2017.09.09

お神輿にはケヤキ材がよく使われています。【No.2036】

今日と明日は吉祥寺秋祭りが開催されています。吉祥寺は商店街が多数あるので各商店街ごとにお神輿を担ぎます。ソリウッドの吉祥寺ショップがある大正通り商店会は大正祭礼委員会として吉祥寺秋祭りに参加しています。大正祭礼委員会の担ぐ大正祭礼神輿は去年から担ぐお神輿が変わりました。今まで担いでいたお神輿は本体部分に色とりどりの着色がされていましたが、新しく担ぐお神輿は本体部が塗られていない白木造りのお神輿です。

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お神輿には色々な木が使われるようですが、一番使用されるのはケヤキです。こちらのお神輿も本体部分はケヤキで作られています。塗装がされていないので、木が持つ本来の色と木目が分かるので使用されている木材を知ることができます。屋根は黒い漆が塗られているので材の詳細は不明ですが、おそらくケヤキ材が使われていると思います。

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本体部分を拡大するとケヤキが使われているのがよく分かります。長年に渡って使用するものなので、材料の選別にはかなり気を使っているはずです。台座に使われているケヤキ材はとても目が詰まっていて良材だと思います。ケヤキは乾燥中もそれほど大きは暴れず、乾燥後も安定している木材です。そしてズリと重いです。この重さがまたお神輿の魅力でもありますからやはりお神輿はケヤキ材が良いかなと思います。あまりに軽いお神輿だとちょっと拍子抜けしちゃいますからね。

お神輿を製作している会社のWebサイトを見てみると材料は10年ほど寝かせておくと書かれています。お神輿に使われている木材は天然乾燥がメインだと思います。木材乾燥庫などが普及する前からお神輿は作られているはずなので、昔ながらの天然乾燥が主流になっているのでしょう。木材の乾燥には天然乾燥が良いか、人工乾燥が良いかは色々と議論の余地がありますが、ぶっちゃけるとちゃんと乾燥していればどちらでも良いと思います。ちゃんと乾燥していればというのは含水率がちゃんと下がっていれば良いということです。木材の乾燥度合いを調べるのには含水率という指標を使います。どのぐらいの含水率で乾燥がされているかというのも色々と説があります。使用する場所によっても違います。木造住宅の構造材に使用する材なら15~20%の含水率で乾燥材としています。室内で使用する家具の場合は10%以下で乾燥材としているところもあります。含水率10%以下にするには天然乾燥だけでは無理に近いので人工乾燥を施す必要があります。

お神輿は基本的には外で使用するものなので10%以下まで含水率を下げる必要はないと思いますが、10年も寝かせれば15%くらいにはなっているように思います。

ケヤキ材は国産広葉樹材を代表する木材です。国産広葉樹材といえば真っ先に名前が挙がるのがケヤキです。ところが近年はケヤキ材の人気が低迷していると言われています。特にケヤキ材の1枚板テーブルは売れなくなっているようです。その要因としてよく言われているのが和風の雰囲気が現代の住宅内装に合わないことです。確かにケヤキ材というと和室に置いてある座卓のイメージがありますよね。でもオイル仕上げで仕上げればダイニング空間でも全然OKだと思います。

広葉樹の王様と称されるケヤキ材の人気復調がなければ国内の広葉樹林業も上昇の兆しがつかめません。国産広葉樹材の普及をもう一度広めるためにもケヤキ材には頑張ってもらいたいです。

というわけで今日のブログはお神輿によく使用されている木材としてケヤキ材を取り上げてみました。それでは明日も頑張ってお神輿を担ぎたいと思います。

瑞木@相模湖

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