2013.09.03

無垢材ってどこから来ているのか。

ソリウッドは無垢材の家具を製作し、販売しています。私たちが扱っている無垢材はどんな樹で、どこから来ているのかを今日は書いてみます。

まずは木材の自給率から見ていきましょう。

日本の木材自給率はどのぐらいだと思いますか。

ここ数年は27%ぐらいです。平成元年から30%を切ったまま現在に至ります。この数字を皆さんはどうみますか? (林野庁「木材需給表」を参照)

意外と少ないと思う人が多いのではないでしょうか。日本は森林が多くて国土のほとんどが山だから、木はいっぱいあると感じている人は多いでしょう。しかし、その木はあまり使われず外国産の木材に多くを頼っています。

 では日本に入ってくる木材はどこから来るのかを見てみましょう。
北米材(アメリカ・カナダ)がトップで日本の木材供給量の約20%を占めています。次は南洋材。マレーシアやインドネシアなどから主に合板が輸入され全体の10%ぐらい。その他ヨーロッパ約8%、ロシア約3%となっています。(森林・林業白書 平成24年版を参照)

ウォールナット、チェリー、ホワイトオークなど無垢材家具に使われる主要材の多くが北米産の樹種です。特に近年ウォールナット材、チェリー材の 人気に後押しされ日本の無垢材家具業界で確固たる地位を築いたと言っても過言ではありません。その要因の一つは安定した供給量にあると思います。日本国内の多くの 材木屋さんに多くの在庫があります。アメリカ産広葉樹の多くは、現地で製材されて人工乾燥された状態で日本に入ってきます。製作サイドから見ると、電話一本ですぐに使える材が手に入るというのはとてもありがたいです。最近はウォールナットの丸太も日本に数多く入ってくるようになりました。そうした丸太は日本国内で製材、乾燥されます。より良い板の製造が可能になってきました。ソリウッドで製作するウォールナット材耳つきテーブルの耳つき材もそうした板を使って製作されています。今後しばらくは、アメリカ産広葉樹の時代が続くと思います。

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アメリカで製材、人工乾燥されたウォールナット材。こんな感じにまとまって日本にやってきます。

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市場で見かけた巨大ウォールナットの丸太。どんな板が挽けたのかが気になるところ。

数年前まで、ロシア産材が数多く日本国内に出回っていました。特に、タモ材、ナラ材の多くはロシア産でした。しかし、ロシア国内の輸出政策が変更され輸出される材木の関税が大幅に引き上げられました。これに伴って価格が上昇し、流通量が減ってきました。比較的安値だったタモ材も北米産広葉樹との値段の差が詰まってきました。ナラ材は日本国内でもっとも高い材の仲間入りを果たしました。ロシア産材の良さはなんと言っても木目の細かさでしょう。寒い地域で少しずつしか成長できない環境で耐えて育った樹は目が詰まっていて狂いにくくなります。今後、ロシアがどのような政策を選択するかは注目です。個人的には、ロシア材の扱いを辞めたくはないです。ただし、このまま価格上昇と供給量不足が続くと使いつづけるのが難しくなると思います。

今後、日本国内の流通量が増えていくのがアフリカ材だと思います。ブビンガ、マコレ、シポ、ゼブラウッド、サペリ、イロコ、パドック、オカン、アサメラ、ウエンジ、ビリンガ、ベリ、バオローズなどがあります。1枚板テーブルになる幅の広い板が採れることで近年はその存在感を高めています。また、飲食店のカウンターなどに使用する長尺材もアフリカ材の強みになっています。アフリカには直径1m以上で高さ30mもの巨木がまだまだたくさん眠っているそうです。アフリカ材の特徴は、重くて硬く、色が濃いことです。木目は単調であまり目立たないものが多いです。ソリウッドでは 昔からブビンガ材のテーブルやカウンタートップを数多く製作してきました。近年はブビンガ材も少なくなり、扱い量は減ってきています。アフリカ材は重い材が多く、扱いが大変です。

中南米からは、モンキーポット、パープルハート、ローズウッドなどが入ってきています。モンキーポットは茶褐色で幅広材が入手可能で、比較的安価のため1枚板テーブル用の材として人気があります。パープルハートは特徴的な紫色で人気を集めています。ソリウッドではほとんど扱っていません。

マレーシアやインドネシアから入ってくる材を南洋材と呼びます。南洋材の代表は、ラワン、チーク、黒檀、ウリン、アガチスなどです。チークは日本で根強い人気がある材ですが、供給量は少なめです。南洋材は総じて供給量が減っている傾向にあります。少し前は安価のラワン材が大量に流通していましたが、最近はあまり見かけなくなりました。南米材と同じくソリウッドでの扱いはほとんどありません。
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数年前に市場で見かけたチークの丸太。私がはじめて見たチークの丸太。樹皮がどんなだか見たかった。

と世界各地からどんな木材が入ってきているのかを記しました。日本の国産材に関してはまたの機会に詳しく書くことにします。少し触れると、国産材の状況は残念ながら良くありません。今後の木材自給率も横ばいから下向きに推移すると思っています。

瑞木@相模湖

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