2017.04.16

実は少ない国産材を使った無垢材テーブル【No.1890】

職業柄、林業に関するニュースというのはわりとアンテナを伸ばして積極的に情報を入手したいと思っています。林業関連のニュースをインターネットでみていると、○○県産材で公共施設を作ったとか○○県産材利用促進の取り組みといった見出しに出会います。日本には森林が沢山あるので、出来れば日本国内で取れた材を使って家や家具を作り、そこに住んだり、家具を使いたいと思っている人も多いと思います。日本国内でも○○県産材認証制度といったものを行っているところが割と多いです。ですが、あまり知られてなかったり、これらの認証制度の対象がスギやヒノキといった針葉樹に限られているものがほとんどだと思います。ソリウッドでは比較的硬いとされる広葉樹を専門に扱っていますが、○○県産材と認証され、明確にそれが示されている広葉樹の板や丸太はほとんど見たことがありません。

このあたりのトレーサビリティは野菜や肉といった食品に比べ、木材とくに広葉樹は遅れているといわざるを得ませんが、流通量で輸入材で圧倒的に負けている現状では、消費者へのアピール力はどうしても少なくなってしまうと思います。とはいえ、出来る限り日本の木を使いたいと思いますし、出来れば日本の木で家具を作りたいと思っている方もいらっしゃいます。沢山の家具を同じ品質で納期も短く生産しなければいけない家具では国産材の使用はハードルが高いですが、オーダーによって製作するようなものであれば、認証制度がしっかりしていれば使い安いのではと思います。

現状では、樹種によって国産材であろうと推測できるというのが限界の状態です。比較的国産材が多い樹種は、ケヤキ、トチ、ヤマザクラ、カバ、イタヤカエデといった樹種です。これらのうち、耳つきテーブルを製作できるような耳がついた状態の板は国産材である可能性が高くなります。ソリウッドでもこれらの板は出来るだけ在庫として用意したいと考えていますが、材木市場にいっても常に同じようなものが出品されているわけでもないので、良いものが、あなり高くない価格で手に入れられれば仕入れている状態です。今日現在の吉祥寺ショールームに展示されている耳つき2枚はぎもしくは3枚はぎテーブル用の板でいうと、クリ材が2セット、トチ材が1セット、ヤマザクラ材が1セット、イタヤカエデ材が1セットといった状況になります。

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こちらがヤマザクラ材の3枚はぎ用の板になります。日本ではサクラといえばソメイヨシノですが、ソメイヨシノは観賞用に交配されたもので、木材として利用されることはほとんどありません。家具に使われるのは、山に自生するヤマザクラという種類になります。流通量が少なく常に在庫することは難しいですが、展示しているとわりとすぐ成約になる隠れた人気樹種です。今回はW1500と4人掛けとして使えるサイズの天板になります。

D98 日本人にはお馴染みの桜。国産ヤマザクラ材で製作する耳つきテーブル

また、それとは別に飛騨市でとれたクリ材とクルミ材の耳つき板も置いてあります。これは通常の木材市場でセリ落として入手するルートとは全く違い、岐阜県飛騨市に拠点をおく株式会社飛騨の森でクマは踊る(ヒダクマ)さんの協力を得て、入手させて頂いた板になります。ヒダクマさんは、飛騨市が行う官民協同事業体で、飛騨市の広葉樹や昔から引き継がれてきた伝統技術を利用して、継続的木材利用に取り組んでいらっしゃいます。

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無垢材のテーブルは長く使うことを前提に検討・ご注文されている方がほとんどです。材の産地がわかればそれだけでご自身のテーブルに関する情報が増え、思入れも深まると思います。さらに、そういったことがきっかけで日本の林業や国産材の利用状況に目を向ける方が増えてくれると良いなと思っています。

賢木@吉祥寺

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