2017.06.06

家具にはならない木のお話。【No.1941】

木が気になってこんな本を買いました。『荻野寿也の「美しい住まいの緑」85のレシピ』X-Knowlege という本。造園家・荻野寿也さんが手掛けた庭を紹介しながらどんな風に緑を取り入れたらよいかが書かれています。写真やイラストがたくさん掲載されているので文字が苦手な人でも楽しむことが出来る本に仕上がっています。トイレでパラパラめくるのにも適している本ですね。

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我々も木を扱う仕事をしていますが、生きている木(立木)については知識はそれほどありません。板になっていれば樹種が分かりますが、立っている状態だと何の木か分からない事がほとんどです。(普段使用している樹種なら分かりますが、それ以外の膨大な種類の木についてはほとんど分かりません。)ハイキングや庭いじりが趣味の人の方が我々よりも立木に関する知識を持っていると思います。

でもって、この本の冒頭に書かれている文章を読んでハッとしました。

“家庭という言葉にもあるように、暮らしの中に庭をつくるということは、安心できる自然を身近に手に入れるということであり、家族や友人と気持ちの良い時間を過ごすことができる居場所を、住宅とともに築くということです。”

家庭という言葉は”家”と”庭”から成り立っているんですね。最近は庭のない家が増えてきていますから、なんだかハッとしてしまいました。庭なんてないのが当たり前と思ってしまっている自分がいました。もしかしたら庭って結構重要なのかもと考えました。庭のある家と言うと庭師の手入れが行き届いた日本家屋を思い出してしまいますが、そうではなく小さなスペースで自分たちで手入れが出来る庭を作っていくのも重要なんだなと。

家具に使用するような大きく成長する木は庭木としては向いていないかもしれません。昔からある街道沿いには立派に成長したケヤキの木が立っていることが多いです。でも、現代の住宅のように狭い敷地にケヤキを植えたら住宅を崩壊させてしまうでしょう。なので建物に近くに植えるならなるべく成長の遅い木がいいそうです。成長の遅い木として挙げられている樹種の一つに”アオダモ”がありました。野球のバットに使われる材として有名なアオダモです。バットの素材になるからとよく植樹されいるのをニュースで見たりします。バットが出来るほどに成長するまでにはかなりの時間が掛かりそうです。が確かに成長が遅いなら狭い敷地に植えてもそんなに大きくならずに良いなと思います。やはり木は適材適所に使うのが大事と改めて思いました。

この本の後ろの方には「美しい住まいの植物図鑑140」というのが掲載されています。ここに出てくる植物は我々にとっては馴染みのないものばかり。家具に使われるような木はほとんどありませんでした。改めて木ってたくさん種類があるんだなと思いました。その中で気になった樹種は”コバンモチ”。細長い小判のような葉を持っていることが特徴らしいです。そのまんまの名前がついているのがナイスです。ホルトノキ科の常緑広葉樹で温かい地方でよく生えているそうです。樹高が20mにもなるのもあるそうです。結構高く成長しますね。全然聞いたことがない木でしたが、ちょっと気になります。今度街中を小判のような葉がある木を探してみます。

という訳で今日のブログでは家具にはならないけど私たちの生活を美しく彩ってくれる木について書かれている本を紹介しました。木って家具にするだけでなく私たちの暮らしをいろいろな面で支えてくれています。木に感謝です。そんな気持ちを改めて感じさせてくれたこの本にも感謝です。木が好きな方、お家に庭が欲しいなと考えている方などにオススメです。

瑞木@相模湖

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