2018.01.21

オイルで仕上げるとスベスベ度が高い樹種【No.2170】

無垢材テーブルの魅力の一つにスベスベとした肌触りが心地良いということが挙げられます。ですが、このことについては少し前提となる条件があります。それはオイル仕上げの無垢材テーブルということになります。無垢材テーブルの場合、オイル仕上げとウレタン塗装という二つの仕上げ方法のどちらかが使われていることが多いです。ウレタン塗装は、薄いプラスチックの塗膜をテーブルの表面に作って保護するタイプの塗装です。水にも強く普段はあまり気にせず使うことができる塗装方法ですが、触り心地という点で見るとプラスチックを触っていることになるので、実際には木の質感というには違います。一方、オイル仕上げは家具用に調合された天然由来のオイルを浸透させて保護しています。そのため、オイルを塗る前の木部の肌さわりがそのまま完成後の肌触りに影響してきます。ですので、オイルを塗る前がスベスベに磨かれていると、オイルでしっとり感がプラスされたスベスベの肌触りになります。

ですが、オイルを塗ったテーブル全てが同じようにスベスベしているというわけではありません。実はその樹種が本来持っている性質にも多少影響があります。家具にするような広葉樹は環孔材と散孔の二つに分けることができます。前者の環孔材は、年輪に沿って養分や水分を運ぶ管が規則正しく並んでいます。環孔材の多くは製材した板でも導管を確認することができます。板の小口をしっかりと見て小さな穴がたくさん空いているのが確認できます。これが導管です。そして、年輪に沿って配列されているので、天板の上にも導管の一部が露出します。その部分を触ってみるとわずかに凹凸を感じることができます。一方、散孔材は、導管が細く不規則に並んでいるので表面を触っただけだと導管の存在は確認出来ません。したがって散孔材はしっかりと磨けばそれだけスベスベに仕上がるということになります。この導管の構造の違いが、木そのものを触っていると同じ感覚のオイル仕上げの場合、手でわかることになります。

では、オイル仕上げだとよりスベスベに仕上がるのはどんな樹種かを見ていきます。

20180121 2

まずスベスベの代表格はカエデ・メープル系の樹種です。白く淡い褐色になるものが多く、その繊細な見た目と同じく触り心地も非常に滑らかです。よく家具に使われるものだと、メープル(ハード)材、イタヤカエデ材といったところが挙げれます。明るい色味で、スベスベの質感を求める場合はこのあたりを検討してみると良いでしょう。

続いて紹介するのはカバ系の樹種です。こちらもメープル・カエデ系の樹種と同じく硬く詰まっているので、スベスベに仕上がるものが多いです。ただ、カバ系の樹種は色々な名前のものがあり、細かくは言い当てられないものも多く存在します。現在、多く流通しているカバ材は雑カバと言われることが多く、カバの中でもNo.1とされる真樺以外のもを総じてこう読んでいます。ソリウッドではカバ材と表記しています。カバ材は一般的な知名度は低いですが、昔から家具に使われている樹種です。板の中心部分と外側の部分の色の違いがはっきりしているので、着色をしない場合、やや使いにくいと思われがちですが、材としては非常に価値の高いものだと思っています。

20180121 1

こちらは現在吉祥寺ショップで現品で販売しているカバ材の耳つきテーブルです。やや濃い色味のところと白っぽい部分が混在していますが、カバ材の中では色の違いがない方です。まだ仕上げていない状態で店に展示していたこともありますが、その時もオイルで仕上げたら少しメラメラというかキラキラというか光沢のある模様が綺麗に出るだろうと思っていましたが、案の定、良い感じに仕上がっています。天板の大きさはW1500×D850程度で厚みは40mmあります。重厚感のある天板で4人がけのテーブルを探している方にはぜひオススメしたいテーブルです。

もう一つ、よりスベスベに仕上がるのがチェリー材です。ブラックチェリーとも言われていますが、主に北米からの輸入材になります。チェリーは色が濃くなる経年変化の代表的な樹種として名前が挙がることが多いですが、スベスベの質感も人気の一つの要因だと私は思っています。スベスベで段々色が濃くなってくるので、味が出てくるという表現がぴったりの樹種です。

賢木@吉祥寺

お問い合わせContact

TEL:0422-21-8487
〒180-0004 東京都武蔵野市吉祥寺本町2-28-3 2F
(営業時間: 12:30〜18:00/定休日:火・水曜日)
お問い合わせフォーム
Facebook Twitter Instagram Pinterest