2013.12.20

博物館のような本を発見!

面白い本を発見しました。世界中の樹種が羅列している図鑑かなと思っていましたが、中身を見てビックリ。これはもう、木材博物館ですよ!!!

その名も『大図説 世界の木材 木と人間の文化誌』 日本語版監修 平井信二 小学館
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箱入りの上製本。奥付を見てみるとなんと昭和54年発行とあります。バーコードがついてなかったり、消費税の表記がなかったりと時代を感じます。

表紙に日本語版監修者の名前が入っていることから海外本が元になっているのが分かります。英語版もありました。
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表紙が違うのが気になったので調べてみたら、この英語版はどうやら出版社が変わって発行された本のようです。日本語版と同じ表紙の英語版がAmazonのマーケットプレイスで売られていたので。

著者のヒュー・ジョンソンさんのまえがきに印象的な文章がありました。

自然の驚異を素直に認め、人間の技能を尊敬することを知り、そして独創的な技術に好奇の目を見張る人々にとって、本書は真の喜びとなるであろう。だが、さらに重要なことは、本書には、いかに人類が樹木ならびに木材に依存しているかが、誰にでもわかるように記されていることである。人類にとって、これ以上古くからの、これ以上大きな借りはないのである。

確かにその通りです。木についていろいろ勉強していくと、木は人類とって共に歩んできた最高のパートナーであることが分かります。ほぼ全ての文化の初期には木が大きな役割を担ってきました。大切に使いたいという思いが強く湧きます。

さて、日本語版の表紙に写っている木の種類はなんでしょうか?

私は木目の感じからクルミかなと思いました。賢木@吉祥寺に尋ねてみたら「カバじゃない?」と。
社長に聞いてみたら、「オークじゃないかなあ。イギリスの本でしょ。だったらオークだよ」と。

三者三様の答えになりました。正解はわかりません。ただ、カバじゃないとは思いますけど…

社長のオーク説が正しいように思います。私たちがよく見るロシア産のナラと比べると木目がおとなしく感じますが、樹皮の感じがオークっぽくも見えます。

私の推すクルミ説も頓珍漢な答えではない気がします。が、もともとイギリスで発行された本という事をふまえると間違っている気もします。ヨーロッパ産のクルミは現在の日本では流通していませんが、アメリカ産ウォールナットと同じく濃い色をしていると聞いています。

とまあ、表紙だけでも十分に楽しめる本ですが、中身はもっとすごいです。

副題に”木と人間の文化誌”とあるように、人間が木材をどのように利用してみるかをイラスト入りで解説しています。ちらっとその中身を…
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輸送に使われる木材という章で紹介されている農耕用の2輪車と4輪車のイラスト。右下の赤い車輪のついた4輪車の後輪は150cmと書かれているのでかなり大きいものになりますね。これを馬が引いていたのだと思います。重さは900キロしかないと書かれているのですが、えっ900キロもあるの?が正直な感想。イラストはスケール感が分かりにくいですが、丁寧に書かれているので、見ててとても楽しい。イラスト入りの本、 大好きです。

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空飛ぶ木材−飛行機という項目。初期の飛行機は木材を使っていました。軽いバルサと丈夫なカバをサンドイッチして作った合板で作られていた軍用機などとても興味深いです。バルサとカバのサンドイッチ合板なんて考えつきませんよ、今の時代なら。そもそも飛行機を木で作るなんて無理だと思っちゃいますよね。

ほかにも橋や舟、楽器やお面など様々な分野で使われていた木の解説が載っています。

読みこんでいくと、こんな風に工夫して木を使っていたんだという発見がたくさんあります。まさに博物館。トイレに置いておきたい本ですね。 便器に座ってパラパラとめくって楽しむ本。そんな読み方がぴったりだと思います。

絶版になっているようですが、Amazonさんのサイトで中古品は手に入れることができるようです。中身を確認したい人は図書館で探してみてみてください。

この本はもう何年も前からあったはずでその前を何度も通っていたにもかかわらず、手に取って中身を確認していなかった本です。それをなぜ今日、手に取ってみたかといえば、ブログネタを探していたからです。

ブログを書くようになって、毎日ブログネタがどこかに落ちていないかを探しています。さらに2000字書く事を目標にするようになってからは、もう必死です。すでに持っている知識、情報だけでは週4日、2000字の記事を書くことはできません。つねに新しい知識、情報を掴みにいかないと駄目です。そういった意味で、以前よりも木や家具、あるいは林業といったテーマをより身近に感じ、より関心を持つようになりました。ブログを書く効果は本人にも相当効果があると思います。

瑞木@相模湖

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