2017.06.10

広葉樹は導管の並び方によって環孔材と散孔材に分類されています。【No.1945】

なんだかんだでもう6月も10日が経ってしまいました。明日11日の日曜日は14時から吉祥寺ショップにて【無垢材テーブル選び方講座】を開催します。無垢材テーブルをお探しの方を対象にどのようにしてテーブルを選んだら良いかのアドバイスをさせて頂きます。ポイントは3つ。樹種・サイズ・仕上げ。この3つポイントについてどうのように考えたら良いかを話す講座です。当日の飛び入り参加も可能ですので、お時間がある方はぜひ参加してみてください。

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無垢材テーブル選び方講座でも少し解説しますが、広葉樹には導管という組織が多数存在しています。導管は水分伝達や養分伝達に機能する組織で広葉樹には必ず必要な存在です。樹種によってこの導管が太かったり細かったりします。導管が太い樹種は肉眼でも導管の存在が分かります。逆に導管の細い木は肉眼では導管の存在が見えません。でもルーペを使って覗くと導管の存在を見ることができます。

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吉祥寺ショップにはルーペを置いてあります。覗いていると導管の断面が見えます。ホワイトオーク材は導管が太めの木材なので導管の様子がハッキリと見えます。ルーペを使わなくても見えます。この板はオイル塗装がされていますので、導管の中にオイルが染み込んでいる様子も見ることが可能です。

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木口を見てみると導管の横断面が見えます。小さな穴があいているのが見えますよね。これが導管です。ストローのようなものがたくさんあると考えてもらって間違いありません。この管を使って水分や養分を伝達していきます。なので、木口面は水分をよく吸収します。そのため、接着剤の効きを薄くなります。導管が接着剤を吸収していますのでうまく接着することができなくなります。なので、木口面を接着剤で接着することはNGです。充分な強度を得ることができません。無垢材は幅方向では接着剤によってはぎ合わせをしますが、長さ方向では接着剤による接着は無理です。導管が存在することによってこういう影響も出てきます。

上のホワイトオーク材の写真を見てみると導管が年輪の沿って規則的に並んでいるのが分かると思います。このように年輪に沿って導管が並んでいる木は環孔材と呼んでいます。孔が環状に並んでいるという意味です。ナラ、タモ、ケヤキといった樹種が環孔材です。環孔材は導管が太めの木材が多いです。環孔材の特徴として木目がハッキリと現れることが挙げられます。

導管が規則的に並んでいない木もあります。それらは散孔材と呼ばれています。散孔材の導管はバラバラに散らばって存在しています。環孔材に比べると導管の存在が分かりにくいです。散孔材の木は導管が細いです。導管が細いと木目は曖昧になります。メープル材などは本当に導管が細く、ルーペを使って見ても導管の存在は分かりにくいです。散孔材には、ウォールナット、チェリー、クルミ、メープル、カバなどがあります。ウォールナット材やチェリー材は散孔材の中では導管が太めです。導管が細い樹種ほど手触りがスベスベします。導管による凹凸がないからです。メープル材やカバ材はとってもスベスベした触り心地です。

導管の太めの樹種はメープル材やカバ材に比べるとスベスベ感は劣ります。注意深く触ってみると導管の凹凸を感じることができると思います。

以上の内容をまとめてみます。広葉樹には導管という組織が存在して、導管の太さや並び方で環孔材と散孔材に分類することが可能です。導管が太めな環孔材は木目がハッキリと現れて、手触りも超スベスベという訳ではありません。導管の細い散孔材は木目が曖昧で、手触り感が超スベスベです。樹種を選ぶ際にこうした違いを知っておくと自分の好みの木材を選びやすくなると思います。

瑞木@相模湖

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