2014.12.12

遠くまで行って耳つき板を仕入れてくるのには訳がある。その1

このブログをずっと読んでいる方はまたかと思われるでしょうが、岐阜県の材木市場で板を仕入れてきました。朝から雨が強く降っていて午前中の競りが終わるまで降り続き、時々強く降る時間もありました。気象条件は最悪でしたが、内容はとても満足いく結果になりました。まだ、競り落とした板を詳しく見ていないので確かではありませんが、今までで1番内容の濃い仕入れになったと思っています。まず、欲しいと思った板がたくさんありました。朝いちに早足で出展品を見ながら場内を歩きます。そのときに目に留まる板が多くありました。これだけでテンションが上がります。そして、だいたい想定内の金額で競り落とす事ができました。終わった後に”ああ、あれ買っておけばよかった…”とか”これは必要なかったかも…”という反省点が今回は無かったです。

では、本題に入ります。なぜわざわざ遠くまで仕入れに行くのですかと聞かれる事が時々あります。答えをひとつに絞るのは難しいですが、3つぐらいにはまとめられるかなと考えています。

1.楽しいから

2.幅広い選択ができるから

3.材料費の削減になるから

僕が通っているのは岐阜県にある材木市場です。ふつうこの手の市場は、材木商の人しか競りに参加できないクローズな空間になっています。競りといえば築地市場のような魚介類の競りが有名です。テレビでその光景が流れる事が多いですよね。でも一般の人がそこに行って競りに参加することは出来ません。参加資格を満たして認められた人しか参加できない仕組みになっています。材木市場も同様で材木商で協同組合などに加盟している業者の人しか競りに参加できない市場が多いんです。しかし、なかには広く一般の人にも門戸を開いている市場もあります。もちろん条件が全くない訳ではなく、保証金を預ければ競りに参加できます。一度きりの参加で保証金を返してもらうこともできます。

ということで材木商ではない僕が参加できる材木市場はほとんどありません。だから、岐阜県まで行っているわけなんです。これが大前提です。

○僕は楽しいからわざわざ遠くまで行って板の仕入れをします。

単純に競りが楽しいです。競りに参加する機会って多くはありませんよね。多くの人は参加したことがないと思います。ネットオークションが普及したので、ネット上の競りに参加した事がある人は結構いるでしょう。どっぷりと嵌まった事がある人も多いと思います。いかに安く手に入れるか、掘り出し物を見つけられるか…など一度競りの面白さに気づいてしまうとやめられなくなってしまいます。

材木市場での競りも同様です。どんどん上がっていく値に負けられないと頑張って競り落とした時の快感や、誰も見向きもしないような板に価値をみつけ安値で手に入れる事ができた満足感などが楽しい訳です。ソリウッドのような小さな家具工房は予算が豊富にある訳ではないので、値がどんどん上がっていって競り落とすという興奮はめったに味わう事ができません。(たいてい途中で予算オーバーで諦めざるを得なくなります。)

なので楽しみの多くは、誰も見向きもしない板に価値を見つけることになります。そういう板は買い手が僕しかいないので、お手頃価格で手に入れられます。今までにも信じられないような値段で仕入れた板で作ったテーブルがお店に並べたとたんに売れてしまったという事があります。 誰も見向きもしない板が悪い板ということは決してありません。ただ単に使い方が分からないか、分かっているけど売りにくいから仕入れないという場合がほとんどです。お客様がとても気に入ってくださったテーブル天板の中には、市場で誰も見向きもしなかった板というのが結構あります。こうした経験をすることで仕入れの幅が拡がって楽しくなってきます。

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雨で濡れてるのでとても綺麗に見えます。雨だと板が華やかです。それで少しテンション上がります。(濡れていると欠点が見えにくくなる難点もあります。だから工房でじっくり板を確認するまで安心はできません。)

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ミズメという板です。僕がお気に入りの材種の1つ。この板が想定内の価格で仕入れられたのが今回の1番の収穫です。

長くなるので続きはまた明日にします。

瑞木@相模湖

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