2019.02.17

【No.2546】8シリーズ脚デザインの裏側

「注文製作だけでなく現品をみて気に入ってもらえる無垢材テーブルがあってもいいな」

 

すぐお届けできるテーブルが誕生した背景にはそうした思いがありました。

 

ソリウッドではこれまで基本的にオーダー製作の参考になるテーブルまたはまだ加工途中の板を吉祥寺ショップに展示し、オーダーでテーブルを製作するだけでした。オーダー製作にはお客様にとってもメリットがありますが、「どういった感じで仕上がるのかわからないまま注文する必要がある」「納期が2.5ヶ月ほどかかってしまう」というデメリットもありました。それを解消するにはある程度の台数のテーブルをショップに置き、実際仕上がったテーブルをみてもらい、木目、耳の感じ、肌触りを確認してもらえる現品販売しかないと、新たなスタイルに挑戦することにしました。

現品販売するテーブルは、従来のオーダー製作となんらかしらの違いをもたせるため、

「デザイン的な変化をつける」

「脚の付け方を変える」

という2つの課題を設けました。

後者の脚の付け方に関しては、従来の金属プレートによる脚の取り付け方法は優秀で最適だと感じていますが、特注で製作してもらっている金属製プレートの価格がそれなりにする、搬入時にプレートをぶつけて傷をつける危険性があるといった懸念点もあるため、今回の開発では前提条件から外しました。

 

前者については、天板もしくは脚のデザインをかえるということになります。ソリウッドではデザイナーという専門家が社内にいるわけでもなく、私が工房スタッフと相談しながら図面を描いているわけですが、これまでのスタイルとしては主役は木であって、脚のデザインはいたってシンプルにするというものでした。今回もシンプルという基本線は変えなくても、見た目のアクセントはでるように、したいと考えました。

 

2本脚でもなく、4本脚でもない?

アイディアの段階では4本脚、2本脚それぞれいくつかパターンでスケッチを書いたりしていましたが、そのどちらとも言えないようなカタチのほうが、前述した前提条件をいっきに解決するのではというところにいきつきました。結果、斜めにした板状の脚を天板と平行にした板で組み、漢字の八の字型にすることに決めました。

 

強度を保つにはどうするか?

八の字型の脚の図面を描いて、工房スタッフの意見を聞いたところ、強度面で心配があるのではということでした。確かにこれまでの脚に比べると、容積がだいぶ少ないのでダイニングテーブルサイズの重さの天板を支えることができるかは心配事でした。また、板を組むことになるので、どう組むかも課題でした。載せる天板の厚みが30mmと厚くはないので、軽快さも出したかったので、四角く組むことは避けたいと思っていました。そこで、使う板材の厚みを厚くして試作品を作ってみることにしました。はじめの段階では板厚を40mmにして、それをあられ組みといわれる伝統的な組み方を取り入れました。

これが当初のデザインの脚です。

より軽快に、さらにコストダウンを

新しいデザインの脚のできには満足していましたが、大きいサイズのテーブルでは全く問題なくても、W1350ぐらいのサイズでは少し脚がごつい感じが残るのが気になっていました。8シリーズ全体のコンセプトは、少しリーズナブルな価格というのがありましたので、あられ組みのコストが気になるところでありました。あられ組みは加工精度も求められるので、手間というか時間がかかる方法です。そこで、軽快にすることとコストダウンを求めて改良することにしました。天板の厚みを10mm薄くする代わりに、斜めにする角度を調整していきました。また、組む部分は45度にカットして接着し、接着強度を高めるためにかんざしと言われる薄い板をかませるようにしました。あられ組みほど木工感は出ないですが、スッキリした印象にもなりました。

お問い合わせContact

TEL:0422-21-8487
〒180-0004 東京都武蔵野市吉祥寺本町2-28-3 2F
(営業時間: 12:30〜18:00/定休日:火・水曜日)
お問い合わせフォーム
Facebook Twitter Instagram Pinterest