2014.05.27

トチ材のニョロニョロはお気に入りの模様。

仕入れておいたトチの板を写真撮影、採寸のために引っ張りだしてみたら
140527_1.jpg
樹皮のところにシダ類の植物が生えていました。木を使う場合は剥がしてしまう樹皮ですが、苔が生えたり、シダ類が生えたりと観察してみるといろいろな発見ができます。トチの樹皮には苔がよく生えている気がします。ウォールナットやチェリーなどの樹皮には苔がついている印象があまりないです。気づいていないだけかもしれませんが、なんとなくそんな感じがします。苔が生えやすい樹種というのがあるのかもしれませんね。

トチノキは、日本を代表する広葉樹です。特に1枚板テーブルの分野ではケヤキとトチがツートップをつとめています。最近はケヤキの勢いがないので、トチがややワントップな働きになってきました。ソリウッドでは、ダイニングテーブルになるような大きなトチの板はありません。2枚はぎでダイニングテーブルになる幅の板の在庫がほとんどです。今日引っ張り出したトチの板も幅は500ミリ程度の板です。
140527_3.jpg
大きめの節があって、所々に虫に喰われた痕があってと欠点がありありの板ですが、トチの板の場合はそういった欠点を持った板の方が面白みがあって好きです。この板は欠点もあるけど、トチの特徴でもあるギラギラした杢も持っています。いろいろを持っている板というのは、我々を楽しませてくれているようでついつい仕入れてしまいます。私が感じているトチの魅力はそんな懐の深さなんだなと思います。

140527_2.jpg
トチの板によく見られるニョロニョロした黒っぽい筋。これは虫に喰わされた痕です。このニョロニョロがある所をよく見ると虫が喰った穴があいています。このニョロニョロは、虫に喰われたけど、これ以上喰われないようにトチが戦った痕、もしくは虫に喰われた痕を直そうと頑張った痕なのではないかと考えています。本当の事は分からないですが、そう考えるとなんとなく愛しく感じますよね。虫に喰われた所にこういう筋が残るのはトチだけではないでしょうか?他の樹種でこういう筋をみることはないですね。だから、このニョロニョロはトチ特有の模様ということで私の中では評価が高い模様です。まあ、虫に喰われているので全体的にはマイナスですが、ニョロニョロがないトチはかえって寂しく感じてしまいます。

トチは湿気が多いとカビが入りやすい樹種です。そのため、トチの原木が製材されるのは4月ぐらいまでです。水分量が多いまま梅雨を迎えると、青いカビが入ってしまいます。これが表面だけでなく結構深い所まで入ってしまうのです。この樹種でもカビは入りますが、表面だけの場合が多いんです。でも、トチは深くカビが入ってしまうので注意が必要です。

この板は大きな節があるため、長さがあまり採れません。幅は500ミリ程度あるので、”家族みんなのデスク”シリーズに使おうかなと考えています。トチ材の”家族みんなのデスク”はお客様からも好評です。節あり、虫喰い穴あり、ギラギラした杢ありの面白いデスクになるんじゃないかと期待しています。でも、まずは乾燥を。

瑞木@相模湖

お問い合わせContact

TEL:0422-21-8487
〒180-0004 東京都武蔵野市吉祥寺本町2-28-3 2F
(営業時間: 12:30〜18:00/定休日:火・水曜日)
お問い合わせフォーム
Facebook Twitter Instagram Pinterest