2016.07.26

耳つきテーブルの新作、まもなく展示開始します。ヤマザクラとミズメの板を紹介。【No.1626】

今月末にも耳つきはぎテーブル用の板を吉祥寺ショールームに運ぶ予定になっています。新作は全部で6セットになります。樹種は、チェリー材・ウォールナット材・ミズメ材・トチ材・ヤマザクラ材になります。サイズもまちまちです。詳細は木曜日以降にWebページに掲載する予定です。いまその準備を進めています。吉祥寺ショールームにも運ぶのも28日木曜日を予定しています。

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こちらがヤマザクラ材の耳つき2枚はぎテーブル用の板です。同じ丸太から製材された”共木”を使用しています。木目がほぼ左右対称になるブックマッチという方法ではぎ合わせることができます。まだ粗削りの段階なので少し大きめに木取りされていますが、実際はW1500×850mm程度の天板になると思います。厚みは40~45mm程度です。

ヤマザクラ材は国産のサクラ材です。家具業界では昔からヤマザクラ材が使われていますが、流通量がそれほど安定していなく量も多くないので、量産されているものはそれほど多くないでしょう。単にサクラ材と表記されている量産家具は実際には”カバ材”が使われていることも多くあります。木材業界では、カバ材のことを似ているからサクラと呼ぶ慣習があります。個人的にはあまり好きではない慣習なので、カバ材をサクラ材と呼ぶことはしています。混乱を避けるために本当のサクラはヤマザクラ材と呼ぶことにしています。ヤマザクラは日本全国の山に自生するサクラで、花がさくのとほぼ同時に葉もひらきはじめます。この点が観賞用として広く植えられているソメイヨシノ種とは違っている点です。

ヤマザクラ材は個人の木工家に愛用している方が多くいます。家具のみならず、お皿やお椀、カトラリーをヤマザクラ材で製作する人も多くいます。緻密な木目をしていて仕上がりが綺麗なのが愛用される要因だと思います。また、昔から版画を彫る木としても使われています。堅さがあるので彫るのは大変そうですが、摩擦で磨り減ることが少ないことから使用されているようです。

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少しピンクがかった色をしています。経年変化で色が濃くなっていくのはチェリー材と同様です。チェリー材と比べると木目の様子が少しワイルドに感じます。少し緑がかった色をしている部分がより多く存在するのがヤマザクラ材ですかね。同じサクラの仲間なので、色や木目の様子は似ていますが、見ると明確な違いがあります。

ヤマザクラ材は乾燥すると安定しますが、乾燥中に多く動き樹種でもあります。反りやネジレが激しく出る場合もあります。今回の板はヤマザクラ材にしては反りやネジレが少なく、幅広く使用することが出来ました。流通量が多くないので、仕入れられる数はとても少ないので、この機会をお見逃しなく。

もう一つ今回の新作を紹介します。

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ミズメ材の耳つき3枚はぎテーブル天板です。耳つきの板2枚の間にみみをカットした板をいれて3枚はぎにします。本当は2枚はぎで製作したかったんですが、両サイドの2枚の板に大きな割れが入ってしまい、幅が350mmほどしか取れなくなりました。なので、間に1枚いれて3枚はぎ天板にします。間にいれる板も同じ丸太から製材された板なので色や木目は統一感がとれています。現状はまだ幅広くなっています。ミズメはカバの仲間ですが、カバをサクラと呼ぶ慣習からミズメザクラと呼ばれることも多くあります。以前は私もミズメザクラと呼んでいましたが、誤解を避けるため今は単にミズメと呼んでいます。ミズメの特徴は緻密な木目です。全体の印象はワイルドな感じですが、木目自体はとても繊細で美しいです。私のお気に入りの樹種です。

ミズメもそれほど流通量が多くないので、たくさんは製作できません。また、変形の板が多くテーブル天板として使いにくいものも多いです。でも、木目の美しさはピカ一なので、ぜひ多くの方に知ってもらいたい樹種ですね。

今回紹介した板は28日に吉祥寺ショールームへ運ぶ予定になっています。ぜひ実物の板を見てもらいたいです。今週の日曜日には【無垢材テーブル選び方講座】も開催されますので、ぜひ吉祥寺ショールームへお越し下さい。

瑞木@相模湖

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