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家具屋で働く双子のブログ
木を使うなら室内で使用する椅子の方が質感を活かせて良いですよ!【No.1478】
今日のブログは時事ネタです。興味津々のニュースとそれに伴った専門家の的確な指摘を皆さんにぜひ知ってもらいたいと思ったわけです。
まずは、元になったニュース。
「新国立のいすを木製に」 自民党部会決議案が判明
http://www.sankei.com/politics/news/160225/plt1602250001-n1.htm
産経ニュースによると、新国立競技場の観客席のいすを木製にするようにと自民党が五輪担当大臣に提言するらしいです。今の予定では約6万8千席はプラスチック製の椅子だということです。「観客が触れる部分に木材を使わなければ木材の印象が薄くなり、『日本らしさ』という点からも画竜点睛を欠く」という指摘も出ているそうです。そして、木材にするために増える費用は寄附を募り、いすの裏に名前を彫る案が出ているそうです。
まあ、ツッコミどころの多いニュースですよね。
まず、こうした提案を大臣は真剣に聞かなきゃいけないんですかね?国民の意見はたいして聞かないのに自民党決議の案は真剣に聞くのですかね?後からこうした意見を言い出したらキリがないでよね。ただでさえゴタゴタしている新国立競技場の建設なんですから。
もう一つ、木を使ったら『日本らしさ』が出せると思っていることがよく分かりません。木を使えば『日本らしさ』になるって簡単なことですかね?確かに日本は木を建築物に多く使用してきました。が、現在はそんなことありませんよね。大きな建物の多くはコンクリート製です。神社仏閣においてもコンクリート製の建物は多いです。古い建物を再建する際には、耐震を考慮してコンクリートで作るよう指摘したり国なんですよ、日本は。木材自給率が30%ほどの国なのに… 目立つ案件の目立つ部分にだけ木材を使用しても全然意味ないと思います。
とまあ、言いたいことは山ほどあるんですが、私が書いてもとりとめもない話になってしまうので、専門家の意見を紹介しましょう。
2月27日にYahoo!Japanニュースで配信された記事です。森林ジャーナリストの田中淳夫さんが書いた記事です。
時事ネタにからめて日本の森林の状況などが非常にうまくまとめられている記事なのでぜひ読んでみてください。
まず、自民党案に反対する意見の中に、木材を大量に使うのは環境破壊になるから というのが出ていることに対して“まずオリンピック・パラリンピック施設に木質を多用することは、むしろオリンピック精神に合致している。前回のロンドン大会の施設でも、多くの木材施設がつくられた。木材を使うことが環境破壊だという考え方自体が20年ぐらい遅れているのではないか。”と反論しています。まさにその通りだと思います。木材を利用すること自体は決して悪いことではありません。木材を使うこと自体は環境破壊とは言えないでしょう。無計画に大規模な伐採をしてしまうことは環境破壊と言えます。しかし、計画的に木を使って、また木を植えていく持続可能な林業を確立していけば環境破壊ではなくなります。
田中さんは記事の中で、椅子に使われるのは通常広葉樹材で日本に十分な量があるか疑問と書いてあります。私もさんざんこのブログで書いてきましたが、日本産の広葉樹材の流通量はとても少ないのです。6万8千席分の木材を国産広葉樹のひとつの樹種でまかなえるのか?、私はおそらく無理なのではないかと思っています。これで輸入した木材を使用したら何も意味が無くなります。となると、田中さんも指摘している通り、スギやヒノキで椅子をつくることになります。スギやヒノキは針葉樹で広葉樹に比べると柔らかく強度を出すのが大変です。椅子には向いていない木材なんです。なので、どうやって椅子を木製にするかは思っている以上に難問題だと思います。
皆さんもスポーツ競技場の椅子を1度は見たことがあると思います。お尻の形にあうように滑らかなカーブを描いている座面を想像できますよね。ちょっと高い席は背もついています。あれを木にするとなると… 削り出しですかね? 一つ一つ削り出していたらいくら機械を使用するといってもとても高くつきますよ。そもそもそんな加工ができる工場が日本にあるんですかね?いろいろと自民党の議員さんに聞いてみたいです。
しかも完全な室内ではない競技場ですよ。木は紫外線にあたると色が抜けていきます。質感を大事にしたらあっという間に灰色になってしまいます。当然、ガチガチに塗装することになるから木の質感なんて感じることはできないでしょう。
というわけで、木の椅子を使うなら室内が良いですよ。室内で使うなら良い椅子たくさんあります。塗装も木の質感を感じられるオイル仕上げで良いわけです。
こちらはMAYチェアの肘掛け部分。私もチェリー材のMAYチェアを自宅で使用しています。この肘掛けの部分はスベスベしてとても気持ちよいですよ。この感触はオイル仕上げならではのものです。やっぱり木の椅子は室内で使うのに限ります。
瑞木@相模湖
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