2013.11.18

広葉樹の伐倒を極める!

昨日のブログでは賢木@吉祥寺が読書の秋にピッタリな本を紹介していました。その流れで今日のブログも書籍紹介でいこうと思いました。

読書好きなので、日頃からよく本を読んでいます。最近はネットで注文してしまうことも増えましたが、本屋さんに行くのも好きです。なんだかんだいって、休みの日はかなりの確率で本屋さんを覗いています。

なので、木や木工に関する本も少なからず読んできています。大工道具の本なんかを数冊持っています。が、今日はもう少し違った関係の書籍を紹介することにします。だいぶマニアックですが、そういう本の紹介の方が楽しいと思いますので…

『林業現場人 道具と技 Vol.9 広葉樹の伐倒を極める』 全国林業改良普及協会 編 
131118_2.jpg

ソリウッドで製作、販売している無垢材テーブル、椅子などは広葉樹の材を使用しています。ところが、日本の林業は針葉樹が中心。これは、日本政府が住宅の構造材に使えて成長の早い針葉樹の植林を積極的に進めてきたためです。そのため、林業に関する書籍やデータはほとんどが針葉樹を対象にしています。針葉樹と広葉樹では、生物的な構造や成長具合などが異なります。針葉樹に関することをそのまま広葉樹に当てはめることは出来ません。そんな事もあって広葉樹林業に関心はあっても、なかなか読む本には巡り会えていないのが現状です。

なので、林業系で広葉樹の伐倒が特集であるならば、読んでみようと購入したのがこのムック。特集の主な内容は、広葉樹をどう切るかという具体的なテクニックです。写真入りで詳しく解説してあります。非常に具体的で、写真にもわかりやいようにマークを入れていたりととても親切です。

しかし、木を伐ったことはないし、その知識もないまったくの素人には分かりづらい部分もありました。

でも現場の雰囲気や状況を知るにはいいですよ。写真いっぱいありますから。さらにこういうことに注意して広葉樹を伐倒しているんだなというの注意点もよく分かります。

どうやら、広葉樹は伐る際に裂けてしまうことがあるらしいです。裂けると危険。板にする樹では価値を下げることにもなってしまいます。広葉樹伐倒の鍵は、裂けないように切り倒す。(針葉樹は裂けることがほとんどないそうです。)

広葉樹伐倒の特集記事以外で気になったのは、馬搬のレポート。

岩手県遠野で馬搬をしている岩間敬さんの現場をレポートした記事でした。先日のブログで八戸市森林組合が馬搬に取り組み始めたということを書きました。その馬を預けて調教をしたのも岩間さんです。

斜面状況にもよるそうですが、1回に約1トンの木を運びだすことができるそうです。馬搬は特別な作業道が必要ないことがメリット。道がつけられない場所などではとても有効とのこと。また、立木をキズつけることもほとんどないため環境保全的な集材方法でもあります。

もちろん、作業効率など不利な面もあります。が、こういった昔ながらのやり方を実施して、存続させていこうとする姿勢はすごく良いことだと思います。岩間さんは私と同世代。頑張ってもらいたいです。

馬搬を継承していくために、遠野馬搬振興会を設立し、ベテランの馬方が若手を指導しているそうです。研修生の伊勢崎さんは、林業も馬も初心者から初めて4年。近々、自分の馬を飼う予定で、息子の保育園へは馬車で送迎する計画を立ててるそうです。とても楽しそう!

遠野馬搬振興会のTwitterアカウント @tonobahan

とまあ、こんな内容のムックです。林業をしている人向けの内容ですが、 伐採現場を知る上ではとても参考になりました。首都圏の本屋さんに並んでいるとはあまり思えませんが、ネットでは簡単に手に入れることが出来ました。お値段、1800円+税。もし、見かけたらちょっと手に取って見てみてください。

瑞木@相模湖

お問い合わせContact

TEL:0422-21-8487
〒180-0004 東京都武蔵野市吉祥寺本町2-28-3 2F
(営業時間: 12:30〜18:00/定休日:火・水曜日)
お問い合わせフォーム
Facebook Twitter Instagram Pinterest