があるように感じています。
瑞木@相模湖
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