2019.06.25

メープル材とカエデ材に違いはあるの?

※2019年6月25日改訂 : 内容の一部を変更しました。

同じ仲間でありながら、木材としては産地によって別に扱われている木材があります。今日はその中からカエデ材・メープル材について書きます。

カエデを英語にするとメープルなので、同じと思う人が多いと思います。間違えではないのですが、木材を対象にした場合は、違う物を指す可能性が高いです。

木材業界や家具業界では、国産のカエデはカエデ材、イタヤカエデ材と呼んでいます。北米から輸入しているカエデ材をメープル材と呼んでいます。

なので、カエデ材やイタヤカエデ材と表記されていたら日本国産の木材と考えて良いです。逆にメープル材と表記されていれば北米産の輸入材と考えられます。

カエデの仲間はとても数が多く、200種類以上あると言われています。カエデとモミジの違いについても私はよく理解はしていません。赤や黄色に紅葉している木を見るとカエデ?モミジ?となります。

モミジは観賞用の木のことを指すという考え方もあるようです。一般的に街やちょっとした山に生えているカエデやモミジはそれほど大きい木ではありません。直径20cmぐらいの木が多いように思います。巨大なカエデやモミジの木って見かけないですよね。よく見るのは割と小さめの木で、庭木といった感じの木が多いです。

ですが、家具に使用されるカエデは大きく成長する種になります。イタヤカエデと称されるカエデは大きく成長します。大きいもので直径1m、樹高20mになるそうです。(イタヤカエデの中にも細かい分類があるようです…) 産地は主に北海道です。寒い地域に生えている木というイメージがありますよね。

カナダやアメリカから来るメープル材はサトウカエデという種類だそうです。カナダの名産品メープルシロップの元となる樹液が取れる木です。サトウカエデも大きく成長するカエデで、直径は太いもので1m、樹高は20-30mになるそうです。

カエデ材とメープル材の木材としての違いは、主に見た目です。どちらも散孔材で導管はとても細いので、木目は曖昧です。きめ細かく、手触りはとてもスベスベしています。手触り感にも両者の違いはそれほど感じません。それでも、見た印象はカエデ材とメープル材では少し違いがあります。

まず、色。カエデ材の方が少し赤身がかっています。メープル材は白、もしくは若干黄色っぽい色をしています。
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こちらが日本国産のカエデ材で製作したテーブルです。いわゆる木目という模様はほとんど見られません。

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こちらが北米産のメープル材で製作したテーブルです。カエデ材に比べると白っぽいのが分かって頂けると思います。(ただ、陽に当たると段々色が濃くなって黄色っぽさが増してきます。)

写真の例は少し極端ですが、総じてカエデ材は赤っぽい、メープル材は白っぽい感じがします。これは両方の木材を扱ったことがある人なら共感してもらえるはずです。(自然の素材なので、もちろん例外はあります。)

さらに木目の模様にも若干の違いがあるように思います。なかなか言葉で表すのが難しいですが、カエデ材の方がより繊細でデジタルチックな模様を持っています。メープル材の方が木目がハッキリと現れるような感じがします。カエデ材とメープル材を並べて比較すると、カエデ材はよりきめ細かく繊細な様子です。メープル材はすこし大雑把な印象です。

流通量は圧倒的に北米産のメープル材の方が多いです。少し残念な事ではありますが、日本においてでも北米産のメープル材の方が入手しやすい状況です。ある程度まとまった量を確保することも容易です。

しかし、カエデ材となると量を確保するのが困難になります。ちらほら市場に出回っていますが、同じような木味を持つカエデ材を揃えるとなると大変です。カエデ材はものによって、模様がだいぶ違います。その範囲も広いです。メープル材は同質なものが多いです。ロットが違ってもそれほど見た目に違いがありません。

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カエデの3枚はぎテーブルです。よく見ると3枚の板がはぎ合わせてあるのが分かると思います。3枚とも木目の様子(木味)は違いますよね。このように木によって木目が違ってきます。

見た目は繊細で、スベスベしているので軽くて柔らかい印象がありますが、実際は重くて堅い木材です。丈夫なので、ボーリングの床やピンによく使われているようです。堅いのでキズはつきにくく、テーブルとしてはメリットも多く持っています。

ソリウッドでは、耳つき板が手に入る国産カエデ材で耳つきテーブルを製作し、耳つき板が日本にはほとんど出回っていないメープル材でストレートカットテーブルを製作するようになっています。カエデの耳つきテーブルは人気があって、製作すると割と早めに売れてしまう事が多いです。材木市場で見かけたら仕入れるようにしていますが、市場に出る量が少ないためになかなか在庫を増やす事が出来ません。2019年6月25日現在でも、すぐにテーブルが作れるカエデ材の在庫はないです。

メープル材の話を書いていて思い出しました。数年前カナダで市場価格に影響がでると言われるほど大量のメープルシロップが盗まれる事件がありましたよね?あの事件ってどうなったんでしたっけ?犯人は捕まったのかな…?

↑この事件についてネットで検索してみたら、数ヶ月後に犯人が捕まって大半のメープルシロップは回収できたそうです。

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