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家具屋で働く双子のブログ
木のスプーンの手入れの仕方
※2017年3月26日追記:一部内容の修正と末尾に関連ブログエントリへのリンクを貼りました。
無垢材テーブルをご検討中に方や使用中の方は、木のカトラリーに興味を持っている方も多いと思われます。実際に木のスプーンを使っている方も大勢いるのではないでしょうか。
そうした方に向けて、今日は木のスプーンの手入れの仕方を説明します。
まず大前提ですが、手入れが必要な木のスプーンはオイル仕上げのスプーンです。ウレタン塗装がしてあるスプーンはメンテナンスの必要はありません。ウレタン塗装は木の表面に堅い膜を作る塗装なので、耐久性に優れています。頻繁に洗ってもウレタン塗装が剥げない限りは問題ありません。逆に言うと、ウレタン塗装は落ちにくいのでご自分でメンテナンスすることが出来ません。
オイル仕上げはオイルを木部に浸透させる仕上げ方法です。堅い膜を作るわけではないので、耐水性に劣ります。しかし、膜を作る訳ではないので触れている部分は木部になります。木そのものの質感を感じることが出来ることが人気の仕上げ方法です。ウレタン塗装では表現出来ない自然な仕上がりも特徴です。
頻繁に水洗いをするスプーンなどに適している仕上げ方法ではないという言い方もできます。が、やはり口に入れるものなので、化学物質が含まれていないものが良いと考えると魅力的な仕上げ方法になります。
木のカトラリーに使われるオイルに、クルミ油、エゴマ油があります。食用のものを使う安心感で採用する作者がたくさんいます。
今回のブログで、メンテナンスの対象にしたのは食用のエゴマ油を塗った木のスプーンです。現在、ソリウッドでは木のカトラリーの取り扱いはありません。(木のカッティングボードは製作、販売しています。オンラインショップでも扱っていますので、興味のある方はこちらをご覧ください。※2017年3月26日現在 こちらのオンラインショップは閉鎖しています。ソリウッドの吉祥寺ショールームではカッティングボードの在庫がございます。ご希望の方は吉祥寺ショールームへご来店頂きますようお願い致します。なお、在庫が無くなる可能性もございますのでご了承ください。)
このスプーンは私が個人的に製作して、使用しているスプーンです。家具製作で出る端材を用いて作りました。大量に生産することを目的にしていないので、電動工具は一切使わずに作りました。木を切ったり、彫ったりしてカタチにしていくのはとても楽しい作業です。特に小刀で木を削るのはとても心地よい時間でもあります。いずれ、木のスプーン製作についてもブログで取り上げるつもりでいます。
では、手入れの方法に移ります。
これが手入れをする前のスプーン。表面が少しがさついています。オイルを塗った直後に見られる艶も消えています。
もともとはエゴマ油が塗られていたものですが、今回はオリーブオイルを使用してメンテナンスをしてみます。オリーブオイルなら家に常備されている方も多いはずです。
クルミ油やエゴマ油は乾性の油です。空気に触れていると乾く種類の油になります。特にエゴマ油の速乾性には驚きます。塗って乾いた後のサラサラ感は抜き出ています。エゴマ油はシソ科のエゴマという植物の種から抽出された油です。体内の余分な油を燃焼させるα−リノレン酸を多く含んでいて身体によいという事で注目されています。最近では普通のスーパーでも購入できるようになりました。ただ、熱に弱いので、加熱するのには向いていません。ドレッシングとして野菜にかけて摂取するのが良いそうです。
(私の持っているエゴマ油は食用のものですが、もっぱらスプーンに塗るようでドレッシングとしては使ったことないです…)
木のカトラリーをたくさん持っていて、使用頻度の高い方にはメンテナンスオイルとしてエゴマ油を持っているとよいと思います。ただ、ちょっと高いのが欠点。メンテナンスのために購入するのをためらわれる方は今回のようにオリーブオイルで代用してください。
一方でオリーブオイルは不乾性の油です。厳密には乾かない種類の油になります。オリーブオイルは乾かない油だという事が重要です。乾きにくいので、たっぷりと塗るといつまでもベタベタしてしまうので注意が必要です。
用意するのは、オリーブオイル少々とペーパータオルです。
ペーパータオルにオリーブオイルを染み込ませて、スプーンに塗り込んでいきます。オリーブオイルをたっぷり塗ってしまうと乾かなくてベタつく恐れがあるので、少量をよく伸ばして塗ります。
全体にむらなくオリーブオイルが行き渡ったら、オイルのついていないペーパータオルでしっかりと拭き取ります。拭き取りが甘いとべたつきの原因になるのでしっかりと拭き取ってください。
下の写真がオリーブオイルを塗って、しっかりと拭き取った状態のスプーンです。
手入れをする前と比べると艶が出ているのが分かると思います。少しがさついているのも無くなりました。これで手入れ完了です。簡単ですよね。
やはり、エゴマ油と比べると、少し油感が残りますが、使用には問題ないと思います。べたつきが気になる方はエゴマ油を使うのがいいでしょう。
がさつきがひどい場合やキズがついてしまった時はオイルを塗る前に#340のサンドペーパーで表面を磨いてください。その後にオイルを塗ると、がさつきもなくなり、キズも目立たなくなります。
どうでしたか?身近にあるオリーブオイルを使う事で簡単にお手入れが出来ることが分かったと思います。お手入れをすることで、見た目も購入時の状態に近づきます。肌触りもよくなりますので、木のカトラリーをお使いの方は定期的にお手入れをすることをオススメします。
追記:
このエントリーを書いた1年半後にブッチャーブロックコンディショナーという木のカトラリー用のメンテナンスワックスを使ったメンテナンス方法を書きました。木のスプーンのメンテナンスに関心がある方はこちらもご覧頂くと嬉しいです。
木のカトラリーやお皿作りに興味を持たれている方もこのブログを読んでいるようです。そんな方のためにウォールナット材の角皿を作った時に書いたブログエントリーも紹介しておきます。
木のスプーン好きの方ならきっと興味を持ちそうな本も紹介しています。
→木のスプーンが作りたくなる本、『The ARTFUL WOODEN SPOON』(邦題:『森と木とスプーン』)の紹介。【No.1706】
瑞木@相模湖
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