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家具屋で働く双子のブログ
無垢耳つきテーブル用板の乾燥具合
木材を使用するためには乾燥させる事が必ず必要です。薪にするにしても、乾燥させておかないと良く燃えません。乾燥程度に差はあるにしても、木材利用と乾燥は切っても切れない関係にあります。
木は成長が大人しくなる秋から冬にかけて伐採されます。この時期は樹木内の水分移動も成長期の春先に比べると少なくなっています。それでも伐採した木口面は湿っていて、樹木内に多くの水分がある事がはっきりと分かります。製材された板も、手で触れば湿っているのが分かります。
木材を乾燥させる理由はいくつかあります。1番の理由は木材を安定させること。水分の多い板は空気に触れているだけで徐々に水分が抜けていきます。水分が抜けると、当然体積が減っていきます。それに伴って木自体が縮小します。縮小する過程で割れや反り、ネジレが出てきます。
木材に含まれる水分が完全に抜けきることはありません。空気内の水分と平衡になるように水分量を調節します。日本の気乾含水率は15%とされています。これは外にずっと置いておくと、木材の含水率も15%になるという理論です。そのため一度安定するところまで含水率を下げて、収縮による木材の形状変化を出し切ります。その状態になってから綺麗に成形します。
その他の理由も挙げておきます。乾燥されることによって、木材の強度が上がります。水分が抜ける事で木材が堅くなるのは想像できるでしょう。あとは、接着の強度を上げることもできます。水分が多い状態では接着剤の効きが低下します。塗装の出来具合にも影響を与えます。
冒頭のトチ材の話に戻します。これらの板は4月に仕入れてきた材です。製材されたのはその直前だと思われます。表面に手のひらを置けば、湿っているのがハッキリと分かる状態でした。それから桟積みをして外で乾燥させていました。6ヶ月後に含水率を計測してみるとだいたい30%ぐらいでした。手で触れるとかすかに湿っているのが感じられました。
10月2日に木材乾燥庫に入れて人工乾燥を始めました。翌日に含水率を計測したら21%。一気に下がりました。これは雨に濡れたりした表面の水分が飛んだために一気に含水率が低下したと考えられます。細胞内部に溜まった水分は徐々に抜けていきます。
それから1日で2、3%ずつ低下していきました。約3週間で約9%までに低下。順調に乾いていきました。木口からの割れもなく、完璧と言っていいぐらいの乾燥具合です。
このトチ材は耳つき2枚はぎテーブルの天板にします。現在の住宅は気密性が高くなっていて、室内の気乾含水率は10%ぐらいだと言われています。そのため、一度含水率を10%以下にしておくのが賢明です。ソリウッドで人工乾燥させる板は含水率8-10%を目安にしています。これは乾燥した室内でも極力変形しないようにするためです。
乾燥材といってもその含水率には結構な差があります。家の構造に使う材は20%以下になっていれば乾燥材と呼んでいます。でも室内で使用する家具用の材にこの基準を適用するのは危険です。そのためソリウッドで使う材は人工乾燥させて含水率10%前後まで一度落とした材を使用します。
乾燥させたトチ材は、一度表面をキレイにして写真撮影してWebサイトに掲載する予定です。W1500ミリ程度の耳つき2枚はぎテーブルの天板を2つ製作する予定です。幅は850ミリから900ミリぐらいを想定しています。表面をキレイしてからどう木取りするのがベストかを考えるつもりです。
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