2013.09.20

面白い耳つきテーブルを作るには木財育成脳内会議が必要。

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会社にとって人材は人財と呼んでいたりしてその育成には各社とても力を入れていますよね。ソリウッドでも人は大事ですが、木材も大事です。木材をどう活かして、どう化かすかで商品ラインナップの魅力が変わります。

自社で製作、販売するメリットを最大限に活かせるように木財育成に力を入れてます。せっかくの板も乾燥方法の判断を誤ると使えなくなったり、ちょうどいい時期を逃してしまいます。購入してきた耳つき板は、大きさ、カタチ、樹種、値段に応じて適正な使い方を模索して、その板のポテンシャルをフルに活用することが大切です。

今日は先日行われた木財育成会議の模様をお伝えします。会議といっても参加者は私一人ですので、脳内会議と思ってください。

岐阜の木材市場で購入した木材が工房にやってきました。これらの板をどうするかを検寸しながら考えていきます。

今回仕入れた18 枚の中で一番期待しているのはこちら。

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ミズメザクラの板で、隣あっている板2枚です。まず目を引くのがそのカタチ。大きく湾曲しています。端の広い所は約1000mm、狭い所は600mmぐらいです。カタチが特殊なので、そのまま1枚板テーブルにするのも有りです。2枚を接ぎ合わせてテーブルにするのも良し。長さを短くしてデスクにするのも良し。余ったところで小さい家具を作ろうなどなど。想像するのが楽しい。
木目や色も非常にキレイです。現状は表面に割れ止め剤が塗られているので若干濃く見えています。実際はもう少し淡い赤褐色と薄い褐色になります。湾曲している所にはメラメラとした杢目がでています。期待が高まりますね。

しかし、焦っては駄目です。このように湾曲している板は内部にストレスをため込んでいる場合があります。そうしたストレスが乾燥時に悪影響を与えて、板を反らせたり、ねじれさせたりする恐れがあります。こういう板は焦らずじっくりと乾燥(育成)させる必要があります。野球で言えば、高校生ドラフト一位選手。3年後ぐらいの商品化を目指します。

即戦力系はトチ、ウォールナットの板です。
トチは2種。

短い丸太から採られた4枚と長い丸太から採られた5枚。
短い方は、長さ1650ミリしかありません。乾燥中に木口から割れが入るので1300ミリから1500ミリのテーブル天板が採れればOKです。幅も400ミリ前後なので3枚はぎでテーブルにしようと考えています。耳のカタチは素直で使いやすいです。小振りなテーブルだけど耳がついた方がいいと考えるお客様向けですね。トチ板は大きなテーブル用が多いため、小振りなトチ材テーブルは少ないです。なので、そこを狙って作ります。

長い方はガチガチの即戦力です。といっても乾燥させないとだめなので少なくても半年は掛かりますが。トチは短期間で乾燥する材です。乾燥時の反りやネジレも少ないので安心して人工乾燥庫に入れることができます。幅は500ミリ前後。5枚あるので2枚はぎ天板を1枚、3枚はぎ天板を1枚、を想定しています。アオと呼ばれるトチ材特有のカビが少し入っていますが、それほど気にならないと思います。荒い状態でもハッキリ見えているトチらしいギラギラした木目に期待が持てます。派手な天板になるでしょう。最近、派手なトチ材テーブルを作っていないので、楽しみです。

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ウォールナットは耳がキレイなので購入しました。幅は400ミリ程度なので2枚はぎテーブルは無理。3枚はぎが多数枚耳つき天板用に使います。ウォールナット材は乾燥に時間が掛かります。乾燥したウォールナット材の在庫があるのでこちらはじっくり乾燥させます。まずは外で天然乾燥。含水率が20%を切るようになったら人工乾燥庫に入れます。使うのは一年後ぐらいを予定しています。

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短いミズメザクラの板も購入しています。今一番はまっている材がミズメザクラです。ミズメなら多少の欠点には目をつぶって、購入します。この板は中央部分に大きな割れがあります。そのため幅広く使えません。半分に割って6枚の板にしてから接ぎ合わせる板を決めます。耳つきの4枚はぎテーブル天板になればOKです。ほぼ柾目のミズメザクラテーブル。なかなか他では見られない天板になりそうです。それを狙って購入しました。材木屋さんの倉庫で随分と眠っていたようで、乾燥が結構進んでいます。含水率20%を切っているので、すぐに人工乾燥庫に入れてみます。こういう板はスピード重視で早く製品にした方がいい。キレイな天板になること間違い無しです。

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最後にイタヤカエデ。正直に言います。どう使えばいいか分かりません。同じ丸太から採れたカエデが二口、セリに出てました。本命は後のカエデだったんです。ところが本命はちょっとしたすれ違いで他の人の手に。脚にすれば全て同じ丸太から採れた材でテーブルに出来るなと考えて一応買っておいた方だけが私の手元に。1枚板のデスクにしようと思っていましたが、かなり反っている事が判明。幅広く使えない様子です。とりあえず、しばらくは天然乾燥させておきます。そのうち、使い道が出てくることを期待して。

このように、それぞれの板に対して今後のスケジュールと用途をざっくりと決めていくのが木財育成会議です。どうですか?意外といろいろ考えているんだなと思ってくれましたかね?

王道のキレイな天板から変わり種の天板までいろいろあるから無垢材のテーブルは面白いと思っています。いろいろ作るためにこうした脳内会議をして策を練っています。

瑞木@相模湖

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