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家具屋で働く双子のブログ
耳つきテーブルには秘めた3つの魅力がある。
ソリウッドは耳つき1枚板テーブルを数多く製作し、販売してきました。しかし、1枚板でテーブルになるような板が少なくなってきています。30年前ならナラ材の1枚板テーブル用板を手に入れる事はさほど難しくありませんでした。しかし、今日ではそのような板を入手するのは困難になっています。ナラ材の1枚板テーブルはほぼ姿を消してしまいました。流通量のある1枚板テーブル用の国産材はケヤキとトチしかありません。その他1枚板テーブルは輸入された材で製作されています。今では輸入された材に頼らざるを得ない状況になっています。
そのため、ソリウッドは耳つきの2枚はぎ・3枚はぎ・4枚はぎ・5枚はぎといった耳つきテーブルの生産を強化し始めました。1枚板だけにこだわらずにいろいろな種類の耳つきテーブルを製作するようにシフトしています。 そうすることで樹種の選択肢が増え、1枚板テーブルでは表現できないシャープさを持ったテーブルをラインナップに加えることが可能になりました。
今日はその耳つきテーブルの魅力をまとめていきます。ぼくが感じる耳つきテーブルの魅力は以下の3点です。
・自然が作り出した耳のカタチや模様がかっこいい。
・無垢材にしかできないタイプのテーブルである。
・堂々として自然を室内に持ち込んだような存在感がある。
耳のカタチや模様がかっこいい。
耳というのは樹皮がついていた部分です。木には樹皮がついていて中の細胞を守っています。樹皮の内側には木にとって、とても重要な組織があります。形成層と言われる組織です。この形成層は木の生長点です。樹皮はこの形成層を守っているわけです。堅くでゴツゴツしていのはそのためです。
生きている木の樹皮の内側はツルっとしてとても瑞々しい状態です。伐採されたばかりの木の樹皮を剥がすと水分があって湿っています。しかし、伐採時や移動・運搬時に樹皮が傷つくとそこから菌が入りこんだりしていきます。そうした影響で樹皮の内側は変色したり、汚れたりと変化していきます。その模様がとてもキレイになる場合もあります。
また、樹種によっては耳の部分がボコボコしていたりその表情が面白い場合もあります。こうした自然が作り出した造形を楽しめるのが耳の部分なのです。
トチ材の”耳”。自然の造形でこのような模様が作り出されます。
耳つきテーブルは無垢材でのみ作ることができる。
一般に売られている木のテーブルは耳がついていないタイプがほとんどです。大抵のテーブルは真っ直ぐに切られていて長方形や正方形をしています。しかし、このようなタイプのテーブルに使われている板も元々は耳(樹皮のついていた部分)があった板です。耳の部分がある姿がより本来の木の形に近い訳です。ならば耳を残して製作する事は木の持っている要素をより一層活かすことになります。さらに耳の部分は無垢材でなければ表現できない部分でもあります。
木のテーブルの中には、合板(ベニヤ板)を使用したテーブルもあります。芯となる部分を集成材でつくり、表面に化粧合板を貼っているフラッシュ構造やLVLなどのチップを固めてつくったボードに化粧合板を貼っているものなどが多く製造されています。これらのテーブルに使われいる化粧合板にはベニヤ板の上に0.2mmまたは0.6mmにスライスされた薄い板が貼られています。このような構造のテーブルに耳をつける事はありません。出来ない事はないですが、そのような作りのテーブルを見たことはありません。そもそも合板を使用するテーブルの大前提は無駄を省いてコストを削減することが狙いですので、ひとつひとつカタチや模様が違う”耳”をつけるなんて事はしないはずです。
要するに、耳つきテーブルは無垢材を使用しなければ作ることができないテーブルなのです。長方形や正方形にカットされたテーブルは、無垢材を使わなくても似たようなテーブルを作ることは可能です。最近では薄くスライスした突き板すら使わずに、木目がプリントされた合板を使う場合すらあります。
堂々とした雰囲気は大黒柱に代わっての家のシンボルになる。
耳つきテーブルには独特の存在感があるように感じます。耳つきテーブルの王様は1枚板テーブルです。1枚でテーブルになるような板はそれだけで別格の存在感があります。その存在感を演出している要素は”耳”にあるのではないかと思っています。いくら1枚板でも”耳”がなければそうした存在感は薄れるのではないでしょうか。多くの1枚板テーブルが耳つきで自然のままのカタチで製作されているのはそのためでしょう。
1枚板でなく、2枚はぎでも5枚はぎでも耳があると堂々とした雰囲気が出てきて1枚板に劣らないぐらいの存在感が出てきます。マンションなど増えて、昔ながらの大黒柱のある家は少なくなってきています。そんな住宅の中で、耳つきテーブルは大黒柱の替わりとして、堂々とした存在感と家族が集まる団らんの場所としての役割を演じる事ができるのではないでしょうか。
瑞木@相模湖
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