2017.03.19

節も樹脂で埋めて平滑に仕上げます【No.1862】

節を樹脂で埋めたサンプルを瑞木@相模湖に作ってもらいました。これまでは口頭での説明と過去の製作実例の写真をお見せしながら説明をしてきましたが、実物を見てもらうのが一番だと思い、ウォールナット材とチェリー材で1枚づつサンプルを作りました。

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サンプルの板はこんな感じです。丸くて魚の目みたいなカタチをしている部分が節にあたります。節の部分が抜け落ちてしまっているので、その穴を埋めるためにウレタン樹脂を充填して平滑に仕上げています。

と突然節について話を進めましたが、改めて節とは何かを説明したいと思います。

節とは、木が伐採される前に枝があった部分になります。通常、伐採された丸太は、製材する前に枝をおとして、何枚かの板に分解されます。製材された板に木目の途中に丸い模様のように出てきます。節には、「生節」と「死節」があります。枝が生きた状態で成長して包み込んだものを「生節」といいます。この場合、まわりの木目部分と節の部分が一体化されているので、節の部分が抜け落ちることはありません。ですが、乾燥の工程で、節のなかで割れが生じて、少し隙間が出来ることはあります。一方、死節は枝が枯れてから包みこんだ状態のものを指します。節の部分が枯れて周りの木部と関わりがなくなってしまっているので、製材した際に節ごとボロっと抜け落ちてしまいます。

節は一般的に製材された板の欠点といわれることがあります。これは主に見た目への影響を考えた際に指摘されている点だと思います。他の大部分を占める木部と部分と違って明らかに異質な見た目をしていて、またどこに現れるかに規則性がないため、見た目を揃えるには節がないほうが統一感があって良いという考えに基づいての節に対する欠点のイメージがついてしまったと思われます。ですが、枝がない木は無いわけであって、節があるのがむしろ自然といえます。死節でも、節の中が割れて隙間が出来てしまっている場合でも樹脂で埋めてしまえば、テーブルとして機能に差はありません。ですが、見た目の問題で「目玉みたいで苦手」という方はいらっしゃいます。

次にソリウッドでの節の扱いについて説明します。

ソリウッドの無垢材テーブルには、4辺が直線にカットされたストレートカットテーブルと樹皮があった部分のカタチをそのまま残した耳つきテーブルの2種類があります。ストレートカットテーブルは、樹種・サイズ・仕上げを決めて頂きオーダーで製作する方式で受注生産をしています。実際に使う板の組み合わせにつきましてはこちらにお任せ頂くkとになります。先ほども少し説明しましたが、節の部分は明らかに他とことなる見た目をしているので、節があるとガラッと表情が変わってしまいます。そのため、天板の個体差が激しくなり、サンプルで展示しているものと大きく違うものになってしまう可能性が高くなります。そこで、ストレートカットテーブルについては、大きな節などは表に出ないようにするよう木取りをしています。こうすることで、ある程度の見た目の品質を保つようにしています。天板の裏面には節などが入っている場合があります。

一方、耳つきテーブルは耳のカタチだけでも同じ物はなく、個体差が激しいテーブルといえます。そのため、製作前に一度、板の写真や現物を一度見てもらうようにしています。節が天板の表にきてしまう場合でも、写真や実物で説明がしやすくなり、節がでることを納得して頂くようにしています。こうすることで完成品とのギャップを少なくすることが可能です。節の部分の周りは独特の木目が出ることが多く、それがあるからこそ素敵に見えるテーブルが出来ることも多々あります。

テーブル以外の棚についても、大まかな製作ルールを設けています。棚の外側や天板の上など、目立つ部分については節のない板を使うようにしています。ですが、側板の内側や棚板につきましては、本などを置いてしまえば目立つこともないと考え、小さめの節や入り皮などが入った板も使うことがあります。

このように、製作するものについて少しづつルールを変えて製作をしています。

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こちらはチェリー材の節部分を埋めたサンプル板になります。

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