2018.06.26

砥石の面直しにはダイヤモンド砥石を使うのが便利。【No.2326】

刃物を使う上では研ぐことが必ず必要になってきます。最近は様々なもので研がすに使い捨ての刃というのが普及してきていますが、やはり切れる刃物は研ぐものの方がいいです。使い捨ての刃の代表格はカッターですね。カッターの刃は完全に使い捨てでポキっと折れば、まだ使っていない部分の刃を使うことができます。カッターの刃も最初はとても切れ味がいいです。でも1回か2回何かを切ればすぐに切れ味が悪くなります。

刃物を研ぐためには砥石が必要になります。昔は天然の砥石を使っていましたが、今は人造の砥石が多く製造されて広く普及しています。ホームセンターで手に入る砥石は人造の砥石です。切れ味のことを考えれば天然砥石の方が優れていると思いますが、天然砥石は価格が高く、なおかつ品薄な状態です。今後ますます入手困難になることを考えれば、人造砥石を使うのも悪くありません。我々も荒砥石や中砥石は人造の砥石を使っています。普段は仕上げ砥石も人造砥石を使っています。天然砥石は現在はほぼ発掘されていません。市場に出回っているのは過去に掘られた砥石です。

砥石は研ぐと減っていきます。特に柔らかい中砥石は想像以上に擦り減っていきます。砥石の一部分がすり減らないように砥石面を満遍なく使っていても、真ん中が多く擦り減っていきます。そのまま、どんどん使っていくと目に見えて真ん中が凹んでいきます。凹になった砥石で刃物を研ぐと砥石の凹みに倣って研ぎ面も形が変わってしまいます。そうなるとうまく研げません。なので、砥石は常に平面が出ているようにする必要があります。

砥石の面直しという作業です。要するに凹んでしまったところまで他の部分を削ってまた平らな面にすることです。砥石の面直しには様々な方法があります。よく知られているのは砥石同士を擦り付ける方法やコンクリートブロックに擦り付ける方法などです。私はもっと簡単な方法を使っています。それはダイヤモンド砥石を使うやり方です。

ダイヤモンド砥石は鉄の板にダイヤモンドが電着されているものです。使ってもすり減らないので砥石の面直しに最適です。

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アイウッドというメーカーのダイヤモンド砥石#300を使っています。様々なメーカーから色々なダイヤモンド砥石が発売されています。特にこれでなくてはならないというのはありませんが、訓練校で使っていたのがこれだったので今でもこれを使用しています。錆びたり、表面のダイヤモンドが剥がれたりしてくるので何年かに一度交換しています。ホームセンター等でも手に入ると思いますが、私はネット通販で購入しています。

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表面はこんな感じになっています。当然ですが、触るとザラザラしています。この面を砥石に当てて上下に動かして表面を削っていきます。

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平面を出す砥石に鉛筆で格子状に線を引いておくと分かりやすいです。ダイヤモンド砥石をこすりつけて、この線が全て消えるようにします。凹んでいる部分は線が消えないで残るのでどこか凹んでいるかも一目瞭然です。

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このように砥石に当ててこすりつけます。砥石の凹み具合にもよりますが、さほど時間がかからずに平面を出すことができます。

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このように鉛筆で描いた線が消えれば面直しを終了です。

面直しの頻度が多くなると砥石が減るスピードも早くなります。でも、凹んでいる砥石で研ぐよりも平面が出ている砥石で研ぐ方がはるかにうまく研げると思います。慣れてくると凹んでいる砥石も使いこなすことができたりもしますが、はじめは基本に忠実に平面出しをしっかりした砥石を使う方が良いでしょう。

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