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家具屋で働く双子のブログ
材木シーズンと耳つきテーブルの製作現場
もう9月も終わって10月ですか。朝晩はだいぶ寒くなってきましたね。もうすぐ冬になってしまう感じがしています。冬と言えば材木業界のシーズンでもあります。木材用の樹木は秋から冬にかけて伐倒されます。それらが原木市場に並び始めると買い手の人の人数も増えて活気なる市場になっていきます。10月ぐらいから徐々にシーズンインとなり3月ぐらいまでがハイシーズンと言えると思います。
春から夏にかけては樹木が水分をたくさん含んで大きく成長する時期です。夏が過ぎると段々と成長の勢いがなくなり、冬に備えるようになります。こうした落ち着いた時期に伐倒するのが、木材にとっては良いとされています。夏場の水分を多く含んだ状態で伐倒された木は、製材して板にすると割れ易いようにも感じています。(あくまでも私の少ない経験上の話ですが)やはり冬場に伐倒された新物の丸太から製材された板の方が状態が良いように感じます。
ということでこれからの季節は木材の仕入れに力が入るんですね。今年はどんな板が手に入るでしょうか?
国産材は供給量が落ちてきています。今年もこの傾向は続くと考えています。その中で耳つきテーブルに出来る板を確保していきます。ソリウッドでは一枚板テーブルにはこだわらずに2枚はぎ、3枚はぎ、4枚はぎでもかっこいいテーブルが出来ればそれで良いと考えています。一枚板にこだわると材種も限られてきてしまいます。それよりかはいろいろな樹種の在庫を揃えたほうがきっと面白いだろうという気持ちです。カエデやカバなど淡い木目で穏やかな雰囲気をもつ板を狙っていこうと思っています。
輸入材は価格上昇が気がかりです。特に北米産の広葉樹は値が上がり続けています。ウォールナット材の価格上昇は顕著で丸太や製材された板を輸入している商社さんなどは買い付けに苦労しているようです。アメリカの国内景気が好調で、アメリカ国内の需要が高く、日本に輸出しなくても充分にやっていけるという考え方が広まり強気の態度を崩さないそうです。そうした状況下なので、良材を適正価格で仕入れるには厳しい時期と言えそうです。円安傾向なのも気になります。こればっかりは輸入に頼らざるを得ない状況なので仕方ないのかもしれません。その分国産材をという流れになれば良いかもしれませんが、そう簡単にはいかなそうです。個人的には少し国産材を多めに仕入れたいという希望は持っています。
さて工房ではオーダー頂いている耳つきのはぎテーブルの製作をしています。耳つきテーブルのオーダーの流れをみてみましょう。
まずお客様のご要望を聞いてそれにあった耳つき板を探して提案させて頂きます。その際にイメージを掴みやすくするために現状の板の写真から合成写真をつくっています。この写真は見積もりと一緒にご覧いただいています。それで注文が決まると製作に入っていきます。木取りをする前に耳つき板を計測して図面を起こします。ここで脚の位置などを決めます。耳つきテーブルは形がいろいろで中にはいびつな形をしている天板もあります。そうした天板の場合は脚の位置が少し内側に入る場合もあるのでその辺りの事柄を整理します。
図面でOKが出たら実際に木取りをします。まずは荒木取りです。仕上がり寸法よりも大きめに木取りをします。その状態でしばらく寝かせておきます。厚い板は削って薄くなると反りやネジレが生じる場合があります。なので一度削って中に溜まっている力を解放しておきます。約一週間ほど寝かせておいてから仕上がり寸法に近づけてはぎ合わせます。
耳つきのはぎ合わせはテクニックが必要となります。耳の部分に傾斜があるために圧力を掛ける際にはぎ面が上下にずれてしまう目違いが起きやすいのです。この目違いを極力出ないようにしなければいけません。そのためにはどうハタガネを掛ければいいかなどは長年に渡り耳つきはぎテーブルを製作してきた経験が生きてきます。
はぎ合わせてが終わったカエデ材の天板です。盛り上がっている白いのは接着剤です。接着剤の層は薄くしないと接着強度がでません。そのため圧力をかけて余分な接着剤がはみ出るようにします。接着剤がはみ出ないようなら接着剤が少なく接着不良が起きている可能性があります。接着剤ははみ出るように圧力を掛けるのがはぎ合わせの基本です。はみ出た接着剤を取り除く作業が生じますが、これを省略しようとすると失敗する可能性があるので危険です。
はぎ合わせた天板はこのあとキレイになるように仕上げていきます。こうして耳つきのはぎテーブルの天板が出来上がっていきます。
瑞木@相模湖
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