2016.04.19

木工教室基礎クラスの新しいクラスが始まりました。【No.1528】

この前の日曜日は木工教室基礎クラス4月スタートクラスの初日でした。おかげさまで大勢の方に申し込みを頂き、新規生徒さん12名を迎えることになりました。私がソリウッドに入社してからでは、過去最高の申し込み人数です。ちゃんと運営できるように頑張っていきます。初回は、教室の概要説明、工房内の案内、無垢材についての説明、道具の仕立てといった内容になっています。私は1日中しゃべり続けたのでノドがカラカラになりました。

ソリウッドの木工教室に入会される方の多くは、はじめて木工を習う方です。初めての方でも課題が製作できるように一から説明するように努力はしています。が、どうしても専門用語を使ってしまいがちです。なので、初回のクラスでは我々がつい使ってしまいがちな専門用語について解説するようにしています。

木口・木端・柾目・板目・木表・木裏・心材・辺材などの専門用語を解説しています。こうした用語は無垢材を扱う上ではどうしても理解しておきたい用語です。いきなり全てを覚えるのは困難ですが、慣れてももらうためには初回に説明しています。皆さんはこれらの言葉どのぐらい理解できますかね?

木口は丸太や板の横断面です。木目に直交する方向で切断すると見える面が木口です。木口と書いて”こぐち”と読みます。きぐちではないので要注意です。木口はいわゆる年輪が見える面です。木口は他の面と違って性質が異なるので扱いには注意が必要です。まず重要なのは、木口は接着剤が効かないという点です。木口は導管の横断面が揃っています。ストローを束にしてまとめたようになっています。なので、水分をたくさん吸います。接着剤も吸われてしまうのです。なので、木口面は接着強度がでません。そういう理由から無垢材を使用する場合は長さ方向で板を接着することはありません。接着して部材を大きくするのは幅方向と厚み方向に限られます。長さ1mの板が必要なら1m以上ある板を用意しないといけません。長さ50cmの板が2枚あってもどうすることもできないんですね。

まあ、こういった感じで用語の説明をしています。木は我々の身近にある素材ですが、意外と知らないことも多いのです。まずは木をよく知ってもらうことが大切だと考えています。

そして初日のメインイベントは道具の仕立てです。大工道具には使い始める前にやっておかなければいけない作業があります。代表的なのは鑿のカツラを下げることです。叩いて使う鑿にはカツラと呼ばれる金属の輪っかがついています。お店に売られている状態では、カツラは柄の端にツラで入っています。このままの状態で柄を叩いてしまうと、カツラを直接玄翁で叩くことになります。そうするとカツラが伸びて柄にかぶさってしまいます。その状態で叩き続けるとカツラが取れてしまいます。そうならないために事前にカツラを下げて柄の部分を潰して被せるようにしておきます。この作業をしておくと、玄翁が直接カツラに当たらないのでカツラが取れてしまうことがありません。具体的な方法については以前にまとめたブログ記事があるのでそちらをご覧下さい。

買ってきたノミはカツラを仕込んでから使うのがgood!

鉋も使う前にやっておかなければいけない大事なことがあります。それは台頭の角を丸くしておくことです。
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台頭の角は鉋の刃を引っ込めるために叩く場所です。ピン角の状態のまま、ここを叩くと割れが入ってしまう可能性があります。折角購入した鉋もここから割れが入ってしまえばおしまいです。そうならないために必ず台頭の角は丸めておきましょう。その他にもやっておくことがありますが、まずは最低限の仕立てをやってもらいます。あとは使っていくうちに説明していきます。

このように大工道具は使い始める前にやっておくことがあるんですね。ところが、鉋や鑿には説明書なんてものは付いていません。なので、初めて使う方は分からずに使い始めてしまいます。ホームセンターで鑿を購入してカツラを落としてから使い始める人はほとんどいないと思います。独学で木工をやっていた方が持ってくる鑿の多くはカツラをそのままで使い始めてしまっているものです。それで使えないわけではないですが、すぐにカツラが取れてしまいますからね。永く使うためには、カツラを下げておいた方が絶対良いのです。こうしてソリウッドの木工教室では道具の使い方から家具を製作する上で考えるべきことまで木工の基本をいちから学んで頂いています。

次回の募集は10月スタートの基礎クラスになる予定です。夏前頃になりましたら、ソリウッドのWebサイトで詳細を発表します。興味がある方はチェックしてみてください。

瑞木@相模湖

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