2016.07.22

1枚板テーブルが製作できる樹種は限られています。サクラ系は"ハギ"テーブルを探すのが現実的。【No.1622】

もう夏かと思ったら梅雨に戻ってしまいましたね。今日は晴れるのではないかと思って仕事の予定を組んでいましたが、生憎の雨。日中はずっと降っていましたね。外での作業の予定をしていると完全に予定が狂ってしまいます。今日は乾燥庫から板を取り出して削る予定にしていましたが、板が濡れてしまうので断念。すでに乾燥庫から取り出してあった板のみ削りました。今日削ったのは耳つきテーブル天板用の板です。月末までに吉祥寺ショールームへもっていって展示する予定になっています。今のところ3組は確定していますが、明日の状況次第ではもう少し上積みできるかもしれません。

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こちらはヤマザクラ材です。久しぶりにヤマザクラ材の耳つきテーブル用の板が用意できました。長さは取れませんが2枚はぎでテーブル天板になります。少し大味ではありますが、ヤマザクラっぽい豪快な木目を堪能できます。詳細はまた後日にウェブページにアップしますね。

ヤマザクラは国内で自生しているサクラの仲間です。桜と言えば有名なのは”ソメイヨシノ”ですが、これは観賞用に品種改良されたもので、木材として利用されることはほとんどありません。公園などで切り倒した木を製材して使用するなんて話も聞きますが、木材として流通することはほぼありません。家具などによく使用するのはヤマザクラです。ただし、流通量はそれほど多くありません。ヤマザクラ材をコンスタントに使用している木工家は多くいます。そのため量を確保するのは結構大変です。ソリウッドでは材木市場で並んでいるヤマザクラ材を仕入れていますが、在庫はほとんどありません。

ヤマザクラはそれほど太く成長する木ではないようです。流通されているヤマザクラ材は幅が広くても500mm程度です。1枚でテーブル天板になるようなサイズの板は滅多にありません。よってヤマザクラ材のテーブルが欲しい場合、1枚板テーブルを探すのは現実的ではありません。あったとしてもとても高価で実用品として考えると難しいかなと思います。なので、はぎテーブル天板を探すのが良いでしょう。幅が500mm程度の板はそれなりにあるので、2枚はぎならテーブル天板になります。ただし、ヤマザクラは乾燥途中に反りや割れが生じやすいので幅広く使用できない場合も多くあります。なので、4枚から5枚はぎぐらいまで範囲を拡げると見つかりやすいかもしれません。

同じことは北米産のブラックチェリー材にも言えます。チェリー材も1枚板テーブルになるようなサイズの板はかなり貴重です。稀に市場に出回ることがありますが、とっても高額で私どもでは手が出ません。おそらくテーブルになった時の金額はとんでもないことになりそうです。同じ北米産の人気樹種のウォールナット材は1枚板テーブルになるようなサイズの板がある程度は出回っています。なので、チェリー材でも1枚板テーブルを探される方がいるようですが、現実的には結構難しい話になります。幅が500mmオーバーのチェリー材は手に入れることができます。ソリウッドでもこのサイズのチェリー材を多く仕入れて2枚はぎテーブル天板にしてきました。

2枚はぎだと1枚板では表現できない天板になることもあります。2枚の木目がほぼ左右対称になるブックマッチという方法ではぎ合わせると1枚板テーブルとはまた違った表情になります。

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こちらの天板はすでに製作してお客様の所に納品してしまいましたが、ブックマッチではぎ合わせた例として紹介します。分かりにくいですが、これは2枚の板をはぎ合わせています。よく見ると真ん中あたりで模様が左右対称になっているのが分かると思います。1つ目だつ節がありますが、少し視線を上にずらすと小さな節があるのが分かるでしょうか。2枚の連続した板を使用するので節の位置もほぼ左右対称になります。大きさには違いが出ますが…

ヤマザクラやチェリーなどのサクラ系、あるいはカバやミズメ、アサダといったカバ系も幅が広い板が手に入りにくいです。こうした樹種は1枚板テーブル天板を探すのは現実的ではないので”ハギ”テーブルを探した方が良いですね。

瑞木@相模湖

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