2018.06.14

わかりにくい部分もある木の名前【No2314】

木材を扱う仕事をしていて、わかりにくいと感じことがあるのが木材の表記の仕方です。現在、日本で家具の製作に使われている木材の多くは輸入材となっています。そこで、でてくるのが木材を英語そのままをカタカナで表記するのか、日本語に翻訳したものを使うのかという問題です。これについては明確にルールがあるわけでなく、それぞれの材を扱う人がどう表記するのか決めているといった状態になっているようです。

「ナラ」は「オーク」?

よく出てくるものでまぎわらしいのは、ナラ材とオーク材です。どちらも聞いたことがある人は多いと思います。昔から家具やフローリングに使われている広葉樹で、現在でもメジャーな存在の樹種です。「ナラ」は日本語で、感じで書くと「楢」となります。「オーク」は「ナラ」の英語表記となり、本来は「oak」となります。内装や家具関係の材として使われる場合、産地によって使い分けをするケースがあります。例えば、日本や中国、ロシアなどで採れたものを「ナラ材」と表記し、ヨーロッパや北米で採れたものを「オーク」と表記するといった感じです。ソリウッドでも基本的にはこのような表記をしています。もともとは、日本の代表的な木材で、特に北海道で採れるナラ材は最高級とされてきました。近年では北海道産のナラが少なくなり、流通も減少してきています。そこで、比較的地理的にも近い中国、ロシアからの輸入材を国産のナラ材の代わりに使いはじめ、それが原因でこれらもナラ材と表記する流れになった推測されます。一方、オーク材は、ホワイトオークとレッドオークに分類され、北米から輸入されています。ソリウッドでは、基本的に前者のナラ材を使用していま。以前は、ホワイトオーク材を試してみたこともありますが、その時使っていた材が、表面の干割れ(乾燥の工程ででると思われる木材表面の小さな隙間)がたくさんあり、苦労した経験があり、現在ではほとんど使っていません。

「オーク材」について、もう一つわかりにくい問題が「カシ(樫)」材も英語では「オーク」と表記される点です。ナラ材は落葉樹で樫は常緑樹で見た目の雰囲気も違います。カシ(樫)は堅くて、狂いも少ない特徴があり、古くから鉋などの大工道具などに使われてきました。日本では、違った使われ方をされていたのもあり、ナラとカシは区別して使われることが多いです。しかし、英語では同じ堅い木ということで、一緒くたに「オーク」と表記されるようです。

混同しやすい「ビーチ」と「バーチ」

ややこしい日本語と英語表記の代表格はビーチとバーチです。「ビーチ」は日本語でいうブナ材のことです。「バーチ」は日本語でいうカバ材のことです。この二つは発音が似ているので、よく混同することがあります。椅子好きの方であれば、知っているであろうハンスJウェグナー氏がデザインしたYチェアという椅子があります。これは、日本語で「ビーチ」材で作れることが多いです。

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一方、「カバ」材はテーブル天板やその他家具や小物を作ることが多いです。ソリウッドでは、どちらも定番の樹種としては、採用していないものの、お客様のご要望があり、取引のある材木屋に在庫があれば製作することは可能です。特にビーチ(ブナ)材は、ウェグナー氏の椅子と合わせたいという方からの問い合わせを受けることが多く、製作例も多いです。

「ウォールナット」と「くるみ」は違う樹種?

ソリウッドの定番商品となるストレートカットテーブルは、樹種を選んでオーダーして頂くことが出来ます。選択肢には「ウォールナット」と「くるみ」という2種の樹種があります。実は、「ウォールナット」を和訳すると「くるみ」となるので、あれ?と思う方もいらっしゃると思います。ソリウッドでは「ウォールナット」と表記しているものは、北米からの輸入材となり正式には「ブラックウォールナット」といわれる樹種です。色が濃く、着色をしなくても味わい深い濃い茶褐色に仕上がります。この色味としっとりした質感が人気です。

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一方、「くるみ」は日本にも生育している「オニグルミ」や「サワグルミ」といった系統の仲間で、ブラックウォールナットほど色が濃くありません。そのため、違う樹種として扱っています。

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