2017.09.18

ミズメの耳つきテーブル。【No.2045】

三連休の最終日はなんとか晴れました。相模湖工房近辺はとてもよく晴れて暑い1日でした。久しぶり太陽の光を浴びた気もしました。でも、この朝晩はだいぶ涼しくなってこのまま秋になりそうな感じですね。秋から冬にかけては木の伐採が行われます。木材利用される木は基本的には秋から冬にかけての時期に伐られます。春から夏にかけては木が勢いよく成長していて水分が多く含まれています。そうした時期に伐倒して製材すると水分が多いので乾燥して板が割れたり反ったりしまいます。そうならないために樹木の活動が穏やかになる秋から冬の時期に伐倒して製材するのが普通です。というわけでこれからの時期は新たに伐倒された木が製材されて材木市場に並ぶことになります。一年中、材木市場では木材が並んで取引がされていますが、やはり新物が並ぶ秋から冬にかけては市場も少し活気が出てきます。なんとなく皆の気分が向上している気がします。春から夏の市場は皆さん様子見の感じがしますね。皆の買う気を感じるのはやはり秋から冬にかけてです。

工房では日々無垢材テーブルを製作しているわけでありますが、先日はオーダー製作の耳つきテーブルの塗装をしました。
170918_1.jpg
こちらはミズメ材の耳つき2枚はぎテーブル天板です。2回目のオイル塗装を行なっている最中の写真です。オイル塗装は2回塗りが基本になります。素地調整が終わったら1回目のオイルを塗ります。この時はなるべくたっぷりとオイルを染み込ませるように刷毛で塗っていきます。それから余分なオイルを拭き取ります。オイル塗装は誰でも簡単に綺麗にできる塗装方法ですが、注意する点がいくつかあります。その注意点のひとつが、よく拭き取ることです。拭き取りが甘いと余分なオイル固まってベタつく要因になります。木工教室の生徒さんのオイル塗装を見ていると拭き取りが甘いケースが度々あります。

2回目の塗装はしっかりとオイルが乾いた後にザラツキをサンドペーパーで取り除いた後に行います。オイルが乾くのには時間が結構かかります。最低でも1日は乾燥期間をとった方が良いですね。ダイニングテーブルの場合はもう一度オイルを塗っていますが、他の家具の場合は2回塗りで問題ありません。

ミズメという木の名前は一般的にはあまり知られていないかもしれません。ミズメザクラという名前の方がメジャーかもしれませんね。ミズメザクラと呼ばれることが多いミズメですが、サクラの仲間ではありません。実際はカバの仲間です。ではなぜミズメザクラと呼ばれるのか?昔からカバ材のことを材木・家具業界ではサクラ材と読んだり表記したりする慣習がありました。カバ材がサクラ材と色が似ているためです。似ているからそう呼んでいいのかと言われると返答に困ってしまいますが、とりかく昔からそういう慣習がありました。今はカバ材をサクラ材と呼ぶことは少なくなってきていると思いますが、商品紹介などでサクラ材と表記されいるケースを時々見ます。サクラ材と書かれていても写真などを見るとカバ材であるが多いです。そうした慣習の名残がミズメという木にも受け継がれているのです。

ミズメは材木業界ではファンの多い材です。ミズメの良材は結構高値で取引されています。でも、幅の広いミズメ材はほとんど市場に出回らなくなってしまっています。もともとあまり太く成長する木ではないので、一枚板テーブルになるような幅の板は滅多にお目に掛かれませんが… 2枚はぎテーブル天板になるような幅の木は時々材木市場で見かけます。見かけたらとりあえず仕入れるようにはしています。乾燥中に大きく割れたりねじれたりするケースも多いですが、ミズメの木目はとても綺麗です。とても肌理が細かく色も綺麗です。

17918_2.jpg
吉祥寺ショップに展示中のミズメ材耳つきテーブル天板用の板です。同じ丸太から製材された隣り合った板を使用したブックマッチ天板です。入り皮という樹皮を巻き込んで成長した部分がありますが、凹んでいる部分には合成樹脂を流し込んで埋めますので使用上の問題はありません。逆に見た目のアクセントになってかっこいいです。W1500×D850mmと4人掛けするのに最適なサイズとなっています。多少のサイズ変更は可能です。気になる方はぜひ吉祥寺ショップにて実際の板を見てくださいね。

瑞木@相模湖

お問い合わせContact

TEL:0422-21-8487
〒180-0004 東京都武蔵野市吉祥寺本町2-28-3 2F
(営業時間: 12:30〜18:00/定休日:火・水曜日)
お問い合わせフォーム
Facebook Twitter Instagram Pinterest