2019.02.26

【No.2553】どんな刃物でも研ぎが重要。

木を加工するには刃物が必需品です。

まず、木を伐倒するためのチェンソー。あんまり刃物のイメージはないかもしれませんが、チェンソーも木をカットする部分は刃物です。ちなみにチェーンソーとよく言われていますが、正しくはチェンソーだそうです。なので、チェンソーと表記しましたが、何だか「俺は知ってて、チェンソーって言ってるぜ」と格好つけて言っているみたいで恥ずかしいですね。

チェンソーの刃はソーチェンと呼ばれています。一つ一つの刃をつなげて輪っか状にしてあります。この輪っか状のものが高速回転して木を切るわけです。ソーチェンを研ぐことを目立てと言います。カッターの部分を棒ヤスリでシュッシュッと削って切れるようにします。

チェンソーはエンジンの排気量によってパワーが違います。排気量の多いエンジンものはパワーがあって太い木でもきることができます。逆に排気量の小さいチェンソーは太い木は切れませんが、細い枝などを切るのに取り回しがよくなるわけです。なので、排気量が大きいチェンソーの方が一般的によく切れます。パワーがあるのです。

でも、最終的にはよく切れる切れないは、ソーチェンの目立て具合と言われています。パワーのあるチェンソーでも刃がボロボロだったら切れないし、パワーの少ないチェンソーでも、刃がギンギンだったらよく切れるというわけです。

私は年に数回しかチェンソーを使わないので、ソーチェンの目立てに関してはよく分かりません。何となく見よう見真似で目立てをしていますが、正しいのかはよく分かっていません。なので、棒ヤスリにつける補助具を使って目立てをしています。見た感じでは刃先もボロボロではなく、白くなっていないのである程度は研げていると思っていますが…どうなんでしょう。プロと比べれば、全然ダメなんでしょう。

プロの方は棒ヤスリだけでギンギンに研げるようです。プロのチェンソーは太くて硬い木でも豆腐のように切れると言いますしね。

チェンソーと同じような研ぎ方といえば、鋸(のこぎり)です。鋸も目立てをすれば、切れ味が復活します。しかし、現在では目立てができる人がとても少なくなっています。なので、あと10年もすれば鋸の目立て職人は居なくなるとか言われています。鋸の目立てもチェンソーと同じように一つ一つをヤスリで磨いていきます。チェンソーと比べると刃が小さく間隔も密なので、難易度はグッと上がります。私は出来ません。

鋸の目立てが出来る人がいなくなってしまってどうするの?

と思いの方も多いでしょう。

その解決策は替え刃です。現在は替え刃式の鋸が主流になっています。ホームセンターで売られているような替え刃式の鋸でも十分に切れると言われています。下手な目立て式の鋸よりも切れる替え刃式の鋸もあると言われるようになりました。なので、今後は替え刃式の鋸が主流になります。(すでになっているとも言えます。)

そもそも鋸を使用する機会がほとんどなくなりました。我々も木工教室で教えるとき以外で鋸を使うことはないです。機械の方が圧倒的に早く、綺麗に切れますので。

鋸は替え刃式でも良いとなっていますが、鉋(かんな)や鑿(のみ)は自分で研ぐ方がまだまだ切れ味が良いです。用途によっては替え刃式の鉋で十分ということもあるでしょうが、材を仕上げるという点では、自分で研ぐ刃でないとうまく行かないと思います。

鉋や鑿を研ぐ際には砥石を使います。砥石は人造砥石がよく使われるようになっています。仕上げ砥石に関しては、天然砥石を使う人がまだ多いですが、中砥石はほぼ人造砥石を使っていると思います。

鉋や鑿は表面の仕上げに使う刃物なので、研ぎも当然シビアになってきます。しっかりと研げていないときちんとした仕上げが出来ません。「研ぎ10年」なんて言葉もある通り、それなりの時間と経験が必要になってくる作業です。私も毎日は研ぎませんが、研ぐ度にまだまだ発見がありますし、完璧には研げません。

いずれにしろ、刃物は研ぎがかなり大事です。

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