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家具屋で働く双子のブログ
◎見えにくいところが大事 (テーブルを見極めるための序章)
こんにちは。家具屋で働く双子の姉のブログ、通称姉ブロ。
今回で5回目でしょうか、今日もお読みいただきありがとうございます。
私は、本屋に定期的に足を運び、ぐるっと一回りするのが好きです。たいていは、子どもの習い事の待ち時間をそれに充てたりしますが、なんやかんやでできないときは、平日の休みに本屋で時間を過ごしたりします。ありがたいことに、吉祥寺には本屋さんが充実しています。一番のお気に入りは吉祥寺パルコの地下にあったパルコブックセンターだったのですが、いまはもう存在せず、思い出してはいまだに残念な気持ちになります。薄いグレーを基調とした空間の色、照明の明るさ具合が好きでした。大型の本屋さんは、置いていある本も、並べ方も、だいたい同じではあるのですが、しょっちゅう通っていると、それでもお店ごとの特徴があったりして、面白いです。大型の本屋さんだけではなく、吉祥寺には規模が小さい本屋さんもあり、そういうところは本当に個性的なセレクトで本が並んでいて、それはそれで、新しい発見があるので、やはり本屋パトロール(と個人的に呼んでいます。)の巡回ルートからは外せません。
そんな本屋パトロールをしていて見つけた本がこちら。
タイトルを見れば一目瞭然、これは木がテーマの本で、オビには「世界で100万部の売り上げている」。とあらば家具屋として読んでみない手はありません。翻訳本にありがちな読みづらさがあったことは否めませんが、内容はとても興味深いものでした。
面白かったところ(興味深かったところ)をいちいち挙げていくと枚挙にいとまがないのでやめておきますが、総じると、「森林の木は私たちに見えないところでつながりを持ち、コミュニケーションを取り、かかわりあって生きている」という点、「人間は、環境さえ整えたら元気のいい(=木材として質のいい=高く売れる)木が育つと思ってしまいがちだけれど、そういうことではないらしい」、という点が印象に残りました。
私は無垢材の家具屋の子どもとして育ったので、その影響からか、東京育ちにしては小さいころから木や森、山に親しんできたという感覚があります。通っていた学校も「自然の中でのびのびたくさん遊びましょう!」ということを大切にしていたので、そんな環境も影響しているのかもしれません。余談ですが、私が通っていた学校では当時、日常的に学校の敷地内で「飯盒炊飯」を実践していて、飯盒炊飯の日には「お米」「野菜」「肉」の分担を決めて各自家から食材を持ち寄り、班ごとに「ごはん」と「カレー」を作って食べるという文化がありました。大人になってから「飯盒でご飯なんか炊いたことない!そんなこと学校でやらないよ!」という人がたくさんいることを知り、(というかむしろ私がいた環境が特殊だったことを知り)心底驚いた経験があります。飯盒炊飯は、当時はただ楽しいから好きでしたが、いま考えてみると、火おこしやごはんの水加減、カレーのとろみ具合なんかを、みんなで相談して工夫したり、喧嘩もしたりしながら作業をし、すったもんだを乗り越えて、最終的には文字通り同じ飯盒のカレーライスを分けあって食べる…という教室での授業では学びえない貴重な体験ができていたのだなあと、その意味についてようやく理解をしました。(ただ遊んでいただけじゃなかったんだ!)
余談はこの辺までにして。
とにかく子どものころから、感覚的に自然界には人間の想像や技術が及ばない聖域みたいなものがありそうだ、ということをぼんやりと自覚しておりました(根拠は持ち合わせておりません…)。そんなこともあり、森林管理官という仕事をしている人(根拠がある!)が経験をから確信して本に記しているところがとても興味深いと感じたのです。そして、その著者の確信は「ぱっと見、人の目には見えないところ」にあったということで、例えばフェロモンのようば芳香物質で同種の木々に危険を知らせるとか、土の中の奥深くで根っこがかかわりあってお互いにコミュニケーションを取っているとか、そういうことなのです。森林の木々が互いの存在を意識し、人間の目には見えないところでつながりを持っているなんて、にわかには信じられませんが、どうやらそういうことのようです。(詳しくは「樹木たちの知られざる生活 森林管理官が聴いた森の声」をぜひお読みください!)
大事なことは目に見えにくいところ(目につきにくいところ)にある、というのはなにも森林だけではないのかもしれません。人間の社会でも同じようなことはありますね。感情や価値観、愛情や友情も目には見えにくいけれど、人間を形づくる上では欠かせないというのも、ちょっと似ているところかなと思いました。
目に見えにくいけれど大事なことがある、というのは実は家具も同じでして。(こじつけにもほどがありますかね、すみません、家具屋のブログですので。)特にダイニングテーブルはぱっと見、目につかないところで家具屋の本気度が現れていたりします。
上の画像は、ソリウッドのテーブルについてご案内しているパンフレットの一部です。ソリウッドのテーブルの天板は、裏に工夫がなされています。ふまえておきたいポイントは2つ。1.専門の家具職人が木の特質を熟知していること、2.テーブルを使う人(お客様)が長く快適に使い続けられることを中心に考えて施していること。これらは無垢材の家具を専門に扱うソリウッドが長年大切に貫いてきた工夫でもあります。
次回のブログでは、ソリウッドのテーブル天板に施されている工夫についてもっと細かく書いていきたいと思います。本日はその序章でした。「目に見えにくいところが大事」。
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