2017.04.13

家具用のオイルとは【No.1887]

家具用のオイルという言葉はあまり聞いたことがないかと思います。ですが、ソリウッドで製作している多くの家具は家具用のオイルで仕上げたものです。今日はこの家具用のオイルについて書いてみたいと思います。まずなぜ、無垢材の家具にオイルを塗るかということですが、これはずばり木材を保護するということです。お届けする家具は、オイルを塗る前にサンディングといってヤスリでキレイに磨き表面を整えます。この状態で触ってみると、スベスベはしていますが、どこが乾燥しているというかカサカサしている感じがします。この状態でも家具として使うことはできますが、表面は全く保護されていないので、ちょっと濡れた手で触ったり、手についた脂分がついていると、触った部分が少し色が濃くなります。そのうちに汚れがついたり脂染みついたりとして、見栄えがどんどん悪くなります。これはこれで良い部分もありますが、できれば汚れや染みがつきにくいほうが良いかと思います。そこで、オイルを木部の保表面に染み込ませて、表面を保護します。オイルの油分が、多少の水分や脂分をはじきます。

また、触り心地だけではなく、見た目でもオイルを塗る前と塗った後では違いがあります。サンディングが終わった段階では木部は白っぽい感じがしてあまり木目が目立ちません。ですが、オイルを塗るとオイルを含んだ部分の色が濃くなり、木目がはっきりと浮かび上がってきます。通常は、オイルに着色成分が入っていないクリアなオイルを塗りますが、それでも色が濃くなります。これは水に濡れると色が濃くなるのと同じで、我々はこのような色の変化を濡れ色になると呼んでいます。

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上の写真はチェリー材のテーブルを仕上げている写真です。手前の白っぽい部分がサンディングが終わった後の状態です。上の色が変化している部分がオイルを塗った場所になります。濡れ色への変化がわかって頂けるかと思います。

次にどのようなオイルを塗るのかということを見ていきます。

家具用のオイルはドイツのメーカーが開発しているものが多く、日本で製作されているオイル仕上げの家具でもオイルはドイツ製のものを使っているケースが非常に多いです。現在、日本で多く流通しているのが、オスモ、リボス、アウロ、プラネットカラーといったメーカーやブランドです。これらはすべてドイツ製で、機能面ではさほど違いはありません。これらの家具用オイルは亜麻仁油を主成分として、より乾きやすく、艶がでるように他の天然成分を加えています。比率や加える成分はメーカーによって違いがあるようで、匂いや粘り気などは違ってきます。ソリウッドでは、リボス社のオイルをメインで使っています。普段はあまり使いませんが、棚類などで着色のご要望があるときなどに他のメーカーの着色成分が入ったものを使うことがあります。

オイルは先ほども書きましたが、表面に染み込ませることで保護する仕上げ方法なので、家具の主流として使われてきた塗膜で覆う塗装方法とは全く違う仕上げ方法になります。塗膜塗装の代表格であるウレタン塗装とよく比べられるオイル仕上げですが、この2つの最も違う点がこの塗膜をつくるかどうかです。ウレタン塗装は薄いプラスチック性の塗膜をはる塗装なので、実際に触っているのはプラスチックということになります。一方、オイルは木部に染み込ませるだけなので、木材の持つ本来の質感を味わうことが出来ます。

オイル仕上げは染みになりやすいとか、汚れやすいとか欠点といえる面もありますが、ちょっとした染みや細かい傷などはご自宅で補修することも可能です。こうしたメンテナンス方法は吉祥寺ショールームで開催しているミニセミナーでもメンテナンス方法の実践を行っていますので、興味のある方やほんとにオイル仕上げで大丈夫と不安に思っている方に是非参加頂きたいと思います。

賢木@吉祥寺

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