2017.11.27

オイル仕上げのテーブルメンテナンスをしてみました。【No.2115】

塗り直しや修理の際にお客様に使ってもらっている代替え用のテーブルメンテナンスをしました。オイルが抜けてきてシミが目立っていたのでサンドペーパー掛けをしてからオイルを塗っていきます。オイル仕上げテーブルはオイル成分が抜けてくれると艶がなくなってきます。見た目はカサついているように感じます。オイル成分が抜けた状態で使用すると汚れやシミが付きやすくなってしまいます。なので、オイルが抜けてきたらこまめにオイルを塗ってあげると良い状態を保ちやすくなります。また、オイルが抜ける主な要因は水拭きです。ダイニングテーブルとしてお使い頂くと水拭きをすることが結構あると思います。が、なるべく水拭きはしない方がオイル仕上げのテーブルにとっては良い状態を保ちやすくなります。普段は乾拭きでも問題ないと思います。

よってメンテナンスをする時期(メンテナンスまでの期間)は一概には言えません。テーブルの使用状況で状態は全然違ってきます。ほとんど水拭きをしなければオイルの抜けはあまりなく良い状態で長く使うことも可能です。逆に一日に何回も水拭きをしているとあっという間にオイル成分が抜けて、シミや汚れが付きやすくなってしまいます。

今回のメンテナンスはお客様がご自宅でも出来る程度の作業にとどめて、メンテナンス前と後の違いを写真に撮って皆さんに見てもらおうと思いました。ご自宅でのメンテナンスでもこの程度蘇るんだよというのを知ってもらうためです。

ですが、結果として写真ではあまり違いが分からないかもしれません。(先に言っちゃいますが…)

でも、実際はメンテナンス前と後では明らかな違いがあります。私の目だけでは不安かと思いますので、一応他のスタッフにも見てもらいました。そのスタッフも私と同じ目を持っているようで、「全然違うね。」と言っていました。

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こちらがメンテナンス前の状態です。樹種はウォールナットです。よく見ると至る所にシミができています。写真では分からないですが、艶も不均等であまりありません。

で、メンテナンスした後は

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でこちらがメンテナンス後に撮った写真です。言われないと違い分からないですかね?何度も言いますが、実際に見ると全然違うんですよ! シミや細かいキズは目立たなくなっています。

今回行ったメンテナンスは電動工具を使わないサンディングとオイル塗りです。本来、工房でこの手の作業をする際は電動工具のオービタルサンダーを使います。でももの凄い勢いで粉塵が巻き上がるので普通の家の中で使用するのは難しいです。庭など屋外で作業出来るスペースがある場合は可能ですが…

手でサンドペーパー掛けをする場合、サンダーで掛ける場合よりも研磨能力は劣ります。深いキズは化学反応でできた黒いシミまでとり除くのは困難です。あまり欲張らない方がいいです。

今回メンテナンスをした天板には化学反応でできた黒いシミが一箇所ありました。結構ハッキリとついているので、手によるサンディングでは無くならないなと判断しました。
171127_4.jpg
これが付いていた黒いシミです。こうした黒いシミは鉄と水と木の成分(タンニン)による化学変化で生じます。鉄媒染と言って鉄分と水とタンニンでわざと化学反応を起こさせて黒く着色する方法もあるくらいです。テーブルでは一番この反応が起きやすいのが缶ビールや缶ジュースです。冷えた缶は水滴が付いていますよね。この水と鉄分とタンニンが反応を起こします。これは直線なので何か違ったもので付いたはずです。

で、このシミはメンテナンス後にどうなったかというと、
171127_5.jpg
ほぼ変化なしです。少しは薄くなりましたが。このシミを消すには粗いサンドペーパーを掛ける必要があり、作業も大変になるので今回はこのシミを消すのは諦めていました。これだけハッキリと付いてしまった黒いシミはご家庭でのメンテナンスできっちりと消すのは難しいです。跡形もなく消すのには粗いペーパーで磨く必要があります。ただ、この部分だけ粗いペーパーをかけると他の部分との艶が変わって逆に目立つことにもなってしまいすま。やるなら全体を同じ程度でヤスリ掛けしないとダメです。

話が少し前後してしまいましたが、今回は手で#240と#320のペーパー掛けをしてオイルを塗っています。深いキズや上のような黒いシミを完全に消すにはもっと粗い#80や#120のペーパー掛けをする必要があります。でも、粗いペーパーを掛ける事で逆に細かいキズを増やしてしまう可能性もあります。なので、慣れていない人はなるべく粗いペーパーを使わない方がいいです。

長くなってしまったのでこの続きはまた明日書くことにします。

瑞木@相模湖

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