2017.04.01

“さくら”と呼ばれることもあるけど”さくら”ではないカバ材について。【No.1875】

あっという間に4月ですね。でも、まだ寒い日が続いています。今日は木工教室の日でしたが、まだまだストーブの近くにずっと居たくなるような気温でした。心配されていた雪は降らずで良かったですが…工房裏の山の上の方はうっすら白くなっていましたよ。

家具業界や材木業界では単に”サクラ”というとカバ材の事を指す習慣がありました。今でもその名残が所々で残っています。例えば「ミズメザクラ」という樹種名。正式名称は「ミズメ」です。カバの仲間であって正確にはサクラではありません。でもカバ=サクラという習慣に基づいて「ミズメザクラ」と呼ばれています。ミズメという木はカバノキ科カバノキ属の木です。一方本当のサクラはバラ科サクラ属の木です。根本的に違う種の木ですが、なぜか同じように扱われていました。一説によるとカバとサクラは色や木目の様子が似ているので、日本人に馴染み深いサクラの名称をカバにつけてしまったということです。本当のことはわかりませんが、どうやらそういう事情があったようです。今から考えるとそんな事してよいのかあ?と思ってしまいますが…

こういう話をすると材としてサクラ>カバのようにイメージしやすいですが、そんな事ありません。カバ材は木材としてはとても優秀な種類です。まず、乾燥面では圧倒的にカバ材の方が乾きやすいです。乾燥中の暴れもカバ材の方が少ないです。家具に使われるサクラはヤマザクラという種類のサクラです。ヤマザクラは乾燥中に割れが入ったり、反ったり、捻れたりしやすい木材です。目の粗い(年輪が詰まっていない)ヤマザクラの板は乾燥中に大きく捻れます。過去になんどかそういう経験をしたので間違いありません。目の詰まっているヤマザクラ材は捻れはそれほどではありませんが、割れが多く入る傾向になります。でも、カバ材は大きく捻れたり、割れたりするのが少ないです。まったくない訳ではありませんが、ヤマザクラ材に比べるとだいぶマシです。

木工教室の生徒さんが制作を開始したカバ材です。この板は木工教室新年会で景品として出した板です。ウダイカンバという種類のカバ材でカバ材の中では別格扱いされているカバ材の中のカバ材です。ウダイカンバは取引される量が少なくなって今では手に入れることが難しくなっています。ウダイカンバ材は他のカバ材に比べて色に特徴があります。中心部分の色は赤味が強いんです。赤味が強ければ強いほど良質な材とみられています。このカバ材も中心部分の赤味が強く、緻密な木目がとても美しいです。Instagramの写真は荒削り状態なので木目の美しさが分かりにくいかもしれません。でもカンナで仕上げると光沢のあるとても美しく仕上がります。

残念ながら現在はウダイカンバ材の板の在庫はありません。市場で見かければ仕入れる気は満々です。ウダイカンバほど赤味が強くありませんが、均一で緻密な木目をしているカバ材の耳つきテーブル天板用の板なら1セット在庫があります。現在吉祥寺ショールームに展示しているK66テーブルです。同じ丸太から製材された板を使用していので色や木目に統一感が有ります。

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ぱっと見は1枚板かと思われるかもしれませんが、3枚の板をはぎ合わせてつくる天板になります。(実際の板はまだはぎ合わせてはありません。) カバ材は堅さもあって丈夫な木です。それでいて表面がスベスベして触ると気持ちよい肌の持ち主です。テーブル用の木材としては最適な部類になります。1点ものになりますので気になる方はお早めに。大きさはW1600×D900mm程度で製作可能です。

ご希望のサイズを伝えて頂ければ見積致します。気になる方は吉祥寺ショールームへお問い合わせください。

瑞木@相模湖

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