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家具屋で働く双子のブログ
耳つき板を仕入れる際にチェックする3つのポイント。
耳つきテーブルを作るには、耳つきの板が無くては始まらない!というブログを先日書きました。今日はその続編に当たる話をします。先日のブログをまだ読んでいないという方はこちらを先に読んでみてください。(面倒くさいと思った方は後でもいいですよ。)
耳つき板を仕入れる方法は3つあるという話をしました。では、耳がついているならどんな板でもいいのかというとそうではありません。僕なりの耳つき板を仕入れる際に見ている3つのポイントがあります。3つのポイントのうち少なくても1つのポイントで輝いている板を仕入れるようにしています。幅が広くて、節や割れなどの欠点がなくて、目が詰まって良い柄の板はみんなが欲しがります。ライバルが多い板は価格も高く、入手しづらくなってしまいます。みんなが欲しがるような板でなくても、製作する側がしっかりとその板の本質を見極め、欠点には適切な方法で処理をしてあげると輝くテーブルになってくれます。
それでは3つのポイントです。
狭い幅でしか使えないような欠点がある。
耳の姿が良い。
木目に個性がある。
狭い幅でしか使えないような板は狙い目になる。
木には絶対に節があるし、割れてしまう可能性は全ての板が持っています。割れていないのはたまたまなだけであって、割れてしまう板が特別劣っているわけではありません。しかし、大きな節があったり、木口から大きな割れが入って真っ二つに割れてしまいそうな板は、使用できる用途が限られてきます。そのためあまり人気がありません。
ところが、そのような板でもじっくりと観察して使える所を見極めて、使える箇所を拾い集めてはぎ合わせる事が出来れば、十分テーブルの天板になります。
例をあげてみます。
このミズメの3枚組みの板は、様子からして同じ丸太から採れた板でしょう。ということは、多くの枚数をはぎ合わせてもそれほど違和感を感じる事はないはずです。全長の半分以上に渡る割れが入っているのでパッと見は使えない板に見えます。でも割れを除いて木取りしても幅220ミリ程度の板を4枚採ることは出来ると判断しました。実際に仕入れる際にはメジャーで計測もします。
こうした欠点のある板はライバルも少ないので入手できる確率がグッと高まります。ライバルが少ないということは、他の人には作ることが出来ないテーブル天板になることにもなります。差をつける事が可能になる訳です。
耳に魅力ある耳つきテーブルが求められている。
耳つきテーブルを検討される方は、耳に魅力を感じている方です。耳つきテーブルが欲しいと思って頂けるためには、耳の魅力が重要になってきます。そのため、耳の姿が格好良く、それだけでお客様を惹きつけることができる板は絶対に買いな訳です。耳の姿を判断するための要素は2つあります。まず1つ目は、耳自体の模様です。木の耳には、いくつかのパターンがあります。ツルッとした耳、ゴツゴツした耳、複雑な凹凸のある耳など……
耳好きの方は、やっぱり存在感のある耳に心が惹かれるようです。ゴツゴツとたくさんのコブがあったり、複雑な模様がついていたりする耳が人気です。
2つ目は、耳全体のカタチです。ほぼ直線に近いライン、真ん中がくびれたライン、真ん中が膨らんだ山型なラインなど。使いやすいテーブルになるのは、ほぼ真っ直ぐなラインの耳ですが、ちょっぴり面白みに欠けます。僅かにくびれているラインであれば、使いやすく、自然な作り出した絶妙なカタチを堪能できるテーブルになります。狙うのはこのカタチです。
トチの板です。上側の耳が、僅かにくびれているライン。下側のくびれは大胆なのでダイニングテーブルにするにはあまり適さないです。が、デスクにする場合は1番良いライン。この板は2枚はぎでダイニングテーブルにも適していて、尚且つ1枚でデスク天板にも適している板と言えます。実際は2枚はぎでダイニングテーブルにしました。
1枚板では出せない木目にすれば個性は光る。
木目の雰囲気を気にされる方は大勢います。やはり木目の表情は外せないポイントです。耳つきテーブルの場合、ストレートカットテーブルよりはぎ枚数は少なめです。よって、1枚1枚の板の木目がより重要になってきます。2枚はぎになりそうな幅がある板の場合、ブックマッチという手法が使えます。これはアジの開きのように板を使うのでほぼ左右対称の木目になります。ブックマッチにした木目で1枚板では決して味わうことができない模様にすれば、個性が際立ちます。またブックマッチにすると節や入れ皮などがアクセントになって良い方向に働く場合もあります。
以上が、耳つき板を仕入れる際にチェックしている3つのポイントです。このうちどれか1つのポイントで突き出ている板に関しては、必ず良い耳つきテーブルになると信じています。たとえ誰でも欲しがるキレイな板でなくても、輝くポイントが1つでもあるのなら、あとは作り手がその良さを引き出してあげれさえすればいいんです。木には力がありますから。
瑞木@相模湖
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