2018.06.20

縦スポークがある椅子【No.2320】

椅子のデザインについて少しみていきたいと思います。木の椅子に限らず、様々な椅子のデザインが存在します。よく見ると似たようなデザインのものもありますが、椅子を使ってきた長い歴史をみればある程度基本となるカタチは固まってきていても不思議ではありません。そのなかで、見た目の個性を出すのと、座り心地など機能面のバランスをとるのは高度な要求になっていると思います。そんな中で木の椅子でよく見かけるタイプの椅子を今日は紹介します。椅子のデザインはざっくりわけると、座面をさせる脚とその一部で背もたれを支えているものと脚とは関係なく背もたれが別の構造をしていうもの二つのものになっていると思います。今日はソリウッドで扱いのある椅子の中で後者にあたる構造になっているものを取り上げてみます。

このような構造になっているものは数はそれほど多くありませんが、根強い人気があるといって良いでしょう。

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宮崎椅子製作所のboチェアです。宮崎椅子製作所は徳島県にある椅子をメインで製作している木工所です。曲げ加工と工作機械での加工を組み合わせ、デザイン性の高い椅子でもしっかりと製作する技術力が高く評価されています。多くの椅子は、デザインを外部のデザイナーが担当し、製作を宮崎椅子製作所が行うタッグ形式で製品を世に送り出しています。このboチェアも家具デザイナーである小泉誠さんのデザインとなります。特徴としては、ダイニングチェアとしては、高さが高く7本の縦に伸びるスポークが目立ちます。宮崎椅子製作所の椅子の多くはクッション性のあるウレタンフォームを布もしくは革で包んだ張り座のものが多いのですが、このboチェアは座面を含めた全てが無垢材でできています。無垢材の椅子は重くなってしまうという欠点がありますが、こちらのboチェアは対策として座面の裏側を彫り込んだり、部材を強度が保てるギリギリラインまで削っています。そのおかげで、木の椅子とは思えないくらい軽い椅子に仕上がっています。ソリウッドの吉祥寺ショップに展示しているboチェアはウォールナット材のものなので、比較的軽い方かと思いますが、重さに関しては違和感なく使って頂けると思います。boチェアはいわゆるウィンザーチェアというデザインタイプに分類されます。ウィンザーチェアは17世紀後半、イギリスのウィンザー地方で農家の方が使う時実用的な椅子として製作されるようになっと伝えられている椅子です。特徴としては、座面が木である、背と座面にスポークが直接ついている、座面の裏に脚が直接ついているといった点が挙げられます。boチェアもこれらの3つの特徴が備わっています。背の高いスポークが想像以上に背中を支えてくれるので、見た目以上の座り心地も実現されていると思います。

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こちらは同じく宮崎椅子製作所のribチェアです。この椅子も笠木と脚の間に4本の縦スポークがついています。脚のデザインも変わっていてコの字を回転させたような見た目をしています。全体のカタチはシンプルに見えますが、細かいところをみてみるとデザイン的にも木工的にもチャレンジをしている椅子になります。スポーク部分を除く、長さのある部材は台形から三角形に形が変化しています。こうすることで、強度は保ちつつもシャープに見せることに成功しています。肘掛けはありませんが、十分にゆったりと腰かけることができます。食事をメインとするダイニングチェアとして使うのであれば、肘掛けのない点は気にならないと思います。座面はウレタンフォームになりますが、やや硬めで座ると沈みこむような感じはありません。

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