2018.03.05

無垢材家具に使われる国産材と輸入材。【No.2213】

ソリウッドで使用している木材は色々とありますが、外国産の木材が多くなっています。これはソリウッドに限らず、無垢材を使用している家具メーカーはどこもそうした傾向にあると思います。要因としては木材の供給が外国産の木材の方が安定しているという点が大きいと思います。知ってもらいたい点は国産の木材の質が悪いとか高いということではなく供給の体制が不安定ということです。このことで多くの家具メーカーや家具工房が供給量が安定している外国産の木材を使用する要因になっています。

ソリウッドのストレートカットテーブルの樹種ラインナップは以下の通りです。ウォールナット材、チェリー材、メープル材、ナラ材、タモ材、クルミ材の6樹種です。ウォールナット材、チェリー材、メープル材は北米産の木材で日本には生えていない樹種です。もちろん仲間の木は生えていますが…　ナラ、タモ、クルミは日本にも生えている木で国産の木材を流通しています。クルミ材は国産のものも結構流通しています。ナラ材は北海道を中心に国産ナラ材がないことはないですが、量や質を比べるとロシア産のナラ材の方に分があります。なのでソリウッドではロシアや東ヨーロッパ産のナラ材を使用することが多いです。

ウォールナット材はブラックウォールナット材とも言われています。要するに色が濃いんですね。ウォールナットは日本語にすると”クルミ”です。でも、日本に生えているクルミの木はウォールナットのような色をしていません。

こちらがウォールナット材を使ったテーブルやイスです。濃い茶色をしているのが特徴です。着色はしておらず、無色のオイルを塗った状態がこのような色というわけです。

一方のクルミ材はこんな色をしています。同じオイルを塗った状態での写真です。全然色が違いますね。国産やロシア、中国産のクルミ材はこのような淡い茶褐色をしています。材質的にはちょっとクルミ材の方が柔らかくて軽いです。ウォールナット材はシックでクールな雰囲気ですが、クルミ材はほんわか優しい雰囲気を持っています。

全体の人気としてはウォールナット材の方が高いですが、クルミ材の優しい雰囲気を好む方も増えてきています。

チェリー材は北米産の”さくら”になります。国産のサクラはヤマザクラという種類が家具などに使われています。国産のヤマザクラ材もちょいちょい使われていますが、最近では良質の材を入手するのが困難になってきています。ないことはないですが、幅も狭く、色や柄も綺麗なものが少ないです。ソリウッドでは材木市場でヤマザクラの板を仕入れてはいますが、乾燥が難しいのもあってこのところはヤマザクラ材でテーブルを製作できていません。ヤマザクラは乾燥中に割れが入ったり、大きく拗れたりすることが多いです。最近、乾燥庫に入れたヤマザクラ材もバキバキに割れてちょっと使い物にならなくなってしまいました。

チェリー材とヤマザクラ材を比べるとチェリー材の方が大人しい印象で、ヤマザクラ材の方がワイルドな雰囲気を持っています。色に大きな違いはありませんが、ヤマザクラ材は少し緑がかった部分が多いかなと。似てはいますが、チェリー材とヤマザクラ材を見比べると違いはあります。言葉にすることは難しいですが…

こちらがチェリー材で製作したテーブルとイスです。納品時はこのようなオレンジ色をしていますが、時間が経つにつれて濃い茶色へと変化するのがチェリー材の特徴です。ヤマザクラ材も同じように色変化はしていきます。チェリー材とヤマザクラ材では色や木目の大きな違いはありません。違いがあるのは乾燥中の動きです。一旦乾燥してしまったら違いはないのでお客様にとっては全く問題ではないのですが。とにかくヤマザクラ材は乾燥が難しいです。天然乾燥の段階で割れが入ったり、捻れたりするので木が持っている性質なんだと思いますが。逆にチェリー材は乾燥中に大きなトラブルが起こることが少ないです。今までにチェリー材の乾燥は何枚も行いましたが、特に難しいと感じることはなくスムーズに乾燥させることが出来ています。

相模湖工房にはテーブル天板が数台制作できる分のヤマザクラ材を乾燥させています。でも、それらの板がうまく乾燥するかは分かりません。焦って木材乾燥庫に入れると無残な状態になる恐れもあるので、じっくりと天然乾燥で水分を抜いています。天然乾燥である程度まで水分を抜いてから乾燥庫に入れて乾燥させようと考えています。うまく乾燥できて、いつの日かヤマザクラ材のテーブル天板が製作できるといいのですが…

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