2014.09.02

無垢材のはぎテーブルのはぎ行程を覗いてみよう!

ソリウッドで製作・販売している無垢材のダイニングテーブルは”はぎ”テーブルがメインになっています。ダイニングテーブルとして使用するには、幅が800ミリ以上ある板が必要です。これだけの幅が採れる板はそう多くはありません。樹種も限られてきます。全ての木が太く成長する訳ではありません。国産の木で1枚板テーブルになる樹種はケヤキ材とトチ材が代表的です。この2つの樹種は比較的太く成長するので1枚板テーブルが採れる丸太が多くあります。外国産の木に目を向けると北米産のウォールナット材は1枚板テーブルが採れる丸太があります。その他はアフリカ産の木は太く長く成長する種類が多いです。

板の価格は幅で決まるといっても過言ではありません。当然1枚板でテーブルになる幅がある板は価格も高くなります。販売価格では40万円から60万円ぐらいになります。もちろんそれ以上の価格の1枚板テーブルもあります。杢がたくさん出ていたり、柄が珍しく大きな1枚板テーブルだと100万円以上する場合もあります。長い年月を掛けて太く成長している板なのでそれだけの価値があるわけですが、ちょっと高額過ぎるという面もあります。

そこで注目したいのは、1枚ではダイニングテーブルにはならないけど2枚なら幅800ミリを越える天板になるような板です。木というのは、どの木も太く大きく成長する訳ではありません。太く成長するケヤキ材やトチ材ですら、すべての木が太く生長するわけではないのです。よって幅500ミリ程度の板が採れる丸太というのは数多く存在します。ソリウッドでは、幅500~600ミリ程度の耳つき板を積極的に仕入れています。これらの板は上手く乾燥できれば2はぎのテーブルを製作することができます。

ところが、割れが入ってしまう板もあります。そうした板は真ん中で割って幅250ミリ程度の耳つき板が採れるようにします。そうした板は間に2~4枚の板を入れてはぎ合わせてテーブルにします。

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チェリー材の耳つき5枚はぎテーブルの製作風景です。両サイドに配置した耳つき板は元々は1枚の板だったものです。真ん中で割って耳つき板として使用しています。間には耳裁ちで製材された板をいれます。これらの板を接着剤ではぎ合わせていきます。

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ソリウッドでテーブルのはぎ用に使用しているのは、水性高分子イソシアネート系と呼ばれる接着剤です。いくつかのメーカーから同じような接着剤が販売されています。この種類の接着剤は接着力が大変強い接着剤です。しっかりと接着されれば、木部よりも結合が強くなります。木部の接着というと白い木工用ボンドが一般的に知られています。しかし、木工用ボンド(酢酸ビニル樹脂エマルジョンタイプ接着剤)は、強度があまり期待できません。熱に弱いのも大きな弱点です。もちろん木工用ボンドではぎ合わせる事は可能ですが、ソリウッドではより強度の強い接着ができる水性高分子イソシアネート系接着剤を使用しています。

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接着剤を塗ったら、ハタガネという道具で締めます。耳つきではないストレートカットの天板の場合は油圧式のはぎ機で圧着することが出来ます。しかし、耳つき天板の場合は耳に角度が付いているためはぎ機での圧着は出来ません。このハタガネで締めなければいけません。

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ハタガネで締める際にはぎ面に段差が出来ないようにクランプで押さえつけます。この段差ができないようにはぎ合わせるのにはテクニックが必要です。

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とこんな感じで板をはぎ合わせていきます。はぎ合わせるのはそれなりに手間が掛かります。1枚板でテーブルになる板はそのまま削って仕上げれば天板になります。しかし、はぎテーブルはそういう訳にはいきません。はぎテーブルを製作するには作り手の技術力が必要になります。またはぎ合わせる板の向きや順番で天板の表情が変わってきます。ここが木工屋の腕の見せ所になります。そういう意味でもはぎテーブルへのこだわりもあります。

瑞木@相模湖

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