2016.01.23

人気のブラックウォールナット材やチェリー材は北米からの輸入木材です。【No.1441】

ソリウッドで使用している木材は外国産の木材の方が多くなっています。木材の供給量を考えると外国産の木材の方が圧倒的に安定していて入手しやすくなっています。今日のブログエントリーでは、木材の供給国について書くことにします。

現在の木材供給の中心になっているのはアメリカやカナダの北米です。北米産の木材なしでは、無垢材の家具を仕事にすることはできないと考えています。北米産の木材で代表的なのは、ブラックウォールナット材やアメリカンチェリー材です。ソリウッドで1番人気のあるウォールナット材と2番目に人気のあるチェリー材、ともに北米産の木材です。ソリウッドで取り扱っている椅子メーカーの宮崎椅子製作所さんやISU-WORKSさんもウォールナット材とチェリー材をラインナップしています。AWAZAチェアにはチェリー材のラインナップはありませんが、ウォールナット材は用意されています。この2つの樹種はどこの無垢材家具メーカーでも取り扱いがあるほど普及しています。

北米産の木材の多くは既に製材と乾燥がされた状態で日本に入ってきます。こうした板は現地挽き、現地乾燥済みと呼んでいます。現地で人工乾燥がされた板は、厚みごとに数十枚ごとにひと塊にまとめられます。これをバンドルと呼びます。

160123_2.jpg
これがウォールナット材・厚み6/4インチのバンドルです。バンドルでまとめられている板は長さは揃っていることが多いです。たまに違う長さの板が混じっていることもありますが、基本的には長さは揃っています。幅はバラバラです。狭い幅の板から幅が広い板まで様々の幅の板が入っています。幅は樹種によっても違います。ウォールナット材の場合は5インチから8インチぐらいの幅が多いですね。どんな幅の板が何枚あるよという明細書がありますが、幅は乾燥前に計測しているため実際の幅とは異なります。明細書とつきあわせて幅を計測したことがありますが、どれが何インチの板かは分かりませんでした。なので明細は大まかな内容を把握することにしか役立ちません。現地挽きの板は既に耳がカットされています。

なので北米産の木材で耳つき板を入手するには、製材されずに日本に入ってくる原木を日本で製材する必要があります。こうした板は国内挽きと呼んでいます。ソリウッドで使用しているウォールナット材やチェリー材の耳つき板は材木市場で既に製材されたものがほとんどです。日本に輸入された原木を材木屋さんが仕入れて製材をして出品したものです。なので、未乾燥材がほとんどです。未乾燥の板は乾燥させる必要があるので、使用するまでに時間が掛かります。北米産の木材に関しては、耳つき板とそうでないものでは流通経路が違ってくるんです。

ウォールナット材とチェリー材以外にも北米産の樹種はあります。メープル材やホワイトオーク材も北米産ですね。近年は北米産のホワイトオーク材やレッドオーク材といったオークの仲間がたくさん日本に入ってくるようになりました。この背景にはロシアの木材事情が絡んでいます。日本にはもともとロシアからたくさんの丸太が入ってきていました。広葉樹に限るとタモ材やナラ材です。日本国内で流通しているタモ材やナラ材の多くはロシア産です。ところがロシア政府の意向でこうした木材の輸出を制限する政策がとられるようになりました。そのため、日本に入ってくるロシア産の木材が激減しています。ロシア産のタモ材やナラ材が手に入りにくくなったため、似ている木材を北米に求めた訳です。こうした事情で北米産の木材への依存度はだんだんと増しています。

北米の森林は管理が行き届いていて持続可能な森林経営が確立されています。計画的に伐採されているので、安定した木材供給ができているんですね。残念ながら日本国内の広葉樹はこうした持続可能な森林経営がなされていません。そのため、質の良い木材はありますが、安定した供給をすることが出来ていません。いつ手に入るか分からない木材を当てにするわけにはいかないのですからね。やはり国産木材を使用したいという気持ちはありますが、現状ではなかなか難しいですね。たまに手に入る国産材をスポット的に使用するしか術がないので、今後も国産材に関してはそのような扱いを続けていきます。

瑞木@相模湖

お問い合わせContact

TEL:0422-21-8487
〒180-0004 東京都武蔵野市吉祥寺本町2-28-3 2F
(営業時間: 12:30〜18:00/定休日:火・水曜日)
お問い合わせフォーム
Facebook Twitter Instagram Pinterest