2016.12.10

耳つきテーブル用の未乾燥材を仕入れるメリット。【No.1763】

12月も10日が過ぎました。もうあっという間に年末ですね。これから年末までちょっとバタバタしそうな感じです。冬場は木材を伐倒する季節でもあります。材木市場には新物の丸太や製材された板が並びます。秋から冬にかけると木の活動は落ち着きます。落ち着いた時期に伐るのが良いんですね。春から夏にかけては水分の行き来が激しく、この時期に伐ると割れてしまったりといろいろと問題があります。なので、秋から冬にかけて木を伐るのが良いんですね。

この時期は空気が乾燥してくるので、木材の乾燥にとっても好都合です。空気が乾燥していれば、木材の乾燥も早く進みます。湿気の多い夏場は乾燥の進みが遅くなります。木材乾燥庫に入れる場合も冬場の方が温度を上げるのに苦労はしますが、乾燥の進み自体は早いように感じています。やはり湿度が木材乾燥では重要な要素です。

ソリウッドでは耳つきテーブルを製作するための板の多くを木材市場で仕入れています。市場に並んでいる板の多くは、未乾燥状態です。中には乾燥済みと謳われている板もありますが、数は少なめです。材木市場に並んでいる板は製材されたばかりの板が多いです。製材直後の板は割れたり、反ったりしていなく、表面も綺麗なので売りやすいんですね。材木屋さんにとって乾燥は付加価値をつける要素である一方で、リスクを背負うことでもあります。乾燥途中に割れてしまうと板の価値が下がってしまいます。製材機を持っている材木屋さんは製材をしてすぐに売ってしまった方がリスクが減ります。乾燥をさせた板の方が高く売れますので、製材機をもっていない材木屋さんは板を仕入れて乾燥させて売るほうが利益がたくさん出ます。なので、材木屋といっても仕入れ方法や売り方は様々です。

161210_1.jpg

我々のような家具屋さんは、乾燥材を仕入れることが多いです。乾燥材はすぐに使用できるので、板を大量に在庫しておく必要がありません。よく使う材はある程度在庫をもつこともありますが、使う量だけ仕入れることができれば効率も良くなります。ソリウッドでもストレートカットテーブルや棚類に使用する板はすでに乾燥されている板を仕入れて使用しています。まとめて仕入れる場合もありますし、その都度仕入れる場合もあります。乾燥には時間が掛かりますので、未乾燥材はすぐには使えません。未乾燥材を乾燥させるためには少なくとも半年から1年は掛かります。全ての板を乾燥からやっていると大量の木材をストックしておく必要がありますので。

でも、未乾燥材から乾燥させるメリットもあります。まずは仕入れ費用を抑えることができます。未乾燥材は乾燥材よりも安く仕入れることができます。もちろん乾燥をさせる必要があるので単純に安いと考えるのは問題がありますが、乾燥コストを含めても価格的メリットはあります。ソリウッドで導入している木材乾燥庫はランニングコストが従来型の木材乾燥庫よりもかなり抑えることができています。量をこなすのは難しいですが、少ない量なら充分にメリットがあります。

もう一つのメリットは、材木屋さんの好みを通さないで板を選ぶことができることです。乾燥材を仕入れる場合は材木屋さんを通して仕入れます。そうなると、必ず材木屋さんの好みや都合が入ります。しかし、材木市場に直接出向いて板を選べば自分の好みで板が選び放題です。材木屋さんはやはり売りやすい板を仕入れる傾向があります。節があったり、割れがあったりする板は売りにくいのであまり仕入れません。でも、材木市場にはたくさんそうした板が並んでいるんですね。こうした板は個性的なテーブル天板を作ることができます。

161210_2.jpg
現在吉祥寺ショールームに展示しているウォールナット材の2枚はぎテーブル天板用の板です。大きな節が特徴的な板です。これだけ大きな節がある板は材木屋さんはあまり持っていません。売りにくいですからね。こうした板は材木市場で直接仕入れることができるんです。

瑞木@相模湖

お問い合わせContact

TEL:0422-21-8487
〒180-0004 東京都武蔵野市吉祥寺本町2-28-3 2F
(営業時間: 12:30〜18:00/定休日:火・水曜日)
お問い合わせフォーム
Facebook Twitter Instagram Pinterest