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家具屋で働く双子のブログ
ナラ材の近況【No.1662】
このブログには「ナラ材」「ナラ材とは」というキーワードで検索した結果、たどり着いて閲覧して頂く方が毎月一定数いらっしゃいます。その検索数はキーワード別の閲覧数順位でも上位にランクインされています。普段の生活ではなかなか調べようとは思わない単語ですが、家具をお探しの方や家の新築やリフォームを検討されている方は耳にしたり、カタログなどに掲載されているので一度調べてみようという方がいらっしゃるのだと思います。無垢材家具にとってナラ材は、日本でも古くからよく使われており、無垢材家具の代名詞的な存在であったこともあります。最近では、北海道を中心とし国内の生産地での生産量が著しく現象し、輸入材に頼る現状になっています。さらには、ナラ枯れという日本に生育している「コナラ」や「ブナ」といったナラ材の仲間の木が枯れる現象が広まってしまっています。最近もネットのニュースをみていてこのナラ枯れについての記事をみました。
ナラ枯れ、30府県に広がる 原因は体長数ミリの虫(朝日新聞DIGITAL)
この記事によるとナラ枯れは昨年度30府県で確認され、被害が拡大されているといいます。ナラ枯れの原因はカシノナガキクイムシという木喰い虫の一種で、この虫が木を食べながら木の中に入ってしまうと、数日で枯れ始めてしまうようです。被害をくい止めるには、虫が入った木を燃やすのが一番ですが、森の中ではそうすることもままならない状況のようです。
ナラ材は元々、虫が入りやすき木であります。ナラ材の中心に近い部分は硬く、加工を特段問題なく出来るので家具には最適ですが、樹皮に近い部分(白太)は、比較的柔らかくふけ易い性質をもっています。ですので、ナラ材では樹皮の部分を残した耳つきテーブルが作れるような板自体を見つけるのが苦難します。今ではナラ材の耳つきテーブルをご希望があってもお断りしなければならないのが現状です。私もこの仕事をはじめて2点ほどナラ材の耳つきテーブルを納品しましたが、いずれの材も私が入社するだいぶ前に仕入れた状態の良い板を使ったものでした。
こちらの写真はそのうちの1台です。幅は少し狭いですが1枚板のダイニングテーブルです。耳の部分の損傷やふけがほとんどなく、虫が喰った部分も少ない良質なものです。近頃ではこのような目が詰まったナラ材自体、目にすることが減ってしまいました。
このようにナラ材にとって、苦難な時代になりつつありますが、我々にとってはまだまだ魅力的な材であることは間違いありません。明るめの色味で、木らしい筍をカットした際の断面に近い木目をお探しの方でしたら、ナラ材が適切な材だと考えます。
ソリウッドで製作しているナラ材の家具は、複数の板を接ぎあわせたストレートカットテーブルとテレビボードや本棚といった棚類です。
こちらはナラ材で製作した食器棚です。本体はもちろん、引出しの前板もナラの無垢材で作られています。引出しの底板だけは合板を使用しています。
最後にナラ材に関してよく受ける質問とその回答を書きたいと思います。
それは「ナラ材とオーク材は同じものですか?」といったものです。基本的にはナラ(楢)を英訳したものがオーク(oak)なので種類としては同じ部類の材となります。ソリウッドでは、ナラ材とオーク材は産地によって使いわけているのが現状です。国産やロシアでとれたものをナラ材と呼んでいます。ロシア産と聞くと国産より質が劣ると思われる方いらっしゃいますが、長い間ロシア産のナラ材が使われてきました、寒いロシアで育ったナラは目がとても詰まっていて、とても良質な木材になります。
一方、北米で採れるナラ材の仲間にホワイトオーク材という材があります。ロシア産と北米産のホワイトオーク材は、見た目はほぼ一緒です。ただ、細かくみると少し違いがあります。ナラ材に比べるとホワイトオーク材は気持ち目が粗く感じます。
どちらかというとロシア産のナラ材を使って家具を作りたいと思っています。ですが、ロシア産のナラ材の価格は最近では高くなり、量を確保するのが難しくなっています。ホワイトオーク材の供給は安定していうので、今後、ロシア産のナラ材がホワイトオークに切り替えが行われるようなことになる可能性もあります。
賢木@吉祥寺
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