2019.02.27

【No.2554】経年変化も無垢材家具の魅力の1つ

「この木は時間が経つと、色が変わりますか?」

 

吉祥寺ショップでテーブルを見て頂いている方からよく受ける質問の1つです。天然の木材は、紫外線の影響で時間とともに色が変化していきます。これを経年変化と呼んでいます。経年変化は木の種類によっても異なり、一目見ただけでも色が変わったとわかるぐらい変わる樹種もあれば、写真などでみれば変わったけど、日々の暮らしではよくわからないといった程度の変化の樹種もあります。

経年変化という言葉は、一般的にも使われていて、色だけでなく質や性能といったものが変化することを指す場合もあります。ただ、木材で経年変化というと、色の違いがほとんどで、テーブルとして使う年数であれば質や性能といったところに変化がでるということはありません。

では、なぜ色が変わるのでしょうか?

木材の色の変化には様々な要因があるとされていますが、一番影響があるのが光の中にある紫外線と言われています。木の中にリグリンと呼ばれる成分が含まれており、このリグリンが紫外線を吸収し、分解していく過程で表面の色が変わっていきます。変化するのは、光が当たっている部分のみで、木材の中まで色が変わるということではありません。ですので、経年変化で色が変わった木材でも鉋ややすりで削ってみると、色が変わる前に戻るということがあります。

経年変化で一番変わるのはチェリー

さきほど、樹種によって色の変化が違うということを書きました。もう少し具体的にみていきます。ソリウッドでも扱いがあり、多くの無垢材家具屋さんでもラインナップされている樹種の中で、最も経年による色の変化があるのがチェリー材です。チェリー材は正式にはアメリカンブラックチェリーといわれ、北米産の木材です。散孔材といわれ、木が養分や水分を運ぶ管が小さく、散らばっているのでやすりで磨いてあげるとスベスベの肌触りになるのが特徴です。また、木目も激しくなく目立つ感じではないので無垢材としては大人しめの印象を受ける材です。

色味は、製材した当初は薄いピンクっぽい色味をしていて、徐々に赤みというかオレンジみが増してきます。家具が出来上がって半月ぐらいしてくると、色が変わってきているのがわかるようになります。そこからさらに変化していき3ヶ月から半年すると、だいぶ印象が変わってきます。

上の2枚の写真は同じテーブルではありませんが、完成したての状態と数年経ったのちのチェリー材の天板です。色の違いは一目瞭然だと思います。

吉祥寺のショップでは、出来て間もないチェリー材のテーブルと製作から4,5年経ったチェリー材のものが、同時期に展示されることがあります。このときは、その2つが同じ材のテーブルだということは何も知らないとにわかに信じがたいというぐらい色味は違います。

色が濃くなるだけでないのが無垢材の経年変化

色が変わるというと、段々と色が濃くなることを想像するかと思います。先ほど挙げたチェリー材も濃くなる樹種ですが、ほとんどのものが程度の差はあれ、色がつく(濃くなる)傾向にあります。ですが、それだけでないのが、天然素材の木の面白いところです。中には、家具が完成した時が一番色が濃いという樹種も存在します。その代表がブラックウォールナット材です。その名の通り、できた当初は黒紫という表現が合うような色合いをしています。妖艶な感じもする仕上がりですが、ここから徐々に黒さは減ってきて、どちらかというと赤茶色に近づくように変化をしていきます。どちらの色味が好きかは好みが分かれるところかもしれませんが、経年で変化した後のウォールナット材も優しい褐色で趣きがある感じになります。

元から明るい色のものは変化も少し

ブラックチェリーやブラックウォールナットは、無垢材家具でよく使われる木材としては初めから色がついている樹種です。そのほかのタモ、ナラといった初めから淡い褐色のものはあまり変化が目にみえる感じではありません。ですが、10年、20年といったスパンでみるとやはり少し色がついた感じになります。

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